プロローグ
初投稿です。色々と拙い文章だと思いますが、生暖かい目で読んでくださると嬉しいです。
なにか変だなと感じるところがありましたら、容赦なくダメ出しして下さって構いません。
色々と試行錯誤しながら頑張りますので、これからよろしくお願いします。
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迷宮侵食合戦当日、俺たちは開戦に向けて最終調整をしていた。
相手は、あのオルファだ。あの頃の俺からすれば、間違いなくかなう相手ではなかった。
だが、俺はあの頃とは違う。今の俺には───
「ついにこの日が来ましたな、ベルグレッド様」
「……アルガか」
声をかけてきたのはアルガ。
俺の初めての名前持ち魔物であり、頼れる幹部だ。
最初はひ弱なゴブリンだったが、俺のスキルと名付けにより、今では比べ物にならないほど強くなっている。
ゴブリンとは思えないほど知能も高くなっており、うちの参謀でもある。
「ゴブリン部隊の状態は?」
「既に万全でございます。いつでも出陣出来ますぞ」
「そうか。トレス」
トレスはダンジョンがある程度安定してきた頃に生み出したもう1人の幹部の有翼族。こちらもスキルと名付けによって高い戦闘力を誇っている。うちの最高戦力だ。
「ハーピィ部隊も大丈夫よ。ベルちゃん」
「そうか………ベルちゃんという呼び方は、何とかならないのか」
「だって呼びにくいんだもん。仕方ないでしょ?こっちの方が可愛いんだもの」
しかし、少々性格に難がある。可愛いもの好きなようで、俺を変な呼び方で呼んでくるのだ。別に嫌というわけでは無い。嫌というわけでは無いのだが、正直恥ずかしい。
最初の頃こそ、アルガと同じく堅苦しかったのだが、名付けをしてから性格が変わった……と言うより、『個性』が確立したようで、このようになってしまった。
「トレス。ベルグレッド様に対して不敬だぞ。何度言えば分かるのだ。」
「何よ、いいじゃない。嫌だったらベルちゃんも嫌って言うはずだわ。言わないってことは、そこまで気にしてないのよ」
「そんな訳にはいかぬだろう。主に向かってそのような呼び方では、他の者に舐められるやも知れぬ。第一威厳というものが────」
………また始まった。
奔放な性格のせいで、真面目で堅物のアルガとはよく衝突している。最初は俺も止めたのだが、あまりにも日常茶飯事すぎて、もう諦めた。
アルガ曰く、『ベルグレッド様に対する敬意があまり見えませぬ』とのこと。真逆の性格をしているから、馬が合わないのもあるのだろうか。
「はぁ………」
「今日は賑やかですね。マスター」
「アスナか。今日もの間違いだろ?」
アスナは迷宮主連盟から派遣されてきた迷宮主秘書だ。ダンジョンのあらゆる事に精通しており、色んな相談に乗ってくれる。
彼女の知識にはどれだけ助けられたことか。
「あら、そうでしたか?でも、昨日は珍しく静かでしたけど」
「まあ昨日はな。あいつらも空気を読むということを知っていたのかと思ったよ」
「アルガさんが、精神統一のために自室に篭ってたからって言うのが1番の理由でしょうけどね」
「だろうな……呼び方なんて、正直どうでもいいのだが」
「ふふふっ、でも、彼ららしくていいじゃないですか」
「俺は嫌だぞ、面倒くさい。毎日横で騒がれる身になってみろ」
「──大体貴様は、どうしてそこまでいい加減なのだ!」
「しつっこいわねぇ……いいじゃない!どうしようとあたしの勝手でしょ!?」
「ベルグレッド様は寛大な御方だ。確かに、幹部である我らには多少の自由は許されている。だが貴様のベルグレッド様への態度!到底見過ごせるものではない!!!」
「あたしはあれが自然体なの!別にいいじゃない!!!部下の前ではちゃんとしてるし!」
まだやっているのか………。そろそろ止めてやらないとな。
「そこまでだ2人とも。アルガ。何度言えば分かる?もういい。確かにそこまで気にしている訳では無いからな」
「ベ、ベルグレッド様……しかし…………」
「お前は俺のために、本当によく働いてくれている。それは、他の誰よりも俺が1番分かっている。だが、自分の価値観を他人に押し付けるのは良くない。人には、人それぞれの忠義の表し方がある。トレスも、常にあれというわけではないのだ。少しくらい、目を瞑ってやれないか?」
……本音を言うと、そろそろ疲れたから止めて欲しい。
「いや、しかし……………むぅ……承知致しました」
「さっすがベルちゃん!!わかってるじゃない!……ほら、私の言った通りでしょ?」
「貴様………!く、ぬぅ………」
「トレス、お前もだ。今更呼び方をとやかく言うつもりもないが、やりすぎだ。いい加減にしろ」
「うっ……も、申し訳ありません」
俺がたしなめると、トレスは謝罪した。
ちゃんと素直に謝れるところは美点なのだがな。
「はぁ……まあいい。そろそろ時間だ。行くぞ」
「……ベルグレッド様に勝利を」
「今回こそ暴れられるわよね?いつも眺めてるだけで、退屈だったの」
「サポートはおまかせください!」
──今の俺には、最高の仲間達がいる。負けるはずがない。
さあ、行こう。過去の因縁を断ち切るために。