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3 悪役令嬢の成長(身体的な意味で)

うお!作業途中で寝落ちして焦りました!消えてなくてよかった!

すみれ=ヴァイオレットの独白は続きます。

 頑張ってテンション上げて独白とかしてみたけど、疲れた。私、基本的にハイテンション持続しないタイプなもので。齢二歳でもう人生に疲れた。結構、耐えた方だと思う。アラフォーが赤子を演じるのはキツイ。認めよう。私はアラフォーです!誕生日過ぎた(はず)だしね。


 ただ、身体は赤ちゃんとして正常な生理的反応があったので、その部分に大いに助けられた。それで精神ガリガリ削られて、SAN値かなり危ないことになってたけど。


 自分で子どもを育てたことないから、前世の友だちとか親戚の赤ん坊思い出して、だいぶ頑張った。子どもと遊ばせてくれたみんな、ありがとう。あの時はうわ、めんどくさ!って思っててごめんなさい。子育てには役に立てられなかったけど、自分育ての参考になりました。


 そんなこんなで現在二歳。乙女ゲーム『キミ色の恋』略して『キミコイ』の世界に転生して早二年。


 前世の最後に見た舞台は『〜召喚聖女は黄金の恋をする〜』というサブタイトルがついている。黄金ってのは今世の弟、アーサーのことを指している。アニメ準拠のメインヒーローだもん!我が推しが優遇されるのは当然のこと!!いや、ゲームじゃ他のルートもね、いい話たくさんあるんだけどね。そこは身内びいきと言うことで!ちなみにアウルムはラテン語で金のこと。Auって化学で習うアレ。化学、苦手だったなぁ。


 私、ヴァイオレットは悪役令嬢としてゲームには出てこない。聖女の末裔として、能力値上げのイベントに何度か出てくるくらい。悪役令嬢というより、ライバルキャラの立ち位置。四人の攻略対象はそれぞれ婚約者がいて、それが私とあと三人の公爵家の令嬢。他にも隠しキャラがいるけど、その人には婚約者が関わって来ない。


 ゲームでは婚約解消(冷静に考えれば攻略対象有責の破棄だよね)についてはサラッと流されたけど、アニメでは自分たちの婚約者が主人公(ヒロイン)にキツく当たるのに攻略対象が腹を立てて、島流し的に、瘴気の溢れる魔の森と呼ばれる僻地に幽閉……って、ちょっと理不尽じゃない!?


 ホント、二次元だから許されることだよ。不実者のレッテルを貼られたくないから婚約者を陥れて自分たちを純愛に仕立てたいだけじゃないの?うわー、一気に冷める。アーサーはそんな男にはならないようにしっかり育てなくっちゃ!


 あ、そうそう!弟のアーサーなんですけれども!年上力を発揮して、同い年なのに面倒見まくり!私のことを「びお〜」って呼ぶの!まだ舌ったらずでね!私もまだ呂律回らなくて「アーシャー」になっちゃうんだけど!


 そんでもって今日は、他の攻略対象や悪役令嬢とご対面する日でございます。お茶会だよ!異世界転生の醍醐味だよね。普通は二歳でお茶会なんて行かないんだけど。


 ワタクシは王女なんですけれども、我が王家は直系本家とすれば、ほかに傍系分家の三つの公爵家で成り立っておりまして。公爵家は異世界にありがちな血液バンクですね。国の成り立ちである初代聖女と英雄の子孫の血を、遺伝に問題ない程度に薄めつつ保ちつつ、その能力を繋いでいく役割をしています。


 初代聖女も異世界からやってきたそうなんですが、こちらの世界の人間である英雄と、セオリー通りに目出たくくっつきまして。間に子を設けたわけなんだけれど、聖女の能力は女系にしか遺伝しなかったんですね。二人の王子と三人の王女がいたんだけど、その三人の王女をね、公爵として封じたのですよ。


 なので、直系王家は男の英雄の方が王になって国が興ったこともあって男児が継ぐんですがね。三公と呼ばれる公爵家は女公爵が立つんです。ところがどっこい、都合よく必ず女の子が産まれるなんてこともなくて、その辺りは四家で女の子が()ったり来たりして、聖女の血を絶やさぬようにしてきたのです。


 初代聖女はどういう経緯か解明されてないんですが、自然にというか勝手にというか、誰かが呼んだわけでもないのに降臨されたそうです。その頃、世界が瘴気に侵されつつあって、浄化能力のある聖女様が降臨されたのは神のお導きだという話になってます。


 降臨された地には、こちらも未だ解明されていない古代語で描かれた魔法陣があって、それが最初からあったのかその時に出来たのかの論争が学者同士であったりするわけだけど、まあ、そこを聖地にしましょう、と。


 聖地は幸いと言っていいのか分からないですが、国の北側にある山の上で他国に接してないので、聖地を守る形で国が形成され、今に至ります。


 聖地含む北側が王家、南をメリディエス公、東をオリエンス公、西をオッキデンス公が治めます。その中で分割して他の貴族が領地の面倒を見る、という感じです。規模が大きいけど、都道府県と市区町村の関係かな。市が侯爵家、区が伯爵家、町が子爵家、村が男爵家、みたいな。土地の特色や人口もあるので広さとは完全な相関関係ではなくて、どちらかと言うと経済規模で分けてる感じですね。


ちなみに王家直轄地はセプテントリオと呼ばれて七つに分かれ、王家と公爵家出身の魔力量が多い男子が相続しています。こちらも血の保存のためです。能力は母系遺伝だけど、魔力量は父系遺伝なので、王家が高い魔力を維持するのに必要なのです。王都セプテントリオーネスを取り囲むように領地は隣接してるので、東京特区みたいな感じ。


 なので、今日お会いする皆様は三公のお家の令嬢と、年の頃合いが良いセプテントリオの子息たちです。それが『キミコイ』の悪役令嬢と攻略対象なのです。


 この世界が、ゲームなのかアニメなのか舞台なのかは分からないけれど、出来れば悪役令嬢にはなりたくない!断罪怖い!幽閉お断り!仲良くなれたらそれが一番!


 ……でも、子ども同士で何して交流すればいいんだろ?


 あぁー、他の悪役令嬢も転生者だったらいいのになぁ。あの時、周りにいたあの人たちとか、一緒に転生してないかなぁ。そうすれば、お互いに協力出来るし、分かり合えるじゃない。


 まっ、そんな都合のいい展開ないか!本来なら転生なんてない方がいいことだもんね!

評価、感想、お待ちしています!

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