表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転落勇者の人生大逆転物語  作者: シュウさん
35/238

野営イエ~イ!

獣人娘たちが風呂から上がったので、

晩飯を食べる事にした。

「よし、飯にするぞ、いただきます。」


「「「「いただきます!」」」」


「まずは、シモフーリボアで作ったボアカツからだな、

こっちの黒っぽいのがソースって言う調味料だ、

辛いのが好きなヤツは、

こっちの黄色いカラシと言う香辛料を付けると上手いぞ。」


「お頭、外側の衣はサクッと軽い歯ごたえで、

噛むと中から肉汁が溢れてきて美味しいです!」

「このソースって美味しいですね、

私はキャベツンて青臭くて苦手なんですけど、

ソースを付けると甘く感じて美味しいです。」

「カラシって言うのを付けると、

ツーンと鼻に辛みが抜けるけど、一味変わって美味しいですね。」

「モグモグモグモグ」


「喜んで貰えたようで何よりだ、

2杯目はボアカツドンだぞ。」


「これは、ボアカツとアマアマネギを卵で綴じているのですか?」


「そうだ、ご飯の上に、汁ごと具を乗せるどんぶり物ってやつだな、

俺は丼物は究極のご飯料理って思うぞ。」


「味がしみたご飯と一緒に、具材を口に入れると格別ですね。」

「汁がしみこんで、しっとりしたカツの皮も美味しいです。」

「半熟卵とボアカツの生み出すハーモニーが絶妙です。」

「ガツガツガツガツ」


「よ~し、カツ尽くしの飯を食ったからには、

ラッスンの街の領主に勝つぞ!」


「「「「はい!お頭。」」」」


準備が整ったサスケたちは、

翌朝、新規に購入した馬車に乗ってピロンの街を出発する事にした。

「おはようございます。

ジャイケルさんとマクソンさん。」

街の入り口を警備していた2人に声を掛けた。


「おう、サスケか、おはよう!」

「馬車なんて乗って、どこか遠出でもするのか?」


「はい、ラッスンの街に用事が出来まして、行ってきます。」


「まあ、お前たちなら心配いらないと思うが、気を付けて行くんだぞ。」


「はい、ありがとうございます。気を付けます。」


御者台には馬を操るサンとサスケが座り、あとの3人は中に居る。

「お頭、中じゃなくて良いんですか?」


「おう、ここの方が景色が良く見えるし、

俺だけ馬車が操れないから、見て勉強しようかと思ってな。」


「そうですか、分かりました。」


「お頭、この馬車ぜんぜん揺れませんね。」

「本当、お尻が痛くならなくて助かるね。」

「馬たちも、馬車を引いているとは思えない程、軽々と歩いてるね。」


「魔法が上手く働いているみたいだな、

後は、たまに馬たちに疲労回復の魔法を掛けてやれば完璧だな。」


馬車の旅は順調に進み、

その日の夜は初めての野営となった。


まず、一日頑張ってくれた馬たちに、

川で水を飲ませてやり、エサや塩を与えてから、

汗を拭いてあげてからブラシ掛けをして疲労回復魔法を掛けると、

また直ぐにでも出発できそうな程、元気になった。


「お頭に飼われる馬は幸せですね。」


「俺は、自分の財産を良好な状態にしているだけだ。」


「はいはい、そう言う事にしておきます。」


「本当だぞ!純粋に資産価値を落とさない様にだな・・・」

サスケが何か言い訳をしているが、聞き流されている様だ。


馬たちが居るので、魔獣を警戒する為に寝ずの番を行う事にして、

獣人娘が2人づつ、サスケは一人でやる事にする。


「お頭は休まれていて良いですよ。」


「いや、一度やってみたかったんだよ、

野営の寝ずの番なんて冒険者っぽいじゃん。」


「はあ、お頭がやりたいなら、良いのですが。」


「今日の晩飯は野営の定番メニューである骨付き肉です!」


「まあ、肉料理は良く食べますけど、

骨が無い方が食べ易いんじゃないですか?」


「いいや、骨が付いている方が、

当社比8分の5ぐらい美味しくなると言うデータがある。」


「良く分からないデータですね。」

「まあ、お頭が作るご飯は、いつも美味しいから良いんじゃない。」

「肉は正義です。」

「肉料理賛成!」


「じゃ、骨付き肉で決定って事で・・・」

サスケは、人数分の焚火を起こして、

その両脇にY字の木を2本づつ立てていき、

その上に、両側から骨が突き出した肉のかたまりを乗せていった。


「味付けはシンプルに塩コショウのみだな。」

しばらくすると、火に焙られた肉から油が溢れ出して、

サスケがクルクルと肉を回転させると、

良い匂いと共にジュウジュウと音を発て始める。


ゴクリと誰かが唾を呑む音がした。


「うわ~っ!お頭、めっちゃ美味そうです!」

「早く、かぶり付きたい!」

「この油が焼ける匂いがまた・・・」

「もう、食べられるんじゃないですか?」


「まだだ!肉の芯の部分に火が通るか通らないかの見極めが、

この料理の真骨頂だからな。」


皆が押し黙る中に、ジュウジュウと肉が焼ける音のみが流れて行く。


皆が見守る中、ジッと肉を見つめるサスケの目がカッと見開いた。

「今だ!お前ら、肉をかっ喰らうんだ!」


「「「「はい!お頭。」」」」

獣人娘たちはサスケと共に、

自分の前にある肉の両側から突き出た骨を握ると、

ガブリと喰い付いた。


「熱っ!美味っ!熱っ!美味っ!」

「う~、美味すぎる~。」

「外はカリッと、中はシットリですね。」

「ガツガツガツガツ」


「お~、想像を超える美味さだな、

野営で食べるというロケーションも一役買ってるんだろう、

たぶん、店で食べても、ここまで美味しく感じないだろうな。」


サスケは栄養バランスも考えて、

魔倉まそう』から野菜のサンドウイッチと、

特製野菜ジュースを取り出して獣人娘たちに与えておいた。


晩飯を終えて、一息ついたサスケたちは、

サスケが魔法で造りだした、汚れと匂いが消えるお湯で体を拭いてから、

特別、やる事も無いので馬車の中で寝る事にした。


「じゃあ、寝ずの番の順番は、

まずサンとジュリーがやって、

次にリンとロリーがやり、最後が俺って事で行くからな。」


「「「「はい!お頭。」」」」


いよいよ、サスケ待望の寝ずの番が始まる・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ