祭り再び
「お~い!館の外回りの案内が済んだら、中にはいるぞ~。」
サスケは、サンたちに声を掛けてから、
館の玄関のドアを鍵を開けて入った。
「サン、俺は部屋で着替えてくるから、
ダンミーツたちに館の中を案内してくれるか。」
「はい、お頭。」
「ダンミーツ、部屋は余っているから、
気に入った部屋があったら各自使ってくれ。」
「はい、ありがとうございます。ご主人さま。」
サスケは、部屋に行って着替えると、
厨房に行って昼飯の準備を始めた。
「夜は、カレー祭りをやるとして、
昼は軽めにパスタとサラダとスープで良いかな。」
「ご主人さま、お手伝い致します。」
「ダンミーツ、館の案内と部屋割りは決まったのか?」
「はい、教えて頂きました。
部屋の方は、慣れるまでは大きな部屋にベットを3つ、
くっ付けて並べて子供たちと一緒に寝ようと思います。」
「そうか、その辺は自由にやってくれて良いぞ、
昼飯の方は、俺がパスタを作るから、
ダンミーツとウルはサラダとスープを作ってくれるか、
ジュリーたちが肉を食いたがると思うから、
サラダは上にホロホロ鳥とシモフーリボアの肉を湯通しして、
乗せてやってくれ、
スープは、コンソメで玉ねぎとベーコンを具にしてくれるか。」
サスケは、『魔倉』から食材を取り出して、
2人に手渡した。
「「はい、ご主人さま。」」
サスケは、パスタの麺をアルデンテで茹でてから、
野菜やベーコンと一緒にオリーブ油で炒めてから、
トマトソースで味を調えてナポリタンを作った。
「各自席に着いたか?
パスタは、お好みで粉チーズを掛けてくれよ、
では、いただきます。」
「「「「「「「「いただきます。」」」」」」」」
「キキッ!」
食後のお茶の時間に、サスケは今後の予定を皆に話した。
「チビリンの仲間を増やす為には、俺の魔力を増やす必要があるから、
ギルドのクエストは、魔獣の討伐を中心で受けていくぞ。」
「「「「はい、お頭。」」」」
「ダンミーツたちは、館の仕事や、この街に慣れる様にしてくれるか、
取り敢えず、生活費として100万ギル渡しておくから、
必要な物があったら、遠慮しないで購入してくれ。」
「はい、分かりました。ご主人さま。」
「今日は、旅の疲れもあると思うから、
夜までは各自自由にしていて良いぞ、
夕方になったら晩飯の買い物がてら食材屋を教えるから、
ダンミーツとウルは付き合ってくれるか?」
「「はい、ご主人さま。」」
「さってと、俺は開いた時間を使って、
溜っていた仕事を片付けておくかな。」
サスケは、長い事街を離れていたので、レトリバーやケンに買い取って貰う、
治療薬、魔力回復薬、魔導リュックなどを造る事にした。
治療薬や魔力回復薬の材料は『魔倉』から取り出して創造して、
魔導リュックのベースとなるリュックは『恒久必出』の、
スキルで造る事にした。
「マジで、このスキル便利だよな、
結構、魔力を使うけどイメージ通りの物が出せるって言うのは大助かりだぜ、
女神様に大感謝だな。」
既定の量を造り終えたサスケは、
時間的に、ちょうど陽が陰り始めていたので、
ダンミーツたちに声を掛けて、晩飯の買い物に出掛ける事にした。
「ダンミーツ、そろそろ出掛けるぞ。」
「はい、ご主人さま。
それと街への買い物ですが、
ベルとスクルも、ご一緒しても宜しいでしょうか?」
「ああ、店の場所を見ておいても良いだろうから、
別に構わないぞ。」
「キキキ~ッ!」
「おっ、チビリンも行くか?
スクル、チビリンを抱っこして行ってくれるか。」
「はい、ご主人さま。
チビリン、お出で~。」
「キキ~!」
「野菜を買うなら、この店が新鮮で美味い野菜を売ってるんだ、
おばちゃん、こんちは~。」
「あら、サスケちゃん、帰って来ていたのかい?」
「ああ、今日の昼頃に着いたんだよ、
それから、こいつらに俺の館の面倒をみてもらうんで、
買い物に来た時は宜しくな。」
「そうかい、分かったよ。」
「「「「よろしく、お願いします。」」」」
「こちらこそ、よろしくね。」
「肉は、ここだな、おっちゃん居るか~?」
「おう!誰かと思ったらサスケか、やっと帰って来たんだな。」
店の奥から、ガチムチのオッサンが出て来た。
「長い事、街を開けてて悪かったな。」
「冒険者じゃ仕方が無いさ、
それで、今日は良い物はあるのか?」
「ああ、タップリとあるぜ。」
サスケは、旅の途中で仕留めた魔獣の肉塊を次々と取り出して、
店の作業台の上に置いて行った。
「おう、こりゃホントに大量だな、
さっそく、サスケに造って貰った魔冷庫に入れておくぜ。」
オッサンは肉塊を抱えると店の奥に運んで行った。
「おっちゃんに任せておけば、肉が一番上手い時期を見計らって、
店頭に出してくれるんだよ、
肉のカットも、おっちゃんが切るだけで、
ステーキの味が格段に美味しくなるんだぜ。」
「肉のプロフェッショナルなんですね。」
「そう言う事だな。」
「済まねぇ、ちょっと待たせたな、
それで、今日は何か買ってくか?」
「ああ、シモフーリボアのブロック肉を一口大と挽肉に、
あと、グレートバッファローの挽肉も貰えるかな、
大体40人分くらいの量で頼むぜ。
あと、こいつらに俺の館の面倒を見て貰うんで、
買い物に来たら宜しく頼むぜ。」
「「「「よろしくお願いします。」」」」
「おう!よろしくな。」
ひと通り、ピロンの街の食材店を案内したサスケは、
屋台の美味しいお菓子などを皆にご馳走しながら、
館へと戻った。
「「「「お帰りなさい、お頭。」」」」
「おう、今、帰ったぜ。」
「「「「ただ今、戻りました。」」」」
「お頭、今夜のご飯は何ですか?」
「今夜は、ジュリーの大好物のカレーだぞ。」
「やった~!カレー祭りだ~!」
「カレーですか?
ご主人さま、カレーとは、どの様な料理なんですか?」
「カレーって言うのは、
俺が生まれ育った国では国民食とまで呼ばれるポピュラーな料理なんだ、
美味しいから楽しみにしておけよ。」
「それは、楽しみですね。」
サスケは、シモフーリボアの一口大の肉をカレー粉で炒めて下味を付けると、
シモフーリボアとグレートバッファローの挽肉に野菜を加えて炒めてから、
『魔倉』から取り出したホロホロ鳥エキススープを注いで煮込み始めた。
「よ~し、後は『恒久必出』っと、
これこれ、俺はジャジャ~ンカレーと、
グットですカレーを合わせた味が好きなんだよな。」
野菜に火が通ったのを見計らって、好きな銘柄のルーを投入した。
ダンミーツたちに作って貰った、
ホロホロ鳥のササミと、茹で卵が乗ったサラダと合わせて晩飯となった。
「これが、カレーですか、ご主人さま。
これは、もしかして新入りに、
ご主人さまのモノを食べさせるプレーの要素を盛り込んだ食事なんですか?」
「違うからなダンミーツ、
これは、元々こういう見た目の料理なんだよ、
あと、カレーの時はソノ話題は禁止だから気を付ける様に。」
「そうだよ、ダンミーツさん、
カレーは見た目はアレだけど、一度食べたら忘れられない美味しさだから、
騙されたと思って一口食べてみてよ。」
「リンさんが、そう言うなら頂いてみますね。」
「うん、絶対美味しいから。」
ダンミーツはパクリと一口食べてみる。
「う・・・うう・・・ううう~」
「ど、どうしたの!?お母さん。」
「やっぱりアレだったの?」
「お母さん、大丈夫?」
「う~ま~い~ぞ~!美味しいですわ、ご主人さま!
この辛さの中に、さまざまな旨味が溶け込んでいて、
ご飯との相性もバッチリですね!」
「そうだろう、そうだろう、カレーの美味さは万国共通だからな、
スクルたちも食べてみろよ。」
「はい、いただきます。
うわっ!辛いけど美味しいです~!」
「ホント、病み付きになりそうな、美味しさね。」
「凄く奥行のある味わいですね、
一体、何種類のスパイスが使われているのかしら?」
「ダンミーツたちの、口にも合ったみたいで良かったよ、
俺はカレー好きだから、定期的に食べるだろうからな。」
「こんなに美味しいなら大歓迎です。」
「ホント、毎食でも食べられそうな味ですよね。」
「同感、同感。」
「熱っ!美味っ!熱っ!美味っ!」
「キキ~!キキ~!」
どうやらカレーは、チビリンの口にも合った様であった。




