表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転落勇者の人生大逆転物語  作者: シュウさん
34/238

縁起かつぎ

サスケはサンとリンをともなって、

まず、レトリバーの店『何でも屋ゴールデン』をおとずれた。

「「「こんにちは~!」」」


「おう、お前たちか、今日は何だ?」


「ええ、魔力石が大量に手に入ったので、

魔力回復薬を造って持って来たのと、

馬車を購入するので、床に敷く毛皮と毛布を購入に来ました。」


「そうか、魔力回復薬は何本だ?」


「今日は100本持って来ました。」

サスケは『魔倉まそう』から取り出して、

カウンターの上に並べた。


「・・・99、100と、ちょうど100本だな、

じゃあ1本5000ギルだから、50万ギルだな。」


「はい、ちょうど戴きました。」


「あと、毛皮と毛布だっけ?」


「ええ、馬車の床に敷きたいのですが、

何か良い毛皮がありますかね?」


「そうだな・・・

保温性を考えるならフンワリギツネの毛皮だけど、

馬車の振動を和らげるならバネバネベアの毛皮だな。」


「馬車の振動は魔法で対応するので、フンワリギツネでお願いします。」


「分かった。

それで、馬車の広さは、どの位なんだ?」


「今、ロリーとジュリーに買いに行かせているのですが、

5人がゆったり寝転がれる大きさと伝えてあります。」


「それなら20枚もあれば十分だな、毛布は5枚で良いのか?」


「少し余裕を見て8枚で、お願いします。」


「了解。

フンワリギツネの毛皮が1枚3000ギルだから6万ギルで、

毛布が1枚5000ギルだから4万ギル、

合計で10万ギルだな。」


「ちょうどで、お願いします。」

サスケは金貨を出して払った。


「まいどあり~!」


「そう言えば、

この前、俺が造った魔導ポーチは、

モモヨさんが全部買って行ったっておっしゃってましたが、

あれは、やはり冒険者同士に軋轢あつれきを生まない為にだったんですかね?」


「何、言ってんだ?

モモヨは俺の店から10万ギルで買った魔導ポーチを、

フェルナリア皇国の冒険者ギルドの知り合いに頼んで、

貴族に一個100万ギルで売って、ぼろ儲けしたって言ってたぞ。」


「そんな事だと思ったよ・・・」


「あれは、ポーチ自体が小さすぎて、

他の錬金術士じゃ造れないから、余り市場に出さない方が良いな、

トラブルの元になるぞ。」


「そうですか、

両手が使えて冒険者向けに良いかなと思って造ったので残念です。」


「いや、発想は良いと思うぞ、

小さすぎるのが問題なんだから、もう少し大きく造れば良いんだよ。」


「でも、あれ以上大きくなると、嵩張かさばりそうですよね。」


「お頭、腰に付けるんじゃなくて、

背負うなら良いんじゃないですか?」


「そうか!リュックみたいにすれば良いな、

レトリバーさん、こんな風に背負うバックを作って貰えませんか。」

サスケは、地球のリュックをイメージしてスケッチしたものを、

レトリバーに見せた。


「成る程、肩紐が調節できる様になっているから、

色んな体型に対応している訳か・・・」


「ええ、獣人とかドワーフでも使える様にしたいので。」


「収納量は、また馬車1台分ぐらいに、しておいた方が良いぞ。」


「分かりました。」


「値段は幾らにしておくか?」


「魔導ポーチが10万ギルでは安すぎたみたいなので、

今回は30万ギルにしませんか?」


「そうだな、その値段なら冒険者にも買えるぐらいだから、

ちょうど良いかも知れないな、

そう言えば、今回は何て名前で売り出すんだ?」


「そうですね・・・魔導リュックにしましょう。」


「魔導リュックだな、分かった。

それで、元になるリュックは何個ぐらい作れば良いんだ?」


「取り敢えず、100個作って下さい。

それだけあれば、ピロンの街の冒険者には行き渡ると思うので。」


「他の街では売らないのか?」


「俺は、これを本業にする気は無いので、

この街の冒険者のみの特権と言う事で、お願いします。

あと、モモヨ販売禁止で。」


「まあ、サスケには儲けさせて貰ってるから分かったよ、

この街の冒険者だけに売る様にするぜ。

あと、買った冒険者にも、モモヨに売らない様に釘を刺して置くよ。」


「ありがとうございます。」


レトリバーとの、打ち合わせを終えたサスケは、

店を後にした。

「サン、ピロンの街から、ラッスンの街へは馬車で何日ぐらい掛かるんだ?」


「2日もあれば十分だと思います。」


「そう言えば、ラッスンの街の冒険者だったサンたちが、

何で、ラッスンの街に向けて運ばれていたんだ?」


「たまたま、フェルナリア皇国の冒険者ギルドで、

クエストを受けていた時に失敗してしまったので、

地元に送られていたんですよ。」


「それって、フェルナリア皇国の奴隷になるんじゃないのか?」


「はい、冒険者ギルドは世界的な組織なので、

冒険者の管理は、その冒険者が登録したギルドになるんですよ、

今回も、違約金はラッスンの街のギルドが肩代わりして、

私たちはラッスンの街の奴隷となるんです。」


「成る程、それでラッスンに向かっていたのか、

領主も、その辺は心得ていた訳だな。」


「そう言う事だと思います。」


「よし、今夜はカツを食べて、領主への復讐に備えるかな。」


「カツですか?」


「ああ、俺が生まれ育った国では、

『敵に勝つ』に通ずるって事で、戦いに望む前にカツを食べたんだ。」


「そうなんですか、

カツって言うのは、どんな料理なんですか?」


「えっ!?カツって、この国じゃ食べないのか?」


「はい、聞いた事が無い料理です。」

「アタイも、知らないです。」


「そうなのか、

よし!今夜は、腕にりを掛けて作るから楽しみにしておけよ。」


「「はい!お頭。」」


サスケは2人を連れて、旅の間に食べる食料と、

今夜のおかずの材料を買い込んでから帰宅した。


館に帰ると、サスケたちの気配を察知したのか、

ロリーとジュリーが館から出て来た。

「お頭、馬と馬車を購入して来ました。

何か、この街では良質な馬と馬車がダブついているみたいで、

思ったより安く買えました。」

ロリーは、余った300万ギルを返して来たので、

馬と馬車は200万ギルで購入出来た様だ。


「大分、予定より安く買えたな、

でも、何でダブついていたんだろうな?」


「何でも、最近、沢山の盗賊団が討伐されて、

そいつらの隠れ家から押収したらしいですよ。」


「そうだった!

金目の物以外は、街の兵士に任せておいたんだっけ。」


「お頭が討伐したんですか!?」


「おう、優秀な盗賊ホイホイのレトリバーさんに協力して貰って、

結構な数の盗賊団を潰したんだ。」


「馬や馬車は貰わなかったんですか?」


「おう、お宝や武器なんかで結構な額になったんで、

馬や馬車は兵士の皆さんに処分して貰ったんだ。」


「自分であげた物を買うなんて、

お頭も変な事していますね。」


「まあ、しばらくは、この街から離れる予定なんて考えて無かったからな、

街の利益に貢献こうけん出来たと考えれば良いさ。」


サスケたちは厩舎に馬を見に行った。

「おお~っ!これは良い馬だな。」とリンが言えば、

「体も丈夫そうだし良い買い物ですね。」とサンも絶賛している。


正直、サスケには馬の良し悪しは分からないが、

2頭とも頭が良さそうな顔つきだと思った。


「名前は決まっているのか?」


「はい、タロウとハナコだそうです。」


「記入例かっ!!」


続いて納屋に行って馬車も見てみる。

「おお、ちょうど良さそうな大きさの馬車だな。」


「はい、もともと反物たんものの輸送に使われていたそうなので、

大きくて頑丈な作りだそうです。」


「どれ、『軽減』『浮遊』と、

リン、馬車を引っ張ってみろ。」


「はい、お頭。

わ~!めちゃくちゃ軽いですよ、これなら2頭引きで大丈夫ですね。」


「そうか、予定通りで行けそうだな。

よし、確認は、この辺にしておいて、風呂と飯にするぞ。」


「「「「はい、お頭。」」」」


風呂を入れて獣人娘たちを入らせると、

サスケは夕食作りに取り掛かる。


シモフーリボアの肉を叩いて軟らかくしてから、

小麦粉をまぶして、

ホロホロドリの卵を溶いたものに通し、

パンを崩したものにまぶす。


シモフーリボアのラードを火に掛けて溶かしてから、

肉を放り込んだ。


肉が揚がる時間を利用してキャベツンを刻む、

キャベツンは見た目は地球のキャベツに似ているが、

直径が1メートル程あるので切り分けて売られている。


キャベツンを千切りした上に揚がったカツを半分乗せて、

残りの半分はアマアマネギと一緒にホロホロドリの卵でじた。


「こってりメニューだから、汁物はあっさりが良いかな。」

サスケはモッコリダケをスライスして、

薄味のだし汁に、薄塩で味付た鍋に入れた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ