03話 初めての異世界の街
「やっと着きましたよ」
(おお~、近くで見るととても迫力満点ですね)
「そういってもらえて嬉しい限りです」
「お帰りリサさん、おや肩に小鳥が乗ってますね。どうしたんですか」
(途中帰ってる最中に肩に乗ってきたといってもらえればいいです)
「ただいま、この小鳥は途中で肩にとまってきたんです。そのまま入っていいですか?」
「はい大丈夫ですよ。リリナさんもお帰り」
「はい、ただいまです」
『ガヤガヤ』
(すごくにぎやかですね)
「はい、入り口付近は冒険者ギルドがあるのでいつもこんな感じですよ」
「奥のほうに行くと武器屋などの店が並んでいます」
「そこに私のお店もあるんです」
「リリナのお店はいつも人がいっぱい来るぐらい人気なんですよ」
(そうなんですか、すごいですね)
「えへへ」
「お店が見えてきましたよ」
(とても落ち着いた外見でいいですね)
「ありがとうございます」
『チリンチリン』
「今日はお休みです~、ってお姉ちゃん、お帰り!」
「ただいまハルナ」
「大丈夫だった?けがとかしてない」
「途中ちょっとあったけど大丈夫だよ」
「ちょっとって何?」
「説明するから落ち着いて。とりあえず奥に入ろう」
「そうだね、すっかり忘れてたよ」
(とても好かれているんだな)
「はい、というか溺愛といってもいいくらいですよ。リリナに告白した人がいたんですがその人をぼっこぼこにしたことがありました」
(oh何とも怖い)
「リサさん、何ひとりでつぶやいてるんですか。それにその肩の小鳥はどうしたの?」
「それも含めて奥で話そう」
「はい」
-----
「それで、森で何があったんですか?」
ハルナに事のいきさつを説明する。
「それで、その肩に乗ってる小鳥がお姉ちゃんを助けてくれたということですか」
「そういうことだ」
「ありがとうございます」
(別に見かけたから助けただけだから大丈夫ですよ)
「それで小鳥殿は人にも擬態することができるのですよね」
(はい)
「ではなるべく街ではその状態でいてもらっていいですか?」
(わかりました)
「別に肩に乗っていてもらってもいやではないのでいいんですが、周りの視線が気になってしまうので・・・」
(なるほど、確かにとても周りからの視線が集まっていましたね。ただ、服がないのでどうにかしないといけないのですが)
「それなら助けてもらったお礼に私が作ります!!」
「私もお姉ちゃんを助けてもらったお礼に手伝うよ」
(ありがとうございます)
「作成まで1日ほどかけたいのでそれまでどうかうちに泊まっていってください」
(いいのであれば)
「はい!!ぜひ!!」
「それじゃ、私は帰るよ。また明日ここに来るね」
「うん、またね」
『チリンチリン』
(そういえば二人は友人か何かですか?)
「幼馴染です。実家がお隣なんですよ」
(そうなんですか。だから近衛騎士の人なのに護衛にこれたのですね)
「はい、今日はお休みだったので来てもらったんです」
(明日も休みなのですか?)
「いえ、明日はお昼休みに来ると思います」
(なるほど)
「さて、採寸をしたいんですがえっとどうすればいいですか?」
(ちょっと待ってくださいね)
-----ステータス
名前:なし
種族:樹央
称号:転生者
木々の統率者
お人よし
考察者
体力:66/66
攻撃力:2
魔力:186/94
(はい、魔力も少しは回復したので大丈夫ですよ)
「わかりました、ええっと、一時的に切るものを持ってきますね」
(はい、お願いします)
----数分後
「わぁ、とても真っ黒な髪ですね」
「あはは、変えようと思ったら変えることもできるんですけどね」
「便利ですねぇ、っとそんなこと言ってる場合じゃなかったですね。採寸しますね」
「はい」
-----数分後
「これで大丈夫です
「わかりました」
「あの、寝る場所を用意したほうがいいですよね?」
「あ~、いえ、土があるところはありますか?」
「それなら裏庭があるので案内しますね」
『ガチャ』
「ここです」
「よし、早速」
『ベキベキベキボキゴキゴキャ』
「わぁ、本当に小さい木でした」
(そういったじゃないですか)
「あはは、そうですね。それじゃあ私は服を作ってきますね」
(よろしくお願いします)
「はい!!」
-----次の日
ふぁぁ、よく寝た
この体でも眠れてよかった。
さて、ステータスは
-----ステータス
名前:なし
種族:樹央
称号:転生者
木々の統率者
お人よし
考察者
体力:66/66
攻撃力:2
魔力:186/186
魔法:サンライトレーザー,土変動,植物変動
技能:固有スキル『光合成,土中栄養吸収,神聖回復』
ユニークスキル『想像擬態,言語翻訳』
エクストラスキル『視点操作,木々操作,感覚共有,思念伝達,解析鑑定』
耐性『自然現象耐性,物理攻撃耐性,痛覚軽減,精神攻撃無効』
よしよし、ちゃんと魔力も回復しているな。
それと何か称号が増えているな
お人よし?
バカにされてるのかどうかわからん。
それと体力が上昇しているな。称号のおかげかな。
それと考察者ってのは最近考え事が多いからか?
こんなに簡単に称号は手に入るものなのか?
ユニークスキルの解析鑑定は考察者のおかげか。
確かよくステータスに向かってよく鑑定をするのをアニメで見たことがあるな。やってみるか。
『木々の統率者、樹央が生まれながらにして持つ称号。土と植物を操る魔法を取得し、自然への耐性が付く』
『転生者、異なる世界から渡ってきた魂が記憶を持った状態で生き物に宿ったもの。称号や魔法、スキルなどがとてもよく手に入りやすくなり、強化される。言語翻訳を取得する』
『お人よし、困っている人を見ると助けたくなる人。光のつく名前の称号や魔法、スキルの数×2+体力』
『考察者、考えをめぐらすもの。思考処理能力上昇、解析鑑定を取得』
おおー、転生者の称号のおかげで他の称号なんかが手に入りやすかったのか。
それとお人よしって称号はおちょくったような名前だがかなり有用なスキルだな。
もしかすると転生者の称号のおかげで強くなってるだけで元々そこまで有用なスキルじゃないかもしれないな。
だってこんなに手に入れやすそうな称号だしな。
さて、ステータスを確認したし、移動するか。
『ビキビキゴキ』
ん?音がそこまでしないな、もしかすると大きさによってどれくらいの音がするのか・・・やっぱり魔力もそこまで消費してないようだ。
-----ステータス
名前:なし
種族:樹央
称号:転生者
木々の統率者
お人よし
考察者
体力:66/66
攻撃力:2
魔力:186/163
小さい木や小鳥はそこまで大差はないが人間となるとかなり大きいしな。
『ガチャ』
「あっ、小鳥さん、起きてたんですね。おはようございます」
(ええ、おはようございます)
「服はもう少しかかりそうなので待っていてください」
(そうですか、ありがとうございます。それより、ちゃんと夜は寝ましたか?)
「あはは、少し夜更かし気味で服図作りをしましたけどちゃんと寝ましたよ」
(別に街を歩くなら人の姿に、ということなので寝る時間を惜しんでまで作らなくていいですからね)
「はい、わかりました。ふふ、小鳥さんはいろいろ心配性なところが多いですね」
(そんなことないですよ。ちゃんと睡眠をとっているかなんて誰でも心配しますよ)
「ふふ、そうですね。そういえば勇者って知ってますか?」
(勇者・・ですか?)
「はい、話によると異世界から来た人だそうです」
(異世界ですか)
「はい、それでとても温和な方だそうですよ。それで、小鳥さんみたいに少し心配のし過ぎなところがあるそうです」
(そうなんですか。勇者は聞いたことはあります。実際いるとは思いませんでした)
「私もです。おとぎ話のような人が本当に存在するなんて思いませんでした」
(勇者にはあったことはあるんですか?)
「いえ、服屋なのでそういったことをお客さんが知っていてそういうことを話してくれるんですよ。それで勇者のことを聞きました」
(なるほど、服屋ですし、冒険者たちとかもよく寄ったりしそうですしね)
「そうなんですよ。冒険者はいつもボロボロになって帰ってくるので新しい服を買いに来る冒険者が多いんですよ」
(かなり大変ではないですか?)
「いえ、服を作ることが生きがいなので特に苦に感じたことはないですよ」
(そうですか)
「それでは、私は服作りに行ってきますね」
(はい、よろしくお願いしますね)
「はい!!」
『ガチャ』
さて、暇になってしまったな。
リリナが服を作っている間何をするか。
とりあえず魔法の練習でもしているか。
-----8時間後
『ガチャ』
ん?
「できましたよ小鳥さん!!」
(できましたか。ありがとうございます)
「早速着てみますか?」
(はい)
-----数分後
「わぁ、お似合いですよ」
「あはは、ありがとうございます」
「それでどうされますか?今お昼ごろなので一緒に昼ごはんでもどうですか?」
「そうですね、いただけると嬉しいです」
「わかりました。少し待っていてくださいね」
「俺も手伝いますよ。まかせっきりっていうのは気が引けますし。服まで作ってもらったのに」
「大丈夫ですよ。服を作ったり、ご飯を作ったりするのは命を助けてもらったからですよ。私は結構料理が上手なんですよ」
「そうですか。それなら黙ってみていますね」
「はい!!」
-----数十分後
「oh,何というかすごいですね」
「腕によりをかけて作りました!!どうぞ遠慮せずに食べてください」
「はい、何から何までありがとうございます」
「いえいえ」
『ビキビキビキ』
「わっ、それは何ですか?」
「箸、といいます。食事をするときに使う道具です」
「その2本の棒がですか?」
「はい、このように持って・・・それでつまんで食べるんです」
「なるほど、面白いですね。私にもいただけますか?」
「はじめのうちはかなり難しいですよ」
「大丈夫です!!服作りで手際はかなりいいほうなんです」
「まぁ、それならいいですけど」
『ビキビキビキ』
「こう持ってっと、あれこの指が・・・こうかな」
「そうですね、持ち方はあってます。ただつかんで口まで持っていけますか?」
「むむむ、これはかなり・・・あっ」
「ははは、あまりうまくいかなくて当然ですよ。初めに手にしてはうまく扱えたほうですよ」
「そうですか・・・」
「さぁ、リリナさんがせっかく作ってくれた料理が覚めてしまわないうちに食べてしまいましょう」
「はい、そうですね」