炙り出し
「では、今から1か月後に国の内外に向けての発表を行い、
3か月後の国名の変更や、
皇帝制度から王制への移行式典に備えるという事で宜しいでしょうか?」
「ああ、かなりの強行スケジュールになるから、
バケテナーイも大変だと思うけど、お願い出来るかな」
「はい、国家としてのトップを長らく不在にする訳には行きませんので、
3か月後の式典の成功に向けての御協力をさせて頂きます。」
「ああ、宜しく頼むよ」
「では、ワシらは、
その間に皇国内の貴族達への根回しをするとするかな」
「うむ、ブチクラース殿は軍務関係の貴族を中心として、お願い出来るかな、
さすればワシが、財務関係の貴族の掌握に勤めるのでな」
「あっそうだ、他の国の王様達への連絡は、
俺とミルクの方からしとくよ」
「「うむ、承知した。」」
「お願いします。サスケ閣下、ミルク様」
「それと、1か月後の発表なんだけど、
ジュリー達を側室として迎える披露パーティーがあるんで、
その席上でも構わないかな?」
「ワシらにも招待状が届いて居った様だが、
他には、どんな面々が招待してあるのだ?」
「各国の王様にも招待状を送って、
皆、奥さん達と一緒に出席してくれるって返事を貰ってるぜ」
「ならば、問題無いであろう」
「しかし、警備には十分に気を配らねばなりませんな」
「うむ、我が国の貴族の中には、前皇帝陛下へ心酔する者や、
皇帝制の絶対を信ずる極端な右派も居るからな、
何らかの妨害工作を行ってくる恐れが考えられるぞ」
「ああ、その辺は俺も考えているんだけど、
3か月後の、本番での妨害を防ぐ為にも、
発表段階で、ある程度の炙り出しをしとこうかと思ってな」
「やはり、そう考えて居ったのか」
「しかし、敵がアサシン等を送り込んで来たりしたならば、
ちと面倒があるのでは無いのか?」
「それに関しては、俺の配下の者達に任せて貰えば大丈夫だ」
「サスケ殿自身が、斥候系のスキルへと長けて居るのは知っては居るが、
配下の者達の、果たして何人が同じ様な能力を有して居ると言うのだ?」
「数十人は居るぜ」
「何!?それ程にか!?」
「フフフッ、通りでサスケ殿の耳が早い訳であるな」
「偶々なんだけど、斥候職を生業とする連中の、
隠れ里を訪れる機会に恵まれてな、
主が居ないって事だったんで、里を丸ごと面倒見る事にしたんだよ」
「それはサスケ殿、真に幸運でしたな、
斥候職を一から育てるのには、途方もない時間と労力を要するものだ
それが、将来的にも見込めるというのであるからな」
「ああ、俺もそう思うよ、
ジュリー達を斥候系の上位職として育てて来たから、
その難しさは良く理解出来るな」
「では、当日のパーティー会場警備の方は、
サスケ閣下の、配下の方々を中心として行うという事で宜しいでしょうか?」
「ああ、会場周辺に一般の兵士を弛めに配置して、
連中を中へと誘い込んでから、一網打尽とする事にしようぜ」
「族を中へと誘い込んでは、他国の王様方に危険が及ぶのでは無いのか?」
「当日は、俺やジュリー達も居るし、
マッスル王国の、ライ王の奥方様達も会場に分散しててくれるって事だから、
大丈夫だと思うぜ」
「ああ、確か元S級冒険者パーティーの方々であったかな」
「そうだ、皆、とんでもない腕利き揃いだぜ、
それに、ザドス王だって、その辺のアサシンなんかに後れを取られる方じゃ無いしな」
「うむ、当日はワシも警戒に当たらせて貰うとするかな」
「ああ、ブチクラース候も宜しく頼むぜ」




