表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転落勇者の人生大逆転物語  作者: シュウさん
26/238

幕間2

フェルナリア皇国とアルビナ王国の間に広がる大森林、

強力な魔獣が多く生息し、

人々から『魔の森』と呼ばれて恐れられているその場所に、

最近、新たな国が造られた。


国の名を『マッスル王国』と言う、

初代マッスル王のライは、

元S級冒険者で、魔王討伐の報酬として、

この地を貰い受けたのだ。


ライは冒険者パーティーを組む仲間である、

S級冒険者エルザ、フローラの2人、

A級のルクア、リーナ、パサラの3人に加えて、

知人のS級冒険者夫婦ブラッディー・ベアにも協力して貰って、

『魔の森』の開発を急ピッチに推し進めていた。


国と言っても、まだ城などは無く、

森の中にある魔獣が近づけない結界内を活動拠点として、

周りの木々を切り開いて建物を建てて行き、

まずは、知り合いを中心に国民として受け入れ初めていた。


結界はライたちが施した物ではなく、

大昔から『魔の森』に存在していた物で、

中心部には大きなやしろが建っていたので、

取り敢えず、そこを行政府としていた。


ブラッディー・ベア夫妻と、

『魔の森』の魔獣討伐計画を立てているライの元に、

ルクアが手紙を携えて来た。

「ライ、お父様から手紙が届いているわよ。」

ルクアの、お父様と言うのはアルビナ王国のアトツーギ王である。


「アルビナ王から手紙だって?

今頃、何の手紙かな?」

ライは封蝋を開けて手紙に目を通して見る。

「何だって!タナカが死んだ!?」


「タナカってアノ?」

同じ部屋でパサラちゃんやポラリちゃんと遊んでいた、

リーナが声を掛けて来た。


「ああ、そうだ。」


「お笑い芸人軍団、『サイババと7人のタナカたち』が死んだの!?」


「タナカ多いな!!って、違うだろ!

タナカって言えば、

フェルナリア皇国の勇者サブロー・タナカに決まってるだろ!」


「ちょっとしたジョークよ。」


「お前が言うと本気っぽいんだよ!」


「へ~、勇者サブローが死んだんだ、

もしかしてフェルナリアに暗殺されたのかな。」


「めったな事は言うなよ、

この時期に暗殺なんて、する筈が無いじゃないか、

それこそ、世界中から叩かれるぜ。」


「そうですわ、自分の国で召喚しておいて、

役に立たなかったから殺してしまうなんて、

対外的に恥を晒すもいいところですわ。」

フローラもライの意見に賛同している。


「勇者サブローは何で死んだの?」


「雨で増水した川に落ちたらしい。」


「それって、もしかして・・・」


「ああ、自分で飛び込んだ可能性も否定できないな、

何しろ、魔王事件の後は酷い扱いを受けていたらしいからな、

早くウチの国に呼んでやれば良かったかな。」


「婚約者が亡くなったんじゃ、

ミルキィ姫も悲しんでいるわね。」


「ああ、そう言えばルクアは、

ミルキィ姫と仲が良かったんだな。」


「ええ、同い年の姫通しなので、

小さい頃は、よく一緒に遊びました。」


「そのミルキィ姫だが、クロマークと結婚するらしいぞ。」


「ええ!?クロマーク叔父とですか!?」


「ああ、アルビナ王からの手紙には、

そう書いてあるな。」


「ルクアの叔父さんて、

王さまの弟でしょ、もう結構な年じゃないの?」


「ええ、確か56~7歳だと思うわ。」


「ミルキィ姫は、ルクアと同い年って事は19~20歳って事でしょ、

完全な政略結婚だね。」


「ああ、アルビナ王国との繋がりが欲しかった、

フェルナリアの皇帝が仕組んだんだろうな。

しかし、クロマークに嫁がせようとする辺りに、

皇帝の、あさはかさを感じるよな、

アルビナ王は、その内、クロマークを排除するだろうからな。」


「ええ、実の弟と言えど、お父様の命を狙ったのでは、

ただで済ませる訳には行かないわね。」


「ミルキィ姫が嫁ぐ前に失脚すれば良ろしいですわね。」


「そうだな、俺たちも動いた方が良いかな?」


「ええ、ミルキィには幸せになって欲しいから、

そうしてくれると助かるわ。」


「よし、クロマークがボロを出すように、

俺たちで作戦を立てるぞ!」


「「「「おう!」」」」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ