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転落勇者の人生大逆転物語  作者: シュウさん
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勇者と英雄

翌朝、サスケ邸の居間では、

朝の訓練をえたサンたちがくつろいでいた。


そこへ、ガチャッとドアを開けて入って来る者が居た。

「アンデット!?・・・いや、またお頭ですか?」


「そ・・・そうだ・・・俺だ。」


「また、そんな状態になるなんて、

一体、何をすれば、そんな事になるんですか?

はい、中級治療薬と魔力回復薬です。」


「ゴクゴクゴク、ぷはぁ~、

助かったよリン、サンキュ~な、

また、ひどキモチイイ目にっちまったぜ。」


「前も、そんな事を言っていましたが、

あんなになるなんて、どうされたんですか?」


「そこら辺の事情は朝飯の時に話すよ。」


「そうですか、分かりました。」



やがて、朝食の準備が整って、

屋敷の者たちが食卓へと着いた。

「今日は、朝飯の前に発表があります。」


「お頭、お腹がペコペコだから急いで下さいね。」


「分かったよ、ジュリー。

では単刀たんとう直入ちょくにゅうに言いますが、

この度、俺ことサスケとミルクは結婚する事になりました。」


「ええ~!ホントですか?お頭。」

「おめでとうございます。ご主人様。」

「お似合にあいのカップルですね、ご主人様。」

「うう~っ、本妻の座が・・・」

「お幸せになって下さい。」

「「「「「キキキ~!」」」」」

「結婚式はげるんですか?」

「まだ、愛人なら・・・」

「ミルク様、サスケ様、おめでとうございます。」

「サスケよ、よくぞ決心しおったな、

ミルクさんを幸せにするんじゃぞ。」

所々に不穏ふおんなセリフが含まれていたが、

おおむねね祝福されている様だ。


「はい、ありがとうございます。

それと結婚式は、取りえず今回の領主様からの依頼が終わってから、

挙げる事にしようかと考えてんだ。」


「その時は盛大せいだいにお祝いしましょうね。」

「ご馳走ちそう沢山たくさん欲しいな。」

「ミルク様、私が準備を進めておきますね。」


「ありがとうマリィ、準備はお願いするわね。

皆さんも、ありがとうございます。

あと、何名かの方は、

私と同様どうようにサスケさんを愛していらっしゃるみたいですが、

私とサスケさんが結婚するからと言っても、

あきらめる事は無いと思いますよ。」


「どう言う事だミルク?」


「昨夜も申し上げましたが、サスケさんは英雄になれると思うからです。」


「英雄になると何かあるのか?」


「はい、勇者や英雄になると、

妻を複数ふくすうめとるのが当たり前なのです。」


「ミルクは、それでも平気なのか?」


「はい、王族や貴族では当たり前の事ですから、

私の事を一番に思って下されば問題ありません。

それに、勇者や英雄と呼ばれる方は、

殿方とのがたとして、あちら方面の能力が高いので、

妻が一人では、妻の身が持たないと言われています。」


「そ、そうか、

と、ところで、勇者と英雄の違いって何なんだ?」


「魔王を倒した者のみが、勇者と認定されるのです。

英雄は、勇者には成れなかったものの、

何かしらの偉業いぎょうを成し遂げた者が認定されます。」


「じゃあ、俺は勇者って呼ばれていたけど、

実際には、まだ成っていなかったんだな。」


「はい、異世界より召喚された方たちを、

便宜上べんぎじょう勇者と呼んでおりますが、

正しくは『勇者候補』で、

魔王を倒して、初めて真の勇者と成り得るのです。」


「へ~、じゃあ、真の勇者って言う人は余り居ないんだ。」


「はい、魔王は一度倒されると、

復活するまでに数百年の歳月さいげつようしますので、

真の勇者も数百年に一度しか生まれません。」


「なる程な、じゃあほとんどの『勇者候補』は、

英雄に成っているっていう事か。」


「いえ、魔王が倒されると役目を終えたと認識されるので、

殆どの『勇者候補』の方は、元の世界へと戻られます。

転生勇者の方や、元の世界に帰りたくない方が英雄に成られる様です。」


「そっか~、確かに俺みたいに、

こっちの世界の方が楽しいと感じるヤツばかりじゃ無いもんな。」


「そうですね。」



「何と、私にもチャンスが!」

「大・どん・でん・返し!」

「それでしたら、私も・・・」



結局、サスケとミルクの結婚式は、

領主からの依頼を終えて、少し時間を置いてから、

街の教会にて、おこなう事にした。



「そうなると、後の問題は領主様からの宿題なんだよな~。」

「そうじゃのう、新たな魔法術式まほうじゅつしきを生み出すというのは、

並大抵なみたいていな事では無いからのう。」

朝食を食べ終えて、

居間で皆と食休みをしているサスケとヴィン爺ぃが話している。


「領主様からの宿題って何ですか?お頭。」


「それがな・・・」

サンが質問して来たので、

サスケは、領主に依頼された剣に、

領主に対する攻撃不可の魔法術式を付与しなければならない事を話した。


「へ~、それって、お頭のスキルに似ていますね。」

ジュリーが何気なにげなく言った。


「ジュリー、今、何て?」


「へっ?い、いえ、あの~、お頭の『讃者燦親さんしゃさんしん』って、

スキルに、ちょっと似ているかな~って思ったんで・・・」


「そうか・・・

『讃者燦親』は、俺に好意を抱いている相手にしか働かないスキルだよな、

逆を言えば、俺に敵意を持っているとスキルが働かないって事か・・・

でかしたぞジュリー!その辺から考えていけば何とかなりそうだな。」

「そうじゃな、スキルを解析していけば、

ゼロから始めるよりは、うんと短縮できるぞい。」


「えへへ~、お役に立てて嬉しいです。」


「よし!ご褒美ほうびに今夜の晩飯は、

ジュリーたちの故郷に行った際に、

村の皆さんに、振る舞おうと考えている料理を作って試食させてやるぞ。」


「やった~!楽しみ~!」

「あ~、ジュリーさん良いな~。」

「「「「「キキキ~。」」」」」


「心配しなくても、馬鹿デカい料理だから、

スクルやチビリンたちが食べる分も十分あると思うぞ。」


「やった~!」

「「「「「キキキ~!」」」」」

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