エキゾチック
「キキキ~。」
「そうか嬉しいか、良かったな~。」
サスケは、チビリンにもサン達とお揃いの忍者服を作ってあげたのだ、
もちろんサイズは小さくとも身体強化、魔法攻撃耐性、直接攻撃耐性、
状態異常耐性などはシッカリ付与されている、
しかも、シルク製の下着まで造る凝りようだ。
「お頭、アタイ達にもシルクの下着造って下さいよ~。」
「リン達は、市販で合うサイズがあるじゃないか。」
「シルク製の下着なんて、高くて手が出ないですよ~。」
「それもそうか、まあ、材料はスキルで出せる様になったから、
その内、造ってやるよ。」
「ホントですか?やった~!
お頭、約束ですよ?」
「おう、分かったよ。」
ピロンの街へと戻る旅路は2日目の野営を迎える、
行きは2日目の夕方にラッスンの街へと着いたが、
帰りはダンミーツ達が増えたので、
無理な行程は組まずに、のんびり旅である。
川沿いに、ちょうど馬車が置ける程の空き地があったので、
そこで野営の準備を始める。
「また、ベルとスクルで馬に水と餌をやってくれるか、
サンとリンは2人の護衛を頼む。」
「「「「はい。」」」」
「ロリーとジュリーで馬車で寝る準備をして、
ダンミーツとウルは俺の晩飯作りの手伝いな。」
「「「「はい。」」」」
「さ~てと、食材を自由に入手出来る様になったから、
何でも作れるな・・・。」
サスケは、夕食のメニューを考え出した。
「ご主人様の料理は、みんな美味しいものばかりですが、
見た事無い料理ばかりですね。」
「ああ、俺の国の料理だからな、
フェルナリア皇国では似た様な料理が結構あったんだが、
ルクシア共和国では見ないな。」
「ご主人様の国の料理だったんですか、
失礼ですが、ご主人様はどちらのご出身なんですか?」
「ジャパンって言う、小さな島国だから、
聞いた事は無いと思うぞ。」
サスケは、勇者イチローの伝説にニホンの名が入っていたので、
一応、ジャパンと言っておいた。
「ジャパンですか?
確かにお聞きした事が無いですね。」
「ああ、俺の国の事を知ってるのは、
この大陸の中でも、数人しか居ないと思うぞ。」
(もしかすると、マッスル王国の勇者ライは転生者かもな・・・)
「そうなんですか、お帰りになりたいと思われる事とか、
御座いませんか?」
「前はあったんだが、
今はサン達との暮らしが気に入っているから、
帰りたいと思わなくなったな。」
「そうなんですか、
私や娘達も、早くご主人様に、そう言って戴ける様に頑張りますので、
宜しくお願い申し上げます。」
「おう!こちらこそ、宜しくな。」
サスケは、昼食が煮込みラーメンで割と軽めの食事だったので、
晩飯はガッツリと天丼を作る事にした。
「よし、今夜は天丼と言う料理を作る事にするから、
ダンミーツとウルは、
付け合せに焼き魚と味噌汁と御新香を用意してくれるか。」
サスケは、『魔倉』から食材を取り出すと2人に手渡した。
「「はい、ご主人様。」」
「テンプラの具は何にするかな?
エビ、キス、アナゴ、サツマイモ、カボチャ、
レンコン、ナス、オオバってとこかな、
よし!『恒久必出』っと、
食材ぐらいじゃ幾らも魔力を使わないな、
女神様も便利なスキルをくれたもんだぜ。」
サスケは、『魔倉』から鍋や油などを取り出して、
テンプラを揚げ始めた。
各自の好みに合わせて、獣人娘たちは魚介類を多めに、
ダンミーツたちは野菜を多めにして、どんぶり飯の上に盛り付けると、
濃いめのタレをサ~ッと掛けた。
「そっちは、どうだ?」
「もう、出来ました。ご主人様。」
「そうか、じゃあ皆を呼んで晩飯にするか。」
「私が、呼んできます。」
ウルが、皆に声を掛けに行った。
暫くすると、皆が集まって来た。
「うわ~、何か良い匂いですね、お頭。」
「この前の、カツ丼みたいに、今夜は丼物ってやつですね。」
「おう、今夜は天丼って言う料理だよ、
上に乗ってるのはテンプラって言うんだけど、
そのまま食べてもサクサクした歯応えで美味しいんだけど、
こういう風に、ご飯に乗せてタレを掛けると、
また違った美味しさなんだよ。」
「わ~、楽しみです。」
「お頭、早く食べましょうよ。」
「そう言えば、チビリンて何を食べるんですか?」
「チビリンは、俺の魔力で活動しているから、
何も食べなくても生きていられるんだが、
食べたら分解して魔力に変換するから、
俺の魔力消費量を減らす為にも、一緒に食べさせた方が良いな。
ちなみに、食べ物は俺たちと同じで良いぞ。」
「わ~、良かった。
チビリン、一人だけ食べられないなんて、可哀想だもん。」
「そうだな、見てるだけじゃ可哀想だもんな、
じゃあ、みんな席に着いたか?
それでは、いただきます。」
「「「「「「「「いただきます。」」」」」」」」
「うわ~、お頭、このエビ身がプリプリして美味しいです。」
「この、胴が長い魚も油が乗っていて美味しいです。」
「わたしは、イモやカボチャが甘くて好きです。」
「この、穴が開いている野菜は独特の食感ですね、
シャキシャキした中に粘りが感じられて美味しいです。」
「私は、ナスのシットリ感が好きですね。」
「ガツ ガツ ガツ ガツ。」
「キキキ~。」
勇者イチローが、似たような食材を探して同じ名前を付けた物もあれば、
こちらでは見られない食材もある様だ。
「次は、普通にテンプラも作ってみるか、
その時は、ホロホロ鳥のササミや、イカなんかも入れてみるかな。」
「お頭、シモフーリボアも追加して下さい。」
「肉は正義だ!」
やはり、獣人娘たちは肉も食べたい様だった。




