ホット!ホット!
「ただいま~。」
「「「「お帰りなさいませ。ご主人様。」」」」
「「「「お帰りなさい。お頭。」」」」
「お帰りなさい。サスケさん。」
「お帰り。サスケ。」
「お帰りなさいませ。サスケ様。」
「「「「「キキキ~。」」」」」
「お頭。遅かったですね、ギルドで何かあったんですか?」
「ああ、ギルドに行ったら、
領主様が、俺に会いたいって言ってるって事だったんで、
領主様の城まで顔を出してきたんだ。」
「領主様が、お頭に何の用だったんですか?」
貴族に対して余り良いイメージを持っていないリンが、
訝しげに質問して来た。
「リンが心配する様な事は何も無かったぞ、
マッドパイソンの襲撃の際のヴィン爺ぃ達の活躍と、
ヤキニクが大ヒットしてピロン領の経済が潤った事に対しての、
報奨金をくれたんだよ。」
サスケは領主から貰った箱を見せながら説明した。
「装飾されていて綺麗な箱ですけど、
やたら小さいですね、ピロンの領主様ってケチなんですか?」
「俺も、受け取った時は、そう思ったんだけど見てみるか?」
サスケは箱からコインを取り出して見せた。
「もしかして、白金貨ですか?」
「ああ、俺も初めて見たんだが、そうらしいな、
箱の中に、これが10枚入っていた。」
「1億ギル!?」
「ああ、随分と奮発してくれたもんだな、
と言うわけで半分渡しておくからな。」
サスケは白金貨をヴィン爺ぃに3枚、ミルクに2枚手渡した。
「「これは?」」
「言ったろ、半分はマッドパイソンの討伐報酬なんだから、
ヴィン爺ぃやミルクの取り分だよ。」
「だが、ワシらは報酬を断ったんだから、いらんぞい。」
「ええ、ヴィン爺ぃ様の言われた通りですわ、サスケさん。」
「2人とも街で暮らす様になったんだから、
俺が一緒に居る時は良いが、いつも一緒に居るとは限らないから、
魔導ポーチや、魔導バッグに入れといてくれるか。」
「ふむ、それもそうじゃな、では預かっておくとするかのう。」
「分かりました。私も、お預かりしておきます。」
「あと、みんなには臨時ボーナスとして100万ギルづつ支給するので、
失くさない様に魔導ポーチや、魔導バックに入れておく様に。」
「ええっ!?私たちは奴隷だから頂けません、ご主人様。」
「そうですよ、お頭、私たちは良い生活をさせて頂いていますので、
それで十分です。」
「いや、ここのところ皆には頑張って貰っていたし、
何と言っても、それぞれが仕事を憶えてくれたお蔭で、
錬金や鍛冶に、俺が付いて居なくても大丈夫になったのが大きいな。」
「でも、みんなに、こんなにお金を配ってしまったら、
お頭が大変じゃないんですか?」
「じつは領主様から剣の製作を依頼されたんだが、
魔法を付与した鉄剣を1本100万ギルで100振り、
同じ付与の黒魔鋼剣を1本1000万ギルで10振り、
頼まれたんだ。」
「ご、合計2億ギル・・・」
「2億!?」
「さすが、ご主人様です!」
「みんなも知っての通り、
俺は、鉄や黒魔鋼を魔力を使ってスキルで造れるから、
今回の依頼の報酬も丸儲けになる算段だし、
余りお金の事は気にしないで良いぞ、
それに、ヤキニク関連でも大儲けしたしな。」
「でも、どれもこれも全部、ご主人様のお力ではございませんか。」
「いや、確かにアイデアは俺が出したもんだが、
みんなの協力無しでは実現出来なかったからな、
これからも忙しいと思うから、
その分のご苦労さんの気持ちも込めたボーナスと考えてくれ。」
「サスケが、こう言っておるんじゃから、
皆も受け取った方が良いぞい。」
「そうですよ、その分、
これからも、サスケさんの為に働けば良いんですよ。」
「分かりました。
それでは、ありがたく頂いておきます。
ありがとうございます。ご主人様。」
「「「ありがとうございます。ご主人様。」」」
「「「「ありがとうございます。お頭。」」」」
「あの~、私も頂いてしまって宜しいんでしょうか?」
戸惑いがちにマリィが尋ねて来た。
「ああ、マリィには、いつもミルクの身の回りの事をやって貰ってるからね、
それは正当な報酬だよ、なあ?ミルク。」
「はい、そうですね、
マリィ、サスケさんが、そう仰って下されているのだから、
頂いておきなさい。」
「分かりました。ミルク様。
サスケ様、ありがとうございます。」
「おう!」
「お頭、依頼された剣は、すぐに造り始めるんですか?」
「いや、それだと剣の原材料を、
どこから手に入れたか怪しまれる怒れがあるから、
まずは、カモフラージュに暫く街を空けなきゃならないな。」
「街を出て、どこへ行くんですか?」
「良い機会だから、前に話したサンたちの故郷の村に行ってみないか?」
「宜しいのですか?お頭。」
「おう、俺も一度行ってみたかったから問題ないぞ。」
「うわ~嬉しいです!お頭。」
「お頭、うちの両親を紹介しますね。」
「村に行ったら地蒸し料理をご馳走しますよ!」
「ジュリー、地蒸し料理って何だ?」
「うちの村の近くに、地面から熱い蒸気が出ている所があって、
村の者たちは、そこで肉を蒸して食べているんですよ。」
「それって、他に熱いお湯が出ている場所は無いのか?」
「さあ?私たちが村に居た頃は聞いた事がありませんでしたが・・・
もっとも、私たち獣人は熱いお湯は苦手なので、
見付けても、特別話していない事はあるかも知れません。」
「なる程な・・・
しかし、蒸気が出ているっていうなら、
少なくとも掘れば出るんじゃないかな?
こりゃ、サンたちの村に行く楽しみが一つ増えたぜ。」




