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転落勇者の人生大逆転物語  作者: シュウさん
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不運児

カレー祭りの翌日となり、

獣人娘たちは、いよいよ魔獣と戦う実戦形式にて、

集団戦闘の訓練を始める為にサスケと共に草原を訪れていた。


サスケの『配下登録』スキルによって、

4人にはシーフの『隠密』や『忍び足』などの能力が与えられたが、

サスケが造って各々に与えた武器には、

それぞれの素質に基づいた付与がなされた。


犬娘のサンと、ネコ娘のリンはスピードに特化した戦闘タイプなので、

忍者刀には『速度強化』が付与されている。


鷹娘のロリーは視力が特化しており、

元々、弓を使った遠距離攻撃を得意としていたので、

忍者刀には『風矢かざや』が付与されている、

これは文字通りに風の矢を飛ばすもので、

魔力が少なく、魔法が得意では無い獣人でも使える様に工夫されている。


そして、虎娘のジュリーはパワー特化なので、

忍者刀も『切断力上昇』と『破壊耐性』が付与されている、

また、接近戦になった際に盾役もこなせる様に、

忍者刀を立てて構えて『シールド』と唱えると、

前面に強力な魔力壁が展開される。


これらの機能は、本来、獣人の魔力量では使用出来ないものだが、

忍者服に付与された『魔力上昇』の効果と、

武器自体が効率良く魔力を消費している事によって可能としている。


「それじゃ、最初は単体の敵との戦闘訓練から行くぞ、

サンとリンは『隠密』と『忍び足』を使って敵の背後に回り込め、

ロリーは『風矢』で攻撃をしつつ敵を引き付けろ、

ジュリーは最初『シールド』で敵を抑え込み、

サンとリンの攻撃で敵が弱ったら止めを刺せ。」


「「「「はい、お頭!」」」」


サスケが、草原を『気配察知』で探ったところ、

ちょうど良くシモフーリボアが一匹で居るのを察知した。

「この先にシモフーリボアが一匹居るから、

打ち合わせ通りに狩るぞ。」


「「「「はい。」」」」


サスケが足音を発てずに4人を先導していくと、

少し離れた場所にシモフーリボアが見えたので、

「ロリー、『風矢』で牽制しろ。」と指示した。


「はい、お頭。『風矢』」

ロリーが唱えると、風の矢が飛んで行って、

シモフーリボアの眉間にサクッと刺さって、

ボアはバタリと倒れ動かなくなった。


「「「「・・・・・・・・」」」」


「そっ、そうだよな、シモフーリボアじゃ、

お前たちの相手には役者不足だよな、

どうするかな?この辺て余り強い魔獣が居ないんだろ。」


「そうですね、単体としてはシモフーリボアは割と強い方になりますね。」


「しょうがないな、単体で駄目なら数で対処するか・・・」

サスケは集団で狩りをするハンターウルフを探す事にした。


草原を1時間程探したところで、

ハンターウルフが20匹程群れているのを見つけた。

「よし、今度は多数の敵と戦ってみるぞ、

基本的には単体との戦いと同じだが、

敵に近づかれるまではジュリーもクナイを投げて、敵を減らすように。」


「はい、お頭。」


先程と同じく、サンとリンは気配を消したまま、

ハンターウルフたちの背後へと回り込んで行く、

2人が配置に着いたのを見計らってロリーが『風矢』を唱えると、

風の矢は飛んで行ってハンターウルフの一匹に刺さり、

ギャン!と鳴き声を上げて倒れた。


仲間が攻撃されたのに気付いたハンターウルフたちは、

キョロキョロと敵の姿を探している、

『隠密』が効き過ぎているので、

こちらを発見出来ないでいると気付いたサスケが「こっちだぞ!」と、

大声を上げた。


サスケの声で、ようやく敵を見つけたハンターウルフたちが、

こちらへと走り出した。


背後からサンとリンが攻撃を仕掛けている様で、

こちらに向かってくるハンターウルフが、みるみる内に数を減らしていく。


「これで最後よ、『風矢』」ロリーが唱えると、

最後のハンターウルフがバタリと倒れた。


「・・・・・・・」

クナイを投げる体勢のままジュリーは無言で佇んでいた。


背後から攻撃していたサンとリンが戻って来て、

「お頭、どうでしたか?」

「訓練の甲斐があって、クナイも百発百中だったよ!」と言った。


「『風矢』は弓矢より射程が長くて威力も十分ですね。」

ロリーもご機嫌だ。


「・・・・・・・」

ジュリーは、まだ同じ体勢のまま動こうとしない。


「ま、まあ、今回はジュリーが活躍する機会が無かったが、

それだけ、お前たちの攻撃力が優秀だって事だからな、

そう気にするなよ。」


「わ~た~し~も~狩~る~!」ジュリーが切れた。


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