大団円
エルザやリーナ、そしてヒナギク達の活躍によって、
サスケが主催した
サン達の側室としての披露パーティーへと、
忍び込もうとしていた輩は、一人残らず御用となり、
捕えられた者達の口から、
今回の襲撃を企てた貴族達の名前が、ほぼ明らかになった。
本来であれば、金を使って外部の者達を雇い入れるところであるが、
味方に、警備に当たっている軍部に顔が利くメガウト・ナグリトバス伯爵が居たために、
襲撃を容易と考えた貴族が多く居た様で、
自らの配下の者達を使った貴族が殆どだった為に、
指示を下した貴族を調べ出すのは簡単な事であったのだ。
今回の企てに加わった貴族達は、
直ちにサスケ公爵、ブチクラース侯爵、タクサンノ侯爵らによって、
慎重な詮議の末に処分が下される事となり、
有力な貴族に命令されて仕方なく参加した者などには、
罰金や領地の一部没収などの、軽微な罰が下されたが、
主犯格の貴族達には、貴族位を剥奪した上に、
全領地の没収及び国外退去処分という重い罰が下された。
こうして、国内の反対派貴族達の封じ込めに成功したサスケ達は、
国民に対して女神フェルナへの依存から脱却する考えを徐々に浸透させて行き、
当初に予定していた通りに、披露パーティーから2か月ほどが経った晴れの日に、
皇帝制度の廃止と、国名の変更を発表した。
「ここに、私サスケ・モンキーフライ・コウガは、
女神フェルナ様の長き年月に渡る、
我が国への恩恵に対する感謝の気持ちを込めて、
フェルナリア皇国の名を女神様に返上すると共に、皇帝制度を廃止とし、
新たな国名を『コウガ王国』と名乗り、
初代サスケ・ドラゴンフライ・コウガ国王となる事を、ここに宣言します!」
サスケの宣言と共に、
歴史的場面を一目見ようと集まった国民達が大きな歓声を上げる
「「「「オオオオオオッ!」」」」
「「「「コウガ王国万歳!」」」」
「「「「サスケ国王様万歳!」」」」
「サスケさん、ついに国王と成られましたね」
国民の歓声に応えて、手を上げて笑顔を向けているサスケの傍らで、
同じ様にしていたミルクが話し掛けて来た。
「ああ、まさか俺が、この国の王と成る日が来るとはな・・・」
「ええ、私も、この国で王妃と成る日が来るとは思いもしませんでしたわ」
「そうか、ミルクは弟君が居たから、
他国へと嫁ぐ可能性の方が高かったんだよな」
「ええ、サスケさんが勇者として召喚されるまでは、
私自身も、そう思っていましたわ、
でも、サスケさんと初めてお会いした日から、
私は将来、この方と結ばれる日が来るという予感に変わりました。」
「え~マジで!?
だって、その頃の俺なんて、
何の力も無くて、ただ勇者候補ってだけで持て囃されて居ただけだったろうに」
「勿論、これ程までに出世されるとは思ってもみませんでしたが、
サスケさんとなら、どこか地方の領地でも幸せに暮らして行ける様な気がしていました。」
「俺的には、その人生の方が無事平穏に暮らせて居たんだろうな・・・」
「サスケさんには、この国の為に、
何から何まで背負わせてしまい申し訳なく思います。」
「いや、俺が自分で選んだ道だから後悔はしていないさ、
何て言っても、この国はミルクが生まれ育った国だからな、
ミルクという、最高の嫁さんを手に入れられたんだから、
この国の面倒を見るぐらいの覚悟は出来ているさ!」
「ありがとう御座います!サスケさん」
「良く言ったな!サスケ」
「おめでとう!ミルクさん」
「何かの時には声を掛けろよな!」
「マッスル王国にも遊びに来てよね!」
「今後も国ぐるみで仲良くして行きましょうね」
「おめでと」
来賓として招待されていた
ライ達が声を掛ける
「はい!ありがとう御座います。ライさん」
「皆さん、今後とも宜しくお願い申し上げます。」
「サスケ様、ミルク様、私達も微力ながらも、
ご助力させて頂きます。」
「サンは、相変わらず固いよな~、
私達は、サスケ様の側室になったんだから、
アナタとか呼べば良いのに」
「そう言う、リンだってサスケ様って言ってるじゃないのよ」
「行き成りは無理だろうから、
徐々に慣れて行けば良いんじゃないの?」
「ジュリーさんが仰る通りだと思いますわ」
側室として出席していたサン達も声を掛けた。
「ああ、みんなにも面倒を掛けるけど宜しくな」
「これからも、仲良く一緒に頑張って行きましょうね」
「魔導具や薬品造りの方は、
新しく出来た王都の作業場で、ワシと弟子達に任せて置けば良いぞい」
「「「「はい!頑張ります!」」」」
「「「「皆さんの警護は、私達にお任せを!」」」」
「ああヴィン爺ィ、それからウル達も頼むな!
ヒナギク達は、みんなを守ってあげてくれよな」
「皆さん、宜しくお願いしますね」
斯くして、新たな国として歩み始めたコウガ王国は、
サスケの経済政策と技術力及び資金の投入、
そして、周辺諸国との宥和政策による軍事費用の大幅な削減などにより、
苦しかった財政はアッと言う間に黒字へと転じ、
大陸の中央に位置する豊かな国として末永く発展して行ったのであった。(完)
最後まで、お読み頂きまして、ありがとう御座いました。<(_ _)>




