パンパンパンパン
「お頭、時間です。」
「おう、俺の番が来たか。
ご苦労さんだったなロリーとジュリー、ゆっくりと休んでくれ。」
「「お休みなさい、お頭。」」
「おう、お休み。」
サスケは3度目の寝ずの番を迎えていた。
「ご主人さま、コヒ茶をお飲みになりますか?」
「ああ、貰おうかな。」
サスケを一人で寝ずの番にすると騒がしいので、
話し相手兼お目付け役としてダンミーツが付けられていた。
「どうぞ、ご主人さま。」
「おう、サンキュー。
どうだ、サン達とは上手くいってるか?」
「はい、サン様たちの境遇と、
私たち母娘の境遇が似ているのもあるのだと思いますが、
皆さま方は、とても優しく接して頂いておりますので、
スクルも良く懐いておりますわ。」
「そうか、スクルも父親を亡くしてショックだったろうから、
リンたちと笑い合う事で少しでも癒されると良いな、
そう言えば、亡くなったダンミーツの旦那さんて、
どんな人だったんだ?」
サスケは、故人を思い出して語る事で、心が癒される事があると、
聞いた事があったのを思い出して、ダンミーツに聞いてみた。
「ウチの亭主ですか?
あの人は、子供の頃から畑仕事をしていたので、
ガッチリとした体格をしておりましたから、
それはもう夜の方は激しくて、
一晩中パンパンパンパン「スト~ップ!」」
「お頭、うるさいです。」
「す、すまん、ちょっと驚いたんでな、気を付けるよ。」
「お願いしますよ。」
「おう、分かった。
ダンミーツ、俺が聞きたいのは、そう言う事じゃ無くて、
もっと性格的なもんとかだな・・・」
「ああ、性格的にですか、
武骨で余り話さない大人しい人でしたね、
でも、お酒が入ると野獣の様になって、
それこそ一晩中、
私の事をパンパンパンパン攻め「シャ~ラッパ~~~!!」」
「「「「「うるさ~~~い!!」」」」」
「「ぐうぐうぐうぐう。」」
「すいません、取り乱しました。」
サスケの長い夜が明けて、
みんなと朝食を食べる事にする。
「やっぱり、お頭は寝ずの番に向いてませんね。」
「そうですよ、今後は私たちに任せて下さいね。」
「ホント申し訳なかったな、
これからは、夜行性の動物の魂を付与するとかして、
夜番専用のゴーレムでも造っておくよ、
そうすれば、みんな寝てても問題無いからな。」
「それは、良いですね。」
「ホント、夜番が無いと楽ですよね。」
サスケたちは朝食を終えると、少し食休みしてから出発をして、
馬車が順調に進んだので、昼頃にはピオンの街へと辿り着いた。
「ただいま~!ジャイケルさんと、マクソンさん。」
「おうサスケか、お帰り~って、馬車増えてるだろ!」
「良く2頭引きで引けたな。」
「ええ、ラッスンの街で、館の面倒を見る奴隷を購入しました。
あと、馬車に重量軽減の魔法が掛かっているので、
2頭でも楽々引けるんですよ。」
「ああ、シンディーさんの館を買ったんだっけ、
あそこはデカイから、確かに使用人が必要だろうな。」
「ええ、そう言う訳なんで、
みんな、俺が世話になってるジャイケルさんと、マクソンさんだ、
挨拶する様に。」
「はい、ご主人さま、
始めましてジャイケルさま、マクソンさま、
私はサスケさまの奴隷で、この子たちの母親のダンミーツと申します。
宜しくお願い申し上げます。」
「長女のウルです。宜しくね。」
「次女のベルです。宜しくお願いします。」
「三女のスクルです。宜しくお願いします。」
「ああ、ジャイケルだ宜しくな。」
「マイケルだ宜しく。
また美人ばかりだな、サスケ爆発しろ!」
サスケたちは、ジャイケルたちに挨拶を済ませてから、館に帰った。
「ご主人さま、どんな悪い事をすれば、
こんな大きなお屋敷が買えるんですか?」
「サンたちと反応一緒だな!
この街に暮らしていた錬金術士の先輩に、
格安で譲って貰ったんだよ、
もっとも、それでもそれなりの値段だったけどな。」
「は~、ご主人さまって凄い方と思っていましたけど、
私の想像以上に凄い方みたいですね。」
「ハッハッハッ、ま~それ程でもあるな。
リン、ベルたちに厩と、
馬車を収める納屋の場所を教えてあげてくれるか。」
「はい、お頭。」
「ご主人さま、あの水を張った所に生えている穀物は何ですか?」
「ああ、あれが米だよ、あの米を炊くとご飯になるんだよ。」
「あれが、ご主人さまがお作りになるご飯になるんですか、
水の中に植えるなんて変わっていますね。」
「この国では畑が普通だから、そう見えるだろうな、
あれは、俺が品種改良をしてあるから、
病気にも強いし、超促成栽培だから手入れは楽だと思うぞ。」
「さすがはご主人様ですね、
まだ、土地が空いておりますが、畑を作って野菜でも育てますか?」
「おう、新鮮な野菜を食べたいから育ててくれるか、
良く効く肥料とか俺が造るから任せてくれよ、
あと、手の廻る範囲でホロホロ鳥とか飼っても良いな・・・」
「はい、家畜の餌も栽培致しますので大丈夫ですわ。」
「それは、楽しみだな。
あとは、俺たちがクエストに出掛けている時に、
ダンミーツたちだけだと不用心だから、
ハンターウルフを使った番犬ゴーレムでも何匹か造っておくかな。」
「その方が安心ですね、お頭。」
「チビリンの仲間も居れば、なお安心だと思います。」
「チビリンの仲間か、それも良いかもな、
魔力に、もっと余裕が出来たら考えてみるかな。」




