幕間9
「ごめん下さいませ。」
「いらっしゃい!
ピチピチギャルの味方『何でも屋ケンちゃん』にようこそ。」
「お邪魔しました。」
「ちょっ、ちょっと待ったお嬢さん、軽いジョークですよ。」
「そうなんですか?」
「はい、あなたの笑顔が私の幸せ『何でも屋ケンちゃん』にようこそ。」
「申し訳ございませんが、私たちはお客じゃなくて、
こちらのお店に、
私たちが探している方に、良く似た人が居たのを見たとお聞きしたので、
伺ったのです。」
「へ~、人探しか、それで何て言うヤツなんだ?」
「はい、サブロー様と言う方なんですけど、
ご存じありませんか?」
「サブローさんか~、ちょっと聞いた事無いな~、
変わった名前だから、聞いていたら忘れないと思うよ。」
「そうですか・・・。」
「あやつは、この国ではソコソコ名が売れているから、
偽名を使ってる可能性があるぞい。」
「それも、そうですね。」
「その、サブローさんて人は見た目は、どんな感じなんだい?」
「そうですね・・・
ピーピングモンキーに良く似ていらっしゃいます。」
「ああ、ギロッポン・・・じゃなくて今はサスケだったか、
ルクシア共和国のピロンて街で冒険者をしているサスケじゃないかな。」
「サスケ様ですか?」
「ああ、ピーピングモンキーにソックリって言ったら、
サスケ以外には考えられないな。」
「その方は、いつ頃こちらにみえたんですか?」
「そうだな・・・5か月ぐらい前だったかな?」
「時期的にも合ってるぞい。」
「どうやら、サブローさんに間違いなさそうだな。」
「はい!」
「あんたらが探してる相手がサスケだったとして、
一体どう言う関係なんだ?」
「はい、婚約者です。」
「何!?あいつに、こんな美人の婚約者が居ただと!?
まったく持って、けしからんな!
あれ?でも、この前レトリバーが来た時に、
ああ、レトリバーって言うのはサスケを、ここに連れて来たヤツで、
やっぱりピロンの街で店を開いてるんだが、
この前来た時に、
サスケが嫁を8人貰ったとかで、爆発しろとか言ってた様な・・・」
「何ですって!?
皆さん、直ちにピロンの街に向かいますよ!!
一刻も早く真偽のほどを確かめねばなりません!!」
「ミルキィさん、キャラが変わっているわよ。」
「エルザさん、今はそれどころでは、ありません!
ヴィン爺ぃ様も、マリィも直ぐに出発しますよ!」
「分かったぞい。」
「分かりました。ミルキィ様。」
「お、おい、ちょっと待っ・・・行っちまったか、
嫁じゃ無くて、奴隷だったかな?
まあ良いか、ピロンに行けば分かるよな。」
「サブロー様、ミルキィは直ちに駈け付けますわ~!!」
一方、ピロンの街のサスケ(サブロー)はと言うと・・・
「ご主人さま、お風呂が入りましたけど、
すぐに入られますか?」
「ああ、すぐ入るよダンミーツ。」
サスケは浴室に行って脱衣してから入った。
「さってと、体でも洗うかな。」
「失礼します。ご主人さま、お背中を流させて戴きます。」
「な、な、何だよダンミーツ!
何で素っ裸なんだ!?」
「ご主人さま、服を着たまま、お風呂に入ったら、
服が濡れてしまうではありませんか。」
「そうか。・・・そうか?」
「では、失礼します。」
「ダンミーツ、何か背中に当たってるんだけど・・・」
「私はムネが大きいらしいので、
自然に当たってしまうんですよ。」
「そうか~?」
「では、続いて前を洗わせて戴きます。」
「ま、前はいいって・・・あっ、そんなとこ・・・ダメだって・・・」
「アッーーー!」
「アッーーー!」
「アッーーー!」
「アッーーー!」
「アッーーー!」
暫くして、
娘たちが寛いでいる部屋に、
妙にツヤツヤした顔のダンミーツが戻って来た。
「お母さん、どこ行ってたの?」
「ご主人さまの、お背中を流しに行ってたのよ、
そう言えば、スクルは弟か妹を欲しがっていたわね、
もしかしたら出来たかも知れないわよ。」
「しまった!母さんに先を越されたわ!」
「えっ、それって、どう言う・・・?」
「私、弟が良いな~。」
居間では、サンたちが寛いでいたが、
誰かがガチャ!とドアを開けて入って来た。
「アンデット!?」
「待って、攻撃しちゃダメよ!・・・もしかしてお頭ですか?」
「これが、お頭だって?」
「そ・・・そうだ・・・俺だ。」
「お頭!?その様な姿になられて、どうされたんですか?」
「ま・・・魔女に・・・生気を・・・吸われた。」
サスケは、サンに中級回復薬と魔力回復薬を飲ませて貰って、
ようやく元の姿に戻れた。
「くそぉダンミーツめ、酷い・・・いや、気持ちいい・・・
いや、ヒドキモチイイ目に合わせやがって、
ミルキィ姫に知られたら大変じゃねえか、
まあ、いつ逢えるとも知れんがな・・・。」




