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悪役同盟!〜同じ事故が原因で転生した4人の悪役令嬢は同盟を組んで断罪を回避したい!〜  作者: 里和ささみ


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41 悪役令嬢の密談

極秘会議です。

 あの後、呆気に取られた侍女たちに、いくわよ!と促して、断罪の舞台である金獅子の間を後にした。アイザックさんには、もうよろしいので?と何度も確認されたけど、もういいの、と言って、宮殿見学の続きをした。


 さぁーて、この後のご予定は?説教だよ!!かなぴー!!


 あっ、またアーテルに古いって言われちゃう!


 ドキドキしながら香澄様の待つ部屋へ戻る。今日も昼寝なしコース確定です。いっそ帰ってフテ寝したい。


「おかえりなさい。見学は楽しかったかしら?」


 見学は楽しかったし、訓練もっと頑張ろうって思ったよ。


「ごめんなさい。侍女は席を外してもらえる?これから、四人に大事な話があるの。聖女の御技を使う者にしか知られてはならないことだから、お願いね?」


 一見申し訳なさそうなのに、圧が強めのお願いだ。言い訳までさせて、大変申し訳なくなるのは私めの方で御座いますよ。

 扉が閉まったことを確認して、鍵までかける厳重さに背筋が凍るよ。とはいえ、土下座する覚悟は出来ている。もう土下座しかない。ジャパニーズDOGEZAだ!


「スカーレット、オリヴィア、わざわざ戻ってきてもらってごめんなさいね。」


 う、私の名前は入ってない。


「ヴィオラ、何故、侍女を締め出したのか、分かっているわよね?」


「は、はい……。わたくしがきのう、おとうさまのしつむしつでおはなししたけんについて、ですよね?」


「貴女、ダスティンに知恵を授けたそうね。異界の知識だと言って。」


「はい!けいそつにおなまえをつかってしまい、もうしわけありません!ふかくはんせいしております!」


 私は全身の筋肉を使ってスライディング土下座をした。


「あんたね……。」


 アーテルの呆れ声にもへこたれないぜ!プライドなんて大きく振りかぶって暴投して遥か彼方に飛んでったぜ!


「頭を上げなさい。ここにはわたくしたちしかいなくても、貴女は王女なのよ。簡単に人に頭を下げてはダメ。」


「いえ!わたくし、ほんじつはおゆるしいただくまであたまをさげつづけるしょぞんです!もうしわけございませんでしたぁぁぁあ!!」


 若者(スカーレットとオリヴィア)の視線も痛いが、ダメな大人の典型例として、今後迂闊な発言を控えていただければと思う。


「もういいわ。いいから頭を上げて。わたくしも貴女たちに相談があったのよ。」


「それでは、かってにおなまえをつかったことをおゆるしいただけるので?」


「許します。話が進まないから座ってちょうだい。」


 ノーマさんたちに手伝ってもらって、ソファーに座らせてもらった。何の相談だろ?


「ヴィオラ、ダスティンから治水工事の話を聞いたわ。貴女の提案で、多くの民が救われることになるでしょう。ありがとう。」


「いえ、あいまいなちしきなのでじつげんするかはわかりませんから。おれいをいわれることではありません。」


「貴女、ダスティンに異界の知識だと言ったそうね?」


 うぐぅ!やっぱ怒ってるんじゃない!?


「はい……。さすがにわたくしのようなこどもがしるにはおかしなちしきですから。」


「そうね。貴女は自分では取り返しのつかない発言をしてしまったの。分かっているでしょうけど。わたくしでも庇いきれないことも出て来るかもしれないのよ。」


「まことにもうしわけございません……。」


「そこで、提案があるの。ダスティンに事情を話して、こちらの味方に引き込むのはどうかしら?」


「へっ?」


「どうしても隠したいなら協力するけれど、ダスティンはこれからも知恵を借りたいと言っていたわ。聖女の手記の公開をして欲しいと。だけど、聖女の手記に書いてあるだけでは説明のつかない事もあるでしょう?事情を知る大人がわたくし以外にもいた方が安心だわ。」


 みんな考え込んでしまった。暫しの沈黙ののち、スカーレットが不安な瞳で香澄を見つめ、口を開いた。


「ですが、しんじてもらえるでしょうか、いせかいからのてんせいしゃなんて……。しかも、ここはゲームのせかいで、わたくしたちがあくやくれいじょうで、いずれだんざいされるなんて、つくりばなしとおもわれてもしかたありません。」


「ゲームのなかであることはふせるとか?」


 オリヴィアの案でいいと思う。乙女ゲームの世界だなんて、説明が難しい。


「それでもいいわ。貴女たちは確かに、わたくしと同じ世界の、同じ国からやってきた転生者なのですもの。手の内を全て晒す必要はないわ。」


「すべてをつまびらかにすれば、せんそうをかいひできるかもしれなくても?」


「戦争の回避は他の方法だってあるはずよ。それを探して行きましょう。その為にも、ダスティンの協力は必要だわ。」


「でも、ゲームのストーリーかいしじきには、ダスティンがさいしょうではないのです。だよね?」


「そういえばそうですね。もっとわかいかたですよね。」


「だれか、しんたいてきなとくちょうおぼえてる?」


「へいかとおなじとしのころで、かみは……あかかったような?」


「さすがオリヴィア!じゃあ、ダスティンのむすこかも。おとうさまのしつむしつにいたわ。」


「順当ね。有り得ない話ではないわ。」


「その人も巻き込む?」


「あまりはなしをひろげたくないなぁ。おとうさまにあやしまれるのもいやだし。」


「親には知られたくない感じ?」


「そうだね。あなたのむすめ、じつはなかみがおとなでしたー!って、なんかイヤじゃない?」


「わたくしもおやにはしられたくはありません。」


「オリヴィアは?」


「わたくしも、おやにあかすのはていこうがあります。」


「でも、きょうりょくしゃはいたほうがいいとおもう。こんやくにかんしても、いまからくちだしできれば、なおよくない?」


「婚約ねぇ……。」


「ピンとこないよね。あ、スカーレットはジョエルにきまり?」


「まだかくていではありませんが、きぼうはへいかにつたえております。」


「わたくしたちがこんやくしゃをきめずに、せいじょをむかえるということはできないのでしょうか?」


「それは難しいわ。次代の聖女は貴女たちの子の世代で召喚に足る魔力が満たされると予測されていたの。貴女たちが子をなすことは必須になるわ。」


「だけど、わたくしたちのまりょくしだいでかわりますよね?じっさい、ゲームではわたくしたちのせだいでしょうかんされます。」


「わたくしたちにまりょくきょうきゅうをてつだわさせるんだから、それでゆうへいとかっておかしくない?」


「ゲームでは聖女に嫌がらせをしたからでしょ。」


「それにしたってさぁ、うわきをせいとうかするためにせきにんてんかしてるようなモンじゃん?」


「ゲームにハマッてたって言う割には身も蓋もないこと言うわね。」


「まずはせいしんせいいあやまって、キレイにおわかれしてからつぎにいくのがすじってモンじゃない?」


「男からしたら性的な関係がなければ浮気じゃないんでしょうよ。」


「アーテルさんや、こどものまえですぞ?」


「あ、でも、だきしめあったり、キスはしますよね。」


「うわきじゃーん!いいのがれできないじゃーん!」


「証拠残せないから無理でしょ。」


「しょうこ……。げんばをおさえる……?」


「あんたの大事なアーサーでも?現場押さえて?それからどうするの?」


「うぐぅ。そのまえに、そんなおとこにそだてないのがもくひょうでっす!」


「精々頑張って。」


「つめたッ!」


「男なんて、浮気したら最初は下手に出て、次に自分を正当化して、最後は権利だけ主張してくるわよ。」


「それ、だんじょかんけいなくない?」


「なら、浮気をするヤツの思考は(すべから)くそんなモンよ。」


「なんか、じっかんこもってるぅ〜!」


「バツイチだったからね。相手が有責の。」


「ええー!!しらなかった!!そんなニュースきいたことないけど!?」


「表に出なくなってからの話だからでしょ。」


「わぁ〜、かさいのおせわに?」


「なったわよ。」


「うわぁ、そうだったんだぁ〜、おつかれさま。」


「どうも。」


 トコちゃんなら財産分与もさぞ揉めただろうなぁ。相手有責でも、長引きそうな案件だ。


「では、スカーレット以外には婚約の意思がないということでいいのかしら?」


「はい。」


「そうよ。」


「わたくしも。」


 オリヴィアも即答だった。推しはいないって言ってたしな。そのまま続けてオリヴィアが話を進めた。


「まずきめなければならないのは、さいしょうにどこまでおはなしするか、ですよね?」


「だんざいかいひには、やはりゲームのはなしはきりはなせません。」


「そもそもせつめいがむずかしいわよね。」


「宰相が欲しいのはヴィオラの知識でしょう?身バレするのはヴィオラだけでいいんじゃないの?」


「アーテルひどくない!?みんなみちづれにきまってるじゃん!わたしのちしきだけじゃたりないところもあるとおもうしさ!」


「とりあえず、こんやくのはなしはあとにしませんか?すぐにきめるわけではないんですよね?」


「ええ、そうね。アーテルは確定だけど。他の三人は5歳までには決まるのではないかしら。」


「まだじかんはありますね。」


「それまでに、はつげんけんをつよくしたいわ。ダスティンのきょうりょくだけじゃ、こころもとないもの。」


「どうすればいいのでしょう?」


「それはやっぱり、せいじょのみわざをかくとくして、くににとってゆうえきなそんざいになる!」


「結局それなのね。」


「ぜんいん、ほごしてもらうってなると、それしかなくない?」


「保護……珍獣みたい。」


「あながちまちがいでもなくない?」


「あんたね……。」


「今の魔力量だけでも充分有益なのよ。」


「でも、せいじょをしょうかんしたらおやくごめんになるのではないですか?」


「普通ならそんなことにはならないけれど。貴女たちは次代の王妃と三公なのだし。」


「ゲームでのヒロインは、アーサーでんかルートならおうひ、ほかのこうりゃくたいしょうならさんこうのどこかにおさまります。」


「かくしキャラのときはどうする?」


「そのときも、だんざいされるのはアーテルさまですもんね。」


「アーサールートからのぶんきですからね。」


「はなしにはでてこなかったけど、そのときのアーサーってだれとけっこんするのかな?」


「さあ……。ヒロインはオリエンスをつぐことはけっていですが。」


「貴女たちに年の近い三公とセプテントリオは、他に女の子の宛てがないのよ。アーサーの立場で、婚約者候補がこんなに少ないことは稀なんだそうよ。貴女たちの下に女の子が産まれればまた話が違ったのでしょうけど。」


「ゲームではそんなびょうしゃはありませんでした。」


「わたくしとスカーレットにはあにがおりますが、しまいはおりません。」


「アーテルはオリエンスのひとりむすめってハッキリいわれてたよね。」


「そこはゲーム通りでしょうね。」


 なんかあるのかな?両親が不仲とか?


「アーテルの父親はもういないのよ。」


「えっ!?」


「ウチの親、私が産まれてすぐに離婚したのよ。」


「りこんって、このせかい、アリなの?」


「娘が追い出してしまったからねぇ。あの時は大騒ぎで大変だったわ。」


「まりょくりょうがたかいこどもをうむには、としのちかいものどうしのけっこんがのぞましいとききましたが、なんさいさまでのことをいうのですか?」


「五歳差ね。理由は分からないけれど。」


「ホントこのせかいのいでんしってどうなってんの……。」


 みんなで途方に暮れていると、カミラさんが香澄様に耳打ちした。


「そろそろダスティンが来る時間だわ。」


「えっ!?ここにくるんですか!?いまから!?」


「どうしましょう、けっきょくほうしんがさだまってないですよ。」


「結局、真実を明かすの?しらばっくれるの?」


「ちしきのでどころ、ぜったいついきゅうされますよね?」


「とにかく、てんせいしゃであることをあかして、ようすをみる!ひみつげんしゅをじょうけんに、きょうりょくする!いきあたりばったりだけど、いまはコレしかない!!」


 ああーッもうッ、なんでダスティンが来るのさ!香澄様は事を急ぎ過ぎる!!もうちょい時間ください!!!

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