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転落勇者の人生大逆転物語  作者: シュウさん
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反発力

大工の棟梁とうりょうであるゲインに、

ケモイヤー村の宿泊施設建築を依頼した翌朝、

屋敷の食堂で、朝食をるために集まった皆を前に、

サスケは言った。

「ケモイヤー村の方は、

ゲインさん達の準備が整うまでは何も出来ないから、

サン達には、引き続き剣造りの方を進めてもらうとして、

俺は、ミルクと一緒に領主様の城へ行って、

1回目の剣を納品のうひんしてくるぜ。」


「私も行くのですか?」

サスケなら、『魔倉まそう』に剣を入れて行けば、

納品など一人で十分なので、

不思議に思ったミルクがたずねた。


「ああ、剣の納品ついでに、

ピロンの領主様に、

俺とミルクの事情を打ち明けてこようかと考えてな。」


「話してしまっても大丈夫なのですか?」


「ああ、俺が実際に会って話した感じでは、

ここの領主様なら、話して置いた方が良いだろうと思ったんだ。」


「サスケさんが、そう思われたんなら、

私は、それにしたがう様にいたします。」


「もしかすると、まるで俺の見込み違いで、

話した結果に寄って、街を出る羽目になるかも知れないけど、

その時は、みんなにはしばらく生活するのに困らない程度の、

お金を支給するから自由にしても良いぜ、

もちろん、ダンミーツ達の奴隷契約も解除するから心配するな。」


「いえ、ご主人様、

私たち家族は、ご主人様に窮状きゅうじょうから救って頂いたという、

ご恩を返し終えておりません、

ご主人様やミルク様が、どちらかに行かれるなら、

私たちも、一緒にお供致しますわ、

ねっ、お前たち。」


「「「はい、お母さん。」」」


「お頭、私たちも、もっと教えて頂きたい事が沢山ありますから、

その際には、お供しますよ、

なっ、みんな。」


「「「おう!」」」

「そうですよ、お頭、

私らは、1円タクシーってやつですから。」


「もしかして、一蓮托生いちれんたくしょうの事か?」



皆との朝食を食べ終えたサスケとミルクは、

領主の城をおとずれて、

城の入り口を警備していた兵士に声を掛けた。

「おはようございます。」


「ああ、サスケさん、おはようございます。

もしかして、もう出来上がったんですか?」


「ええ、1回目の納品にうかがったので、

騎士団長のカタブツ様に、お取次ぎ願えますか。」


「分かりました。

サスケさんが剣を造ってくれると聞いて、

みんな心待ちにしてたんですよ、

今、団長に知らせて来ますので、

少々、こちらでお待ち下さい。」


「はい、お願いします。」



少しすると、兵士に案内されたカタブツがやって来た。

「おはようございます。カタブツ様。」


「おはようござります。サスケ殿。

うん?そちらの方は?」


「おはようございます。カタブツ様。

私は、サスケの婚約者のミルクと申します。

以後いご、お見知りおきの程、よろしくお願い申し上げます。」


「これはこれは、ご丁寧ていねいなご挨拶あいさつ、心にる、

こちらこそ、お願い申し上げますぞミルク殿。」


サスケとミルクは、カタブツの案内で領主の城の応接室へと案内された。

コンコン!とノックをしてから、

カタブツが部屋の中に声を掛けた。

「お館様、サスケ殿と、ご婚約者のミルク殿をご案内しました。」


「おう!入ってもらえ。」


「はい、分かりました。

では、サスケ殿、ミルク殿中へどうぞ。」

カタブツは部屋のドアを開けて、

2人を部屋の中へとうながした。


「失礼します!」

「失礼申し上げます。」


「うむ、おはよう。

サスケとミルク殿でしたかな?」


「おはようございます。オークス様。」

「おはようございます。ご領主様。

私の事はミルクで結構です。」


「うむ、ではミルクと呼ばせていただくぞ、

私の事はオークスで良いぞ。」


「はい、オークス様。」


「うむ、それで良い、

それで、サスケ、ここに顔を出したという事は、

最初の剣が出来上がったのか?」


「はい、オークス様、

お約束の1回目の納品へ伺いました。」

サスケは『魔倉』から、黒魔鋼こくまこう製の剣3振りと、

鉄剣30振りを取り出して並べた。


「おお!これは見事な剣だな、

どうだ?カタブツ、お前が見たところの剣の出来栄えは。」


「お館様、御前おんまえにて剣を手にする事を、

御許可ごきょか頂けますか?」


「構わん。」


「では、失礼して。」

カタブツは、黒魔鋼の剣を手にすると、

さやから抜いて光にかざして見る。

「おお!これは何と見事な剣なのだ!

お館様、私は今まで、これ程見事な剣を見た事が御座いません!」


「ハハハッ!いつもクールなお前が、

それ程はしゃいで居るのを見れば、聞かずとも分かるわ。」


「こっ、これは失礼しつれいつかまつりました。」


「よいよい、

それでサスケ、例の機能きのうめたのか?」


「はい、何とか成りました。

カタブツ様、その剣をお貸し頂けますか。」


「うむ。」


サスケは、カタブツから黒魔鋼製の剣を受け取ると、

持ち手をオークスへと向けて、差し出しながら言った。

「オークス様、剣の持ち手を握って、

少しで良いので魔力を流して頂けますか。」


「うむ。」

オークスが軽く魔力を流すと、

剣がわずかにピカッと光をはなった。


「これで、この剣にオークス様の魔力の波動を認識させる事が出来ました。

魔力の波動は、指紋と同じで一人一人違う物なので、

この剣が認識しているのはオークス様の魔力だけです。

では、カタブツ様、

軽くで良いのでオークス様を切る真似まねをしてみて下さい。」


「ばっ、馬鹿者!真似とはいえ、お館様に剣を向けられるか!」


「良いぞ、カタブツ、

サスケは、自分がやったのでは剣の能力を証明出来ないと考えて、

お前に頼んだのだ、

私に、一番の忠誠ちゅうせいちかっている、

お前がためすのが一番確実だからな、

お前だって、私の安全を確かめて置きたいであろう。」


「そっ、それは、そうなのですが・・・分かりました。

お館様が信じられたサスケ殿なら、

間違えは御座いませんでしょう。」


「うむ、カタブツ、やって見せてみよ。」

オークスは、カタブツに向かって腕を差し出して見せた。


「では、ご免。」

カタブツは、オークスが差し出した腕に向かって、

軽く剣を振ってみた。

すると・・・


「うおっ!」

オークスの体に、剣の刃が触れると見えた寸前、

カタブツが剣を振った速度に倍加する勢いで、

剣が反発したのだ、

その勢いで、カタブツは大きく体勢を崩した。


「ただ今、ご覧になった通りに、

この剣をオークス様に向けると、

振った剣速けんそくの倍の力で反発するのです。

剣を振った者は、カタブツ様の様に大きく体勢を崩すので、

その間に取り押さえる事が出来ます。」


「うむ、見事な出来だぞサスケ!

どうだ?カタブツ、その剣を使ってみた感想は。」


「はい!お館様、

この剣なら、安心して城の者たちに持たせる事が出来まする、

見事な出来栄できばえですぞ!サスケ殿。」


「はい、ありがとうございます。」

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