ピザピザピザ・・・。ここは?サブタイトル。
「さて、オークシャへの復讐も果たした事だし、
そろそろピロンの街へ帰るとするか。」
「お頭、ダンミーツさんたちが増えたんだけど、
馬車は、どうするのですか?」
「ああ、その辺は考えてあるから、
ちょっと狭いけど、ラッスンの街から出るまでは、
1台に、みんなで乗り込んでくれ。」
「「「「分かりました、お頭。」」」」
「「「「はい、ご主人さま。」」」」
「ダンディさんにも、世話になったな。」
「いえ、こちらこそオークシャの検挙にご協力戴きまして、
ありがとうございました。」
「また、カモネーギの店に来るだろうから、
その時は頼むよ、
あと、ボンビーさんにも、よろしく伝えておいてくれよ。」
「はい、畏まりました。」
「おっ、もう帰るのか?」
この街に来た時の兵士が、今日も街の入り口を警備していた。
「ええ、この街での用事は済みましたので、
ピロンに帰ります。」
サスケは、冒険者カードを提示しながら返答した。
「うん?また奴隷が増えたのか!?」
「ええ、この街に来た目的の一つが奴隷の購入でしたので。」
「その年で、これだけの人数の奴隷を抱えるとは、
見掛けに寄らず優秀な冒険者なんだな。」
「いえ、俺なんてまだまだですよ、
副業で、ちょこちょこ稼いだだけで、
本業の冒険者ランクは、まだ低いですからね。」
「稼げるって事は、それなりのスキル持ちって事だろ、
なら時期にランクも上がってくるさ。」
「そうだと良いんですけどね・・・
じゃあ、お世話になりました、失礼します。」
「おう、気を付けて帰れよ。」
サスケ一行は、ラッスンの街に別れを告げて、
ピロンの街への旅路へと着いた。
街から5キロ程離れた頃、
サスケは、街道から外れた森に馬車を進めて停車した。
「窮屈な思いをさせて悪かったな。」
「いえ、座っている分には、それ程狭くありませんから大丈夫です。」
「ちょっと、連結馬車を取って来るから待っててくれ。」
「連結馬車ですか?」
「おう、ちょっと大量の木材を手に入れる機会があったから、
ついでに造って置いたんだよ。」
「お頭が造ったんですか?」
「おう、俺が魔法で造った馬車だぜ、
とある場所に置いてあるから取って来るぜ『転移』」
サスケは、山小屋の近くに馬車を隠した場所へと魔法で跳んだ。
「よし、魔獣とかに壊されてはいない様だな。」
サスケは、ついでに山小屋をちょっと覗いて見ようかと思ったが、
中から「ウホウホ。」聞こえて来たので、止めておいた。
「ただいま~。」
「「「「お帰りなさい、お頭。」」」」
「「「「お帰りなさいませ、ご主人さま。」」」」
「連結出来る様に、既存の馬車を加工するから、
ちょっと待っててくれ。」
「お頭、新しい方の馬車は車輪が黒いんですね。」
「おう、ちょっと触ってみな。」
「はい、あっ!何か軟らかいです。」
「ホント、何かフワフワしてるね。」
「それは、タイヤって言って、中に空気が入っているんだ、
木製の車輪より振動が少ないんだぜ。」
「タダでさえ、お頭の魔法で振動が少ないのに、
更に軽減するんですか?」
「ああ、振動は少なければ少ない程、車体や人体への影響が減るからな。」
サスケは連結部の加工をしてから、新しい馬車を接続すると、
ついでに既存の馬車の車輪もタイヤに交換した。
「よ~し完了したぞ、前の馬車にはダンミーツたちが乗って、
後ろの馬車はサンたちが乗って後方を警戒する様にしてくれ。」
「「「「はい、ご主人さま。」」」」
「「「「了解、お頭。」」」」
馬車の操車はベルが担当しているのだが、
牧場を経営していただけあって馬の扱いはベテラン並みだった。
「ご主人さま、2頭とも良質な馬に見えますけど、
さすがに連結馬車を引かせるのは可哀想では無いですか?」
「ああ、この馬車は俺が魔法で軽減してあるから、
スクルでも軽々引けるぞ。」
「魔法で、その様な事が出来るんですか!?」
「他の魔法使いは知らないけど、俺は出来るんだよ、
貴族とか国とかにバレると面倒だから、内密にな。」
「はい、分かりました。
凄いご主人さまに仕える事が出来て幸せです。」
「ピロンの街にある館も、色々改造してあるから楽しみにしてろよ。」
「はい!今から楽しみです。」
行きと同じく、途中で野営する事になるので、
サスケは、馬車を置ける広さがあり、
馬が水を飲める場所を探して、ベルに馬車を停車させた。
「ベルとスクルは馬たちに水と餌をあげてから休ませておいてくれるか、
リンとジュリーは護衛に付いて行ってくれ。」
「「はい、ご主人さま。」」
「「はい、お頭。」」
「ダンミーツとウルは俺と一緒に晩飯の準備で、
サンとロリーは馬車で寝られる様に毛布なんかを出しておいてくれるか。」
「「はい、ご主人さま。」」
「「はい、お頭。」」
「ご主人さま、夕食のメニューは、いかが致しますか?」
「俺が、メインの料理を作るから、
ダンミーツとウルは、スープとサラダを作ってくれ。」
サスケは『魔倉』から調味料や野菜、ベーコンなどを取り出して、
2人に手渡した。
「ご主人さま、この白っぽいのは何ですか?」
「ああ、それはマヨって言って生野菜を美味しく食べる調味料だな、
サンたちに野菜を食べさせる為に作ったんだよ。」
「獣人の方々の野菜嫌いは有名ですからね。」
「ああ、でもマヨを付けたら美味そうに食べてるぞ。」
「それは、食べるのが楽しみです。
では、生野菜とベーコンのサラダと、
コーンポタージュ・スープで宜しいでしょうか?」
「ああ、それで頼む。」
「「畏まりました。」」
「さてと、俺は焼き釜を造るかな、『造形』『硬化』『耐熱』っと、
一応、焼き場所だけ『浄化』と、これで釜は良いな。」
サスケは土を加工して、巨大なピザ釜を造り上げた。
『魔倉』に入れてあったピザ生地の上に、
カボチャやキノコを並べてチーズを乗せたアッサリ野菜ピザと、
ホロホロ鳥の肉を使ったチキンピザや、
シモフーリ・ボアの肉を乗せたコッテリ肉ピザを作って焼き釜に入れた。
「何か、良い匂いがします~!」
「お頭、今晩のゴハンは何ですか?」
馬の世話を終えたスクルやリンたちが帰って来た。
「これはピザって言って、まあ、パンの一種みたいなもんだな、
チーズが溶けて熱くなってるから、
食べる時にはヤケドしない様に気を付けるんだぞ。」
「「「「は~い!」」」」
じきにサンたちも戻って来て、
ダンミーツたちの調理も終わったので食べる事にする。
「いただきます。」
「「「「「「「「いただきます!」」」」」」」」
「これは、初めて食べましたが美味しいですね!」
「私は、野菜のピザが好きです!」
「肉こそ正義!」
「熱っ!美味っ!熱っ!美味っ!」
「このトマトのペーストの酸味と、チーズの相性は最高ですね!」
「チキンピザにマヨを付けても美味しいですよ。」
「ご主人さまが作られたマヨって、本当に野菜に合いますね。」
「モグモグモグモグ。」
元々パン食の文化なので、
サスケも、皆の口に合うと思っていたが、
ピザは好評だった様だ。
「さて、晩飯も食べ終わって一休みしたので、
いよいよ、第2回寝ずの番です。
ダンミーツたちは戦力として計算できないので、
また、俺とサンたちで行います。」
「お頭、今回は私たちだけで良いのでは無いですか?」
「いや、前回は失敗したから、
リベンジを果たす為にも、この前と同じ順番で行う事にする。」
「お頭、一人で大丈夫ですか?」
「ああ、前回の問題点は分かっているから大丈夫だ。」
「お頭、今晩は静かにして下さいよ。」
「それは、ダチョウ的な前振りか?」
「ダチョウ的って言うのは分かりませんが、
本当に静かにして下さい。」
「うむ、善処しよう。」




