表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
偽界説  作者: ひうか
現実世界
1/20

説が始まった説

2022年8月現在修正中です、コメントくれるとやる気出ます!

遠慮なく辛口で良いので感想どうぞー


(話をより面白くするために、話の内容を追加したり変更したり減らす場合がありますのでご了承下さい。)

 宇宙(せかい)は不思議だ、無の中より無数の銀河と多大な可能性を秘めたこの世界ができて、その中には長年の時と幾多もの奇跡が積み重なった地球がある。


 どのようにして宇宙は誕生したのか?


 多くの学者はビックバンから宇宙が始まったと提言する。確かにそこは合っているだろう。だけどこの地球……いや、地球を含むこの世界ができた理由はもっと深い。ビックバン一つで済ませられない話なのだ。


 なんとかその証拠を探ろうと 毎日のように文献を漁って、生涯の半分以上を費やしてきたが、大抵のものは物理的な演算ばかりでこれと言って何も無い。誰も彼もが己が舞台で考えたがるようで、自分はそんな論文を睨みつけ、ただいたずらに日々を過ごすのだ。


 そればかりか自分の掲げる説が型破りな説であるがゆえに訝しんだ目はおろか、暴言が飛ぶことも度々である。そう「税金の濫費者と」彼らにはこの真理を妄言にしか見なせないのだろう。


 さあ、どうしようか、そう考えながら研究室の中をいつものようにクルクルと歩き回る。


 ドンッ……バサッ


 自分の脚が机にぶつかった。


「おっと……何か落ちたか」


 屈み込むと本棚の隙間に四角い何かを見つける。ゆっくりと手を伸ばし新たな手がかりになればと夢心地で握った。埃を軽く払ってみる。これは……バーコードもタイトルもなく、稚拙な字に雑な挿絵、ふっ、こんなものに期待した自分を嘲笑う。


 そこまでに自分は求めていたのだろうか……自分の生きたこの道を、無駄ではなかったと保証してくれるものを。今、ここで捨ててやっても良かったのだが、なんとなく心地よい肌触りが懐かしく読み進めてみる。


 さて、どうかな……


 ……異……世…………ソレラ……と共に…………

 …………変わって……た世…………



「……こんなに、掠れていたら、何を書いているのか分からんの。それより、()()()とは何だろうか?」


 その後も日記のような形式が続くばかりで期待通りのものは得られなかった。が、稚拙な字の中にこの作者なりの情熱が見受けられる、色んな形容詞を駆使して、色鉛筆で力一杯塗りたくっている。ひとつ語るならいつもいるこの赤い人と青い人は誰なのだろうか?


「まぁ年月があるからの」


「ハッハッハッ……ハッ…………ハ…………」


 自分の空虚な笑い声がこだました後に、ふと、真顔になる。

 いや、()()()は聞き覚えがある。確か……そっ、それ……()()()だったか?


 ……そうだ!やっぱり自分は間違えてなかった。


 考えるよりも早く筆を持っていた。ついに見つけた。全ての記憶が封印が解けたように溢れ出し、頭の中でグルリと巡る。無駄じゃなかったんだ、紙を水滴で濡らしながらも静かに筆を下ろした、そして、最初の部分はこうしておいた。



 ではでは、長らくお待たせしました。


 これは、数多く存在する()()()()()の一つである。


 しかし、紛れもなく実際に起きたことだと断言できよう。


 ある少年があることをしてあるものを消した話…… それもそう遠くない過去に…………



 ーーーー



「ーーここは……どこだ?」


 まったく見覚えのない、暗がりの中に俺は一人ポツンと立っていた。ただ息を吸うと苔臭く、近くの岩肌に触れてみればゴツゴツした感触が鮮明に伝わる。


 ……洞窟か、俺がここにいる理由が分からない。特に用はなかったはずで、思い当たるものもない。それに、不思議と俺はここにいてはいけない気がする。


「うーん……」


 考えてみても分からない。そもそもインドア派の俺が外に出ていること自体おかしい。家を出るきっかけなんて、そんなものを与えてくれる人だって俺にはいない……が、何はともあれ、一旦ここから脱出することに間違いはないだろう。なにかヒントになるものが無いだろうか?


 ……そうして辺りを見渡すも、大したものはなかった。上には唯一の出口となり得る大穴が頭上高くにあるばかりで、あとは大小様々な半透明クリスタルと、光さす位置に青白い花が咲いているばかりであった。


 しかし、まったく状況が分からない。むしろ、余計混乱してしまった。なぜこんな幻想的な場所が地球にあるのか、まるで異世界みたいだと……


「ま、なんにせよ、綺麗な景色を見るために家を出る俺ではないんだがなぁ……」


 呟きを漏らしながら、光さす大穴の方に歩いてみるしかないか。何度も見渡しながら、足元の砂利のジャラジャラすらも鳴らさぬように進み続けると花が咲く小高い丘に面した。


 丁度この洞窟の真ん中にあるみたいだ。光がさし込み幻想的な空間ではあったが何気ない丘に感じる。が、なぜか不思議と俺は足を止めて、吸い込まれるようにそちらを向いた。そして自然と俺は丘の上を見やる……


 すると、少々眩しげに人間らしき姿を確認した。目を凝らしてみると、眩しい光にだんだんと慣れて、相手が自分とあまり変わらない背丈の少女だと分かった。中高生ぐらいだろうか?


 その少女は花と同じ青白色の腰まである長髪に、青と白を基調としたひと繋ぎのワンピースのような服を纏っている。これだけ聞けば可憐なお嬢様。ただ、一種の舞踏会的な正装に対して腕に巻かれた白い布、左にある花模様の胸当ては異様で、極め付けの、腰の矢筒に左手の弓はなおさらだ。そんな奇妙な服装の少女は静かにこちらを見下ろした。


「っ……」


 俺はすぐさま何か声を掛けようと思ったが言葉を飲み込んだ。なぜここにいるんだ?何の用だ?と訊くつもりだったのだがそんなことはすぐに消えてしまった。理由は簡単だ、少女があまりにも美し過ぎだのだ。


 整えられた状況、服装、髪、振る舞い。そんな中で、白く綺麗な顔立ちで俺だけを異常なほどに凝視するのだから絶句するのは至極当然だろう。


 そんな中、顔を見ていると、目が合った。透き通る青い目がツンと心に突き刺さる。美しさ故に身震いし、やはり美しいとただただそう思った。しまいには、この完璧なまでの美しさはきっとこの世界の人ではないだろうとさえ俺は思った。


 しかし、先程から何かが引っかかっていた。俺は俯き考え込み思考を巡らせる。なぜ初めて見る人のはずなのに不思議なぐらい俺は落ち着いているのだろうか……と。


 だが、考えたところで分かる訳もなく、分からなかった。それに、多分その答えは今はまだ分からない気がした。


 スッ…………


「はっ」


 我にかえる。が、遅かった……少女の指は既に弦に掛けられて、矢がキラリと輝いた。



「――お願い、死んで」



 その一言と共に放たれた魔法の矢は戸惑いのあまり静止する俺の胸を深々と貫いた。……俺はその場で跪いた、震える手で被弾したところを触ると真っ赤な液体がベタリとつき。指の間から止まらぬ血が落ち続いた。あぁ、やはり撃たれたみたいだ……


 しかし、俺はなぜ撃たれたんだ?


 その疑問の糸口を掴むために激痛の伴うなか力を振り絞り少女の顔を見る。少女は何も感じていないのか無表情だった。またしても、透き通るような青い目と合った。少女は見られていることに気づいたのかスッと顔を背ける。人形のような顔にわずかばかり悲痛の影を浮かばせて。なぜだ?なぜ喜ばない?なぜ『お願い死んで』と言ったんだ?ますます分からないじゃないか……


 それ以上考える暇はなく、俺は地面に倒れた……



 ーーーー



「うわぁぁぁ」


 俺は荒い息遣いで目を見開き、勢いよく飛び起きた。気分はというと、当然悪い。ベタッと張り付く汗がヒンヤリとして気持ち悪く、汗が重力に従い首筋を伝う度にゾクッとさせられた。


 まだ額にあるそれを払いながら落ち着こうと深呼吸するも未だに心臓の鼓動は収まらない。こんな夢を何回も、何回も、見る俺はどうかしたのだろうか?


 しかし、あまりにも飛び起き過ぎた、この脆い床が抜け落ちていたら笑いものだ。ここは最上階の二階で俺の部屋、下には、お風呂や母の部屋が広がっている。床が抜けて怒られることだけは避けなくてはならない。


 さあ、今は何時だ?壁時計に目をやると10時をとっくに過ぎていた。


「過ぎていた……か。…………え? これって、遅刻確定じゃねえか!」


 眠気が一気に飛んでいった。今日だけはしっかり起きなければならない、そんな日だったのに。しかも、ベット横にある棚上のアラームは止まっていた。理由は……そうだ、昨日妹がテレビのリモコンのために電池を抜き取っていたからだー。後で戻すと言いながら、結局戻し忘れていたのかよ。なんで昨日の俺は許可をして、妹は戻しもせずに、起こしもせずに見捨てていったんだよ。朝から気分最悪だ。


 しかし、落ち着け、12時はまだ過ぎていない。そうこれは道端でか弱く可憐な少女を助けていたことにすれば許され……ないか?とにかく急ごうその言い訳が通用する遅刻にしないとね。


「しかし、少女助けて遅刻はきついかぁ……と、言い訳は後で考えよう!」


 俺は急いで部屋の扉とクローゼットを開けて、黒いズボンにカッターシャツ、上から藍色の学ランを着て、下のカバンに教科書を詰め込んだ。そして、廊下を滑り走り居間を見渡す……と、妹の部屋を睨みつけておくことも忘れてはならない。


「あった」


 テーブルの上のすっかり冷めきったいつもの残念トーストをたいらげれば、準備オッケー。たった五分で用意を終わらせた、優秀だな。そしてドアノブを捻って家を出た。



 ーーーーー



 俺は中学入学祝いの自転車で急ぎ学校に向かっている。入学、懐かしいな。もうすぐ卒業で学校も終わる……多くの人は悲しむんだろうけど、俺にとっては最高で喜びしかない。それは単に勉強が辛いわけでなく社会の縮図たる学校が嫌なのだ。


 今だに「名前なんだっけ?」と聞かれることがあるほど馴染めない俺は、きっと卒業式に涙一つなく過ごすことになるだろう。このまま束の間のモラトリアムなる春休みを謳歌して、高校への新たなる絶望に期待かな。


 あっ、俺はいきなり右手を捻った。下り坂でかけたブレーキは高い音を立てて体を宙に浮かす。尻目に何かを発見したのだ。毎日が平凡で退屈な日々を送っている俺にとって、こういう違和感には人一倍敏感であると自負している。


 あれは……人気のない住宅街の横道に人が倒れているのを発見した。いや、してしまった、というところか。


 それにあの髪の長さと体型から多分同年代ぐらいの女子といったところだろう。俺は女子は好きではない…………いや、はっきり言おうか、苦手なのだ。過去にあったちょっとしたトラウマでね。


 いや、まあ確かにさっき家で言い訳に少女の人助けとか思ったけど、あれはそのネタみたいなもんで、求めてなかった?し、うん。


 とりあえずだ、まあ、とっとにかく苦手だから、たとえ言い訳になろうとも俺がここで女子と関わりたいと思うことは絶対に有り得ないのだ。そう、だから俺は見なかったことにして、そっとその場を立ち去るのみ。が、困ったことに少女の肩が僅かばかりに動く。もしや、と思えばその通り。少女に声をかけられてしまう。


「あっ……」


 そうして、俺はため息まじりに振り返るのである。

装飾が多い、何がしたいか分からない、物語に入り込めない、敬体常態の区別、フリガナ少ない、ややこしい、難しい、とか……


(具体例や具体的な要素があれば分かりやすいです。)


このように、意見があったら教えて下さい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ