ニンニク入れましょう。
「ワシの方からの話は、こんなもんじゃが、
他に何かありますかのう。」
「いえ、後は実際に森に行って調べてみますので大丈夫です。
クエストの話は、こんな所なのですが、
この村の野菜が美味しいと伺ったのですが、
晩飯用に少し分けて頂いても宜しいでしょうか。」
「もちろん良いですじゃ、今は収穫時期の野菜が多いので、
出荷しきれないものが沢山ありますから、
村の者には、ワシの方から話しておきますので、
畑からご自由に、お採り下され。」
「ありがとうございます。
遠慮なく戴きます。」
村長との打ち合わせが終わったので、
サスケは、さっそくサンを伴って畑を見にいった。
「おお~っ!見事な野菜だな。」
「本当ですね、玉は大きいし、とても瑞々(みずみず)しいです。」
「よし、このニンニクっぽいのと、ニラっぽいのだろ、
あとは、キャベツっぽいのに、玉ねぎっぽいのだな。」
「お頭、何を作られるんですか?」
「それは、出来てからのお楽しみだな、
俺の居た国では専門店があるくらいの人気メニューだったんだぜ。」
「それは、楽しみですね。」
「「ただいま~。」」
「「「おかえりなさい、お頭、サン。」」」
「寝床はどうだ?」
「はい、建物の中はキレイだったので、
準備はすぐ終わりました。」
「そうか、じゃ晩飯の準備をするから、
サンとロリーは手伝ってくれるか、
リンとジュリーは楽にしてて良いぞ。」
「「「「はい、お頭。」」」」
「まずは、『魔倉』からシモフーリボアの肉を出して、
魔法で『粉砕』っと、
同じく、貰って来た野菜も『粉砕』してから、
ちょうど良い分量で混ぜ合わせて餡を作るんだが、
一応、2種類作っておくかな。
次に、スキルの『恒久必出』で、
薄い皮と、厚い皮を造り出してっと、
サンとロリーは、この皮で餡を包んでってくれるか、
餡は2種類あるから、こっちの餡を包んだ方は食紅で印を付けてくれるか。」
「「はい、お頭。」」
餡をサジで取って、皮に包もうとしたロリーが悲鳴を上げる。
「お頭~、これ凄く臭いですよ~!」
「やっぱりか、獣人は嗅覚が優れているからな、
サンは、どうだ?」
「確かに臭いですけど、私は割と大丈夫です。」
「じゃあ、こっちの餡はサンに包んで貰って、
ロリー、こっちの餡は臭く無いから、
こっちを包んでくれるか。」
「はい、お頭。」
「さてと、焼く方は、すぐ出来るから、
先にスープを作っておくか、
ホロホロ鳥のガラを煮込んで灰汁取りをして、
味付けは、やっぱり中華風が良いかな、
おっと、焼き用に少し鳥ガラスープを取っとかなきゃな、
こんなもんかな?」
「お頭、包み終わりました。」
「おう、ちょうど良いタイミングだな、
じゃあ、薄い皮で包んだ方は、この鉄鍋に並べてくれ。」
「はい、お頭。」
サンたちが並べている間に、
サスケは、厚い皮で包んだ方を中華風スープに入れていった。
「お頭、並べ終わりました。」
「よし、後は焼くだけだから、
お前たちも向こうで寛いでて良いぞ。」
「「はい、お頭。」」
「鍋を火に掛けて、鳥ガラスープで溶いた小麦粉を入れて、
水分が飛んだら出来あがりっと、
ご飯は『魔倉』にホカホカのが入ってるから良いな。」
食堂では、お腹を空かせたジュリーが、
サスケが来るのを今か今かと待ち構えていた。
「みんな、出来たぞ~!」
「お頭、待ってました!」
「良い匂いがしてきます!」
「こっちの焼いてあるのが、焼き餃子って言うので、
スープに入っているのが煮餃子だ。
ニンニクの匂いが苦手だったら、赤い印が付いてるのには入って無いから、
そっちを食べてくれ。
ご飯は後回しにして、まずは発泡酒でカンパイしようぜ。」
サスケは『魔倉』から発泡酒を取り出して、
皆に配った。
「それでは、ドラゴン討伐の成功を祈願して、カンパ~イ!」
「「「「カンパ~イ!」」」」
「お頭、焼き餃子美味いです!」
「お酒に合いますね。」
「中から出てくる肉汁が何とも言えない味わいです。」
「臭っ!美味っ!臭っ!美味っ!」
「煮餃子の皮が、もっちりして美味しいです。」
「焼きとは、また違った美味しさね。」
「こっちは、ご飯と合いそうだな。」
「熱っ!美味っ!熱っ!美味っ!」
「ご飯が欲しかったら言ってくれよ。」
「「「「は~い!」」」」
食後は、村長に分けて貰った緑茶を入れた。
「この、お茶は少し苦いかも知れないけど、
ニンニクの匂いを和らげてくれるから、
匂いが気になったら、これでウガイすると良いぞ。」
「「「は~い。」」」
食後の時間を、皆、思い思いに過ごしていたが、
サスケは、何かを造っていた。
「お頭、何を造っているんですか?」
「これは、対ドラゴン用の秘密兵器なんだ、
多分、必要になると思うから、
今の内に造って置こうかと思ってな。」
「私たちも使うんですか?」
「ああ、恐らく、お前たちの方が必要だと思うぜ。」
「そうなんですか。」




