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13 真っ直ぐ


 怒涛の一日から、一夜明けました。


 今日の私は一応、休日扱いなのですが、


 なんだか、高揚しているような、落ち着いているような、妙な心持ち。


 まあ、みんなに言わせると、大体普段もこんな感じらしいのですが。


 さて、今日は何をやらかしちゃいましょうかね。




「こんにちは、モノカさん」


 こんにちは、リカさん。


 チームミスキは、今日は配達業務が定休日でしたっけ。



「そうなんです」

「ミスキお母さんは、ルルリエさんとお料理研究会」

「ルミはアリシエラさんにお呼ばれされて、新型『転送』装置の開発のお手伝い」

「マヤはアランさんの読み聞かせ会に、マクラちゃんの付き添い」

「私だけ取り残されちゃったんで、モノカさんのところにおじゃましちゃいました」

「ご迷惑でしたか」


 いえいえ、今日は私もフリーなんだよ。


 せっかくふたりそろったことだし、


 さて、何しよっか。



「ちょっと相談ごと、いいですか」


 何なりと。



「このあいだの全員集合会議で、個人の専用装備の希望を聞かれたんですけど、まだ何も決まってなくて」

「私にはどんな装備が向いてるんだろうって、悩んでるんです」


 うーん、難しいよね。



 リカさんみたいなインファイターは、近接戦特化を突き詰めた方が良い気もするし、


 逆に、アウトレンジ対応させて闘い方に幅を持たせた方が良い気もするし、


 迷っちゃうよね。



「まさにそれが悩みなんですよ」


「モノカさんは、ずっと槍での近接オンリーなんですよね」


 そうだね、チームモノカしてた時でも、


 中距離以上はアイネとシジミにお任せって感じだったかな。



 付け焼き刃の闘い方よりも、得意な槍の技を磨く、みたいな方向で。


 もちろん信頼できる仲間がいてこその戦法だよね。


 メンバートレードしている今は、より専門性が増したって感じかな。



「……」


 もちろん『黒猫嵐の魔導急便』としてのリカさんのポジションは、私とは違うよね。


 チームミスキでがっつり闘えるのはリカさんだけなんだから、


 いろんなシチュエーションに対応出来るよう、闘い方に幅を持たせるのもアリ。


 でも、基本は配送業なんだから無理に攻撃特化にせず、みんなを守れる防御系とか、戦闘回避用の補助系とかも。


 あちゃあ、なんだか考えれば考えるほど選択肢が増えていっちゃうような……



「そっか、チームミスキとしての役割、か」


「……」


 なんか閃いたの?



「いえ、全然です」

「でも、なんとなく分かってきたかも」

「私たちは『黒猫嵐の魔導急便』だから、優先すべきはチームミスキ、ですよね」

「一度ちゃんとみんなに相談してみます」


「ありがとうございます、モノカさんっ」

「なんだか頭の中がスッキリした感じですっ」

「それじゃ、おじゃましましたっ」



 あら、走って行っちゃったよ。


 リカさんらしい真っ直ぐ乙女っぷりだよね。


 いま帰っても、ひとりだと思うんだけど。


 うん、頑張ってね。



 で、私は何しよっかな。



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