密会
フェルナリア皇国に置ける3大勢力である、
サスケ公爵、ブチクラース侯爵、タクサンノ侯爵による、
新たな国造りの話し合いが開かれてから、1週間が経過して居り、
皇国内の貴族達には、サスケらが話し合った通りに、
両侯爵から、国造りのあらましや今後の日程などが伝えられていた。
そして今夜、皇国の皇都から然程離れていない場所という好立地にある、
チョイヤーク伯爵が納める、チョイヤーク領にある館に多くの貴族達が集まっていた。
その館は、チョイヤーク伯爵の本拠地の城では無く、
人目を憚る話し合いをする時に使われる、避暑地の別荘であった。
「しかし、あの成り上がりの偽勇者め!
優に事欠いて、この歴史ある皇国の皇帝制度を廃止するだと!」
本日の集まりのホストでもある、デレテモ・チョイヤーク伯爵は、
先日亡くなった前皇帝の腰巾着として有名で、
前皇帝亡き後、大きく失脚するであろうとの噂が囁かれている人物であった。
「真にチョイヤーク殿の仰る通りであるな、
しかも、それにブチクラース閣下が賛同されて居られるというのだからな、
私には、閣下のお考えが全く理解出来んよ」
チョイヤーク伯爵に追随して発言したのは、
ブチクラース家と同じく、先祖代々に渡って、
武に長けた者を多数に及び輩出して居り、
皇帝に絶対の忠誠を捧げる右派として有名な、
メガウト・ナグリトバス伯爵であった。
「全く持って、両伯爵様方が仰る通りであります。
ここは、我が皇国の行く末を憂う我々が一丸となって、
あの、偽勇者サスケめの野望を塞がねばなりませんぞ!」
両伯爵の尻馬に乗って発言をした男は、
ヤラレン・キャーラ男爵といい、サスケに寄って失脚したギッテル子爵に組していた為、
現在は当り障りのない閑職へと追いやられて居り、
サスケには深い恨みを抱いていた。
「うむ、私がタクサンノ閣下から、お伺いしたお話では、
3週間後に行われるという、あの成り上がりが主催する、
他国の王族方を招いてのパーティー会場にて、
大々的に発表をされるとの事であったから、
その席にて、重大な失態を犯せば、
あの成り上がりめも責任を取って、失脚せざるを終えまい」
「おお!それは良い考えであるな!
当日の警備に当たる兵に、私の手の者を潜り込ませて置けば雑作も無い事だ!」
「では、私は料理人でも買収して、
食中りの元でも、料理に混入させるとするかな」
「それは、良いな!」
「如何にも!」
「「「「「グワッハッハッハッ!!」」」」」
馬鹿笑いを上げている貴族達は一人として、
その様子を、厳重な館の警備をスンナリと掻い潜った少女忍者達が、
天井裏から覗き込んでいるのに気付かなかった。
『ねぇねぇヒナギク、帰りに、この館の厨房に寄って、
あの連中が食べる料理に、蓖麻子油でも入れて行かない?』
『当日の料理を楽しみにしてるタンポポの気持ちは良く分かるけど、
料理を作った料理人さん達に迷惑が掛かるから、
止めて置きましょう』
その少女達の、恐るべき内容のヒソヒソ話が、
料理人の身の安全を思い、実行へと移されなかったという
その幸運にも・・・




