09 その2
問題その2、
『ゲートルーム』や『システマ』以外の緊急事案対応手段の件、
今みたいに危ない問題が多発した時に、みんなが即応出来ちゃう手段を増やしたいなってことなんです。
「ふむ、つまりは『転送』手段の多様化、ですねっ」
「クロ先生の『転送薬』、ハルミスタさんの『転送』魔導具みたいな、個人で『転送』出来る手段ですか……」
『転送』は何よりも安全第一なので、誰でも手軽にってのはやっぱり難しいですよね。
「確かクロ先生の『転送薬』は、服用者が一度訪れた場所のみの限定『転送』」
「ハルミスタさんの『転送』魔導具も、あらかじめ転送先の座標指定が必要」
「残念ながら、いま欲しい緊急事態救援用の『転送』手段ではありませんね」
やはり簡単にはいきませんか。
「……」
アリシエラさん?
なんか、私の顔をじーっと、見つめておりますが。
「少しお時間をいただけませんか」
何か良いアイデアが?
「おぼろげに、ではありますが……」
アリシエラさんなら、形に出来ると信じてますよ。
「むはっ、期待の重さは信頼の証し、必ずやモノにしてみせますよっ」
では、問題その2は宿題ってことですね。
「ご期待あれっ!」
それじゃ、次が最後の問題です。




