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転落勇者の人生大逆転物語  作者: シュウさん
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スッキリシ草

「昨夜はコッテリ肉祭りだったので、

今朝の朝食はアッサリにするかな。」

サスケは昨日の残りのオニギリを網で焼いてコンガリ焦げ目を付けてから、

お椀に入れて出し汁を注いだ。

「付け合せはキュウリとキャベツの浅漬けでいいかな。

よし、みんな飯だぞ~!」


「「「「は~い。」」」」


「この、お椀に入ってるオニギリは、

崩しながら食べた方が美味しいぞ、

では、いただきます。」


「「「「いただきます。」」」」

「あ~、疲れた胃に優しいですね。」

「お頭、この焼きオニギリ茶漬けって香ばしくて美味しいですね。」

「サラサラして食が進みます。」


「だろ、俺の親父が飲んだ次の日の朝に、

美味しそうに食べてたんで、作ってみたんだよ。」


「ああ、二日酔いの朝でも食べられそうですよね。」

「野菜の浅漬けも美味しいです。」



「さて、朝飯も食べ終えた事だし、

昨日の続きで調査を進めるぞ。」


「「「「はい、お頭。」」」」




昨日、森に残っていた魔獣を狩った所為か、

今日はサスケの気配察知への反応が全然無かった。

「今日は魔獣も全然出て来ないな・・・うん?

これは・・・人・・・それも子供か?」


「お頭、どうしたんですか?」


「ああ、気配察知に人らしい反応があったんだよ。」


「村長さんが森への立ち入りは禁じてるはずですよね。」


「ああ、どうも子供みたいだから行ってみるか。」


サスケたちは子供が居るらしき方向へと歩いて行った。



「あれ?あの子は確か・・・

メイシアちゃん!」


「あっ、冒険者のお兄ちゃん達だ、お早うございます。」


「お早う。

メイシアちゃんは何で森に居るのかな?」


「う~んとね、お父さんが昨日お酒を飲み過ぎて頭が痛いって言うから、

メイシア、森にスッキリシ草採りに来たの。」


「村長さんや、お母さんが森に入っちゃダメって言って無かった?」


「メイシア、村の近くの森なら、

いつも来てるから大丈夫だよ。」


「しょうが無いな~、

サン、メイシアちゃんを村まで・・・!?

まずい!昨日のドラゴンと同じ位の大きさの反応が、

凄いスピードでこっちに向かっているな、

多分、空を飛んでいるぞ。」


「お頭、あとどれ位で来そうですか?」


「10分位だと思うぞ。」


「じゃあ、メイシアちゃんを送っている時間は無さそうですね。」


「ちょっと無理だな。」


「お頭、私の防御用指輪をメイシアちゃんに付けてあげたいので、

隷属契約を解除して頂けませんか?」


「ああ、別に構わないが、

サンのスピードなら大丈夫だとは思うけど、

忍者服の防御力だけじゃドラゴンの攻撃は防ぎきれないから、

十分に注意するんだぞ。」


「はい、分かりました。」


「よし、じゃあ手袋を外して手を出せ、

契約を解除するぞ『解呪』どうだ?」


「大丈夫です。

メイシアちゃん、お姉ちゃん達がドラゴンと戦っている間、

この指輪を付けててくれるかな。」


「うん。」


「よし、一応、安全の為に防御壁でも造っておくか、

『土壁』『硬化』っと、メイシアちゃん、ここに隠れててくれるかな。」


「うん。」


「よし、お前たち戦闘準備だ、

まず俺が、これでドラゴンを打ち落とすから、

お前たちは、アースドラゴンと戦った時みたいに攻撃してみろ。」

サスケは『魔倉まそう』から弓の様な物を取り出しながら、

皆に指示を出した。


「お頭、その弓みたいなのは何ですか?」


「これはクロスボウって言う名前の武器で、

弓が使えない者でも標的に当て易いんだよ、

この矢は俺の特製でドラゴンの障壁も貫通出来るんだ、

体は堅くて刺さるかどうか分からんが、

薄い羽根の部分なら貫通すると思うぞ。」


「へ~凄い武器ですね、

矢は、どの位の距離を飛ばせるんですか?」


「矢自体は300メートルは楽に飛ぶんだが、

ドラゴンの障壁を抜くとなると100メートル以内まで、

引き付けないと駄目だな。」


「そうなんですか。」


「そろそろ見えて来るぞ、

みんな準備しておけ。」


「「「「はい!お頭。」」」」


皆が見つめる空にポツンと何か見えて来たと思ったら、

見る見る大きくなって来る。

「体が赤いです!」

パーティーの中で一番目が良いロリーが叫んだ。


「今度こそ、フレイムドラゴンの様だな。」


「そうですね。」

「お頭、手袋の魔導具を起動させるキーワードは、

教えてくれないんですか?」


「まずはフレイムドラゴンの障壁の硬さを実感してみろ、

それからの方が俺が造った魔導具の凄さが良く分かるからな。」


「分かりました。」


「フレイムドラゴンのやつ、

家畜で味をめたのか村に一直線に向かってやがるな。」


「まだ、私たちには気付いて無い様ですね。」


「ああ、『隠密おんみつ』が働いているから、

俺に打ち落とされるまで気付かないと思うぞ。」


フレイムドラゴンは、いよいよサスケのクロスボウの射程である、

100メートル以内へと入ろうとしていた。

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