14 ピカリンッ
さて、いよいよやることナッシングな退屈乙女は、
いたずら心も騒ぎ出すってなもんですよ。
みんなお出かけしちゃったことですし、
お久しぶりに、アレ、やっちゃいましょうか。
モノカ邸地下倉庫の一室は、
実は秘密の特訓場。
いや、ただのだだっ広い空き部屋なんですがね。
それじゃ、いくよ『ゼファール』
「ノルノル ノリノリ ノラにゃんこっ」
ピカリンッ
「特攻ッ 勇者ッ ノ ノ カッ 華麗に変身!」
うっす、変身完了っす。
まあ、名乗りを上げる必要はさらさら無かったんすけど、
お約束ってことっすよ。
よし、衣装にキツいところはナシっと。
お胸まわりとか、そろそろキツくなってきてもいいのにな……
うん、気を取り直してっと。
スカート、やっぱりまだ恥ずかしいっすね。
普段は極力、履かないんで。
足がお子ちゃまみたいな棒っきれ真っ直ぐ足なんで、
見られるのはちょっと、ね。
こんなんでも、蹴るとスンゴイんですがね。
えーと、大丈夫っすよ。
中はスパッツなんで、ハイキックも安心。
私は本当はフレッシュなパニエ派なんすけどね。
まあ、さすがのアリシエラさんでもこのネタは伝わりませんから。
でも、ネルコにだけは悟られないよう要注意、っすよ。
バレたら絶対にフリフリのヤツを作ってきますからね、あの娘は。
いかに乙女同士でも、秘密は明かすべからず。
変身ヒロインのお約束っす。
それでは、っと。
レディーゴー!
(鼻歌)
ふいー、満足満足。
好きな番組のお歌にノッて、思う存分身体を動かす。
これぞ変身ヒロインの醍醐味っすよ。
そのうちノノカちゃんがアニメ化しちゃったりしたら、
やっぱりエンディングはダンスっすかね。
鼻歌、練習しなきゃっすね。
それじゃ、お腹いっぱい楽しんだし、そろそろお開きってことで。
「……」
……
えーと、ゼシカさん、いつからそこに、
「ピカリンッ からです……」
ぎゃふん