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色鉛筆の描き方。

作者:佐倉
生まれてから早28年。思えばずっと灰色を好み続けて来た。

小さい頃、1番早く無くなるクレヨンは灰色だった。
小学生の頃、その時代には珍しい灰色のランドセルを背負って学校に通っていた。
中学の頃、美術部で灰色が主役の絵ばかりを書いて、よく顧問に怒られた。
高校の頃、制服の時以外は、灰色のジャージを愛用するようになった。
大学時代、自分のしたいことも好きな事も分からなくなった。




正しいことも悪いこともない、グレーな場所に依存していた。




ただ1つはっきりと分かるのは、僕が唯一好きなものは『灰色』という事である。かといって、僕の愛しき人生を『灰色』に染めたいという訳では無い。
そんな願望は別にない。ただ、灰色が好きなのだ。それだけだ。
僕の人生にあらすじを付けるとしたら、ただ『灰色』というだけで十分だ。それこそが僕の人生であり、それこそが僕なのだから。




しかし、そんな僕にも、たまに別の色の人生を考える時もある。
熱血で情熱的な赤、冷静で真剣な青、穏やかで凛々しい緑、明るく穏やかな黄色。10人いればそれぞれ10通りの生き方、『色』が生まれていく。色んな色を想像してみるけれど、やっぱり僕には灰色が一番似合うと思うのだ。




それと同じなのだと思う。
彼女に1番似合うのは『白』なのだと。
色を持たない色。
色に染まりやすく、色を染めやすい色。
馴染みやすく、馴染まれやすい色。




彼女の色に、いつの間にか僕も侵されていた。
僕の灰色は、いつの間にか白に極近いものへと変わってしまった。





もうすぐ彼女の命日だ。



エピローグ
2016/03/12 22:30
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