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11 おひさ


 そして、いよいよ運命の瞬間。


 今はアリシエラさんのお部屋で『ゼファー』とふたりきり。


『"つくも神"度魔導測定器』の使い方はしっかりと教わりました。


 それでは、測定開始!



 ……



 測定器の画面に現れたのは、


 あー、お久しぶりです。



 師匠ですね。


 ある意味、実の両親よりも私の人生に深く関わっちゃってる、槍のお師匠さんですよ。



 ってか、ご本人と見紛うばかりのそっくりさんってことですね。


 確かに、"つくも神"と成る過程で重要なのは使用者の深い思い入れ、とのことでしたし、


 私が槍を使えば使うほど、その槍に師匠の魂が込められちゃうんですね。


 すごく納得です。



 えーと、お話し、出来るんでしたっけ。


 操作は、こうして、こうっと。


「こんにちは、"つくも神"さん、秘崎 萌乃果です」



『どうも、こんちは』

『めんどくさいから今まで通り『ゼファー』って呼んでいいよ』


 あー、しゃべり方までまんま師匠だね。



「『ゼファー』さん、いつもお世話になっております」

「なにか私にやって欲しいこととかございましたら、この機会に教えてくださいな」


『特に急ぎの用事はないかな』

『あえて言うなら、最近私に頼りすぎなんじゃないかなってことくらい?』


 うひゃあ、お小言まで、師匠のまんまですわ。



『以前の『ゼファーゴーレム』も、このあいだの白衣のおっさんも』

『もうちょっとやりようがあったんじゃないかってこと』

『槍だけに』


 うへっ、なんだか泣きたくなるほどの師匠っぷり。



「肝に銘じます……」


 ってか、あのおっさんの時って、ノノカちゃんに変身して『ゼファー』は『収納』に入れっぱだったのに、しっかり見られてたんだね。


"つくも神"、侮りがたし。



『せっかく周りは達人揃いなんだから、ひとりで鍛錬ばっかしてないで組み手とかバンバンやって、もっといろいろ学びなってこと』

『異世界、楽しんだもん勝ちでしょ』


 やべ、昨日も見られてたよ。


 ってか、マジで泣きそう。


「えーと、これからもちょくちょくお話ししに来てもよろしいですか?」



『えー、めんどくさいからヤダ』


 師匠! ってか『ゼファー』さんっ、頼みますよっ。



 ってアレ?


 画面の右上の数値、


 100%って、


 確か自力で顕現出来る、天然"つくも神"状態ってことなんじゃ……



『それこそ、めんどくさいからヤダ』


 うぉい、なんじゃそりゃっ、


 もしかしてオリジナル師匠より駄目っ娘なんじゃね。



『ま、気が向いたらってことで』


 あー、了解です。


 それでは、今後ともよろしくお願いします。



『うん、死なない程度に頑張ってね』

『それじゃ、おやすみ……』



 ……



 本当、師匠そのままだったね。


 なんだか、嬉しさ半分、呆れ半分って言うか。


 まあ、今まで通り仲良くやりましょうか。


 槍だけに、ね。



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