朝の陽射しの中で、私は・・・
「う・・・う~ん・・・」
チュン・・・チュンチュンと会話を交わしているかの様な、
姦しい小鳥たちの囀りと、窓から差し込む優しい朝の陽射しが、
サスケを穏やかな目覚めへと促す。
ゆっくりと、その両の瞼を開いたサスケは、
ボ~とした表情のままで天井を見つめて呟いた。
「知らない天井・・・では無いな、
でも、何でコッチで寝たんだっけ?」
一瞬、見覚えが無いと思った天井であったが、
良く見ると、錬金などで夜更かしをした時に、
先に寝たミルクに迷惑を掛けない様にと、
主寝室とは別に作ったサブの寝室の天井である事を思い出したのだ
「昨日は確か風呂に入ってから・・・
駄目だ!全然、思い出せねえや、
まあ良いか・・・ダンミーツにでも聞けば分かるだろ、
取り敢えずは、起きるとするかな~って、あれ?」
サスケは、ベットから起き上がろうとして、
自分の両腕が、重しを付けられた様に自由にならない事に気付いた。
「何で、腕が動かな・・・って、ええっ!?」
サスケは、左右へと首を動かして、
自分の両腕を確認し、その右手にサンとリンが、
そして、左手にはロリーとジュリーが其々、
サスケの腕を枕にして眠っているのが目に入ったのである、
しかも、毛布から出ている肩口から見て、
自分も含めて皆、裸の様であったのだ
「え?え~っ!?
一体全体、こりゃ、どういう事なんだよ!?」
その時、サスケの出した声に反応したのか、
サンが目を覚ました。
「う・・・う~ん、
あっ、お頭、お早う御座います。」
「お、おう、お早う、
起き抜けに悪いんだが、この状況を教えて貰えるかな、
あの~、もしかして俺とサン達って・・・」
「はい、お頭、
私達、みんな初めてだったのに、
最初から、あんな凄い経験をしちゃったら、
もう、お頭以外の男性では満足出来ないじゃないですか」
「ヤッちまった~!!」
それから、サン以外の者も起こして、
昨夜の自分の行状を詳しく聞くに至って、
サスケは、入浴前にダンミーツに飲まされたジュースに思いが行きついた。
「ダンミーツ!
お前、昨夜のジュースに一服盛っただろ!?」
「オホホホホッ、バレました?」
「『バレました?』じゃねぇ!
大変な事態になっちまったじゃねぇかよ!」
「本当は、また私に、
ご主人様の情熱のパトスをぶつけて頂く予定だったのに、
サン様方のお蔭で計算が狂ってしまいましたわ、
それで、こうなってしまった訳では御座いますが、
ご主人様は如何なさるのですか?」
「どうするって、そりゃ・・・あ~!もう!
このまま、ミルクに隠し通せる訳も無いし、
サン達が良いって言うなら、俺の側室になって貰うしか無いだろ!」
「それには、私も含まれているのでしょうか?」
「ああ、ダンミーツも条件は一緒だからな」
「「「「「やった~!!」」」」」
手放しで喜んで、両手を上げバンザイをしたり、
お互いに握手を交わしているダンミーツやサン達を見ながら、
サスケは、トホホな表情で呟いた。
「あ~、ミルクに何て言って話そう・・・」
「申し訳御座いません!」
ダンミーツらを側室として迎える約束をしてから1週間程が経ち、
マッスル王国へ、ヴィン爺ィの付添で行っていたミルクが帰って来た。
サスケは、その間の時間を使って、
ミルクに、どう告げるかをアレコレと考えていたが、
結局のところ最後は、シンプルに正攻法で告げる事とした
つまり、THE DO・GE・ZAである
「サスケさん、頭を上げて下さい。」
「はい。」
サスケは、そのミルクの言葉を聞いて、
顔色を伺う様に、そ~っと頭を上げた。
「お話の方は分かりましたわ、
それで、皆さんの側室としての、お披露目の方は別々でなさいますか?
それとも、合同になさいますか?」
「え?ミルク、怒ってないの?」
「ええ、別に怒っていませんわよ、
前にも言ったではありませんか、
サスケさんは、英雄であり大貴族にも成られたのですから、
今後も、他の貴族の方や、大商会の頭取の方などから、
娘さんや孫娘の方を側室にと言われる様になります。
サンさん達がいらっしゃれば、それを躱す手段にもなりますしね、
私と致しましても、全然、知らない方がいらっしゃるよりかは、
その人となりを良く知る、サンさん達の方が宜しいですので・・・」
「へ~、そういうもんなのか、
でも、今みたいな話を聞くと、
やっぱミルクって王族なんだなって感じがするよな」
「私だって、手放しで祝福している訳ではありませんよ、
サンさん達を側室として迎えるに当たって、
サスケさんに、一つだけ約束して欲しい事があります。」
「は、はい、何でしょうか?」
「それは、側室を迎えたとしても、
私の事を、一番に考えてくれるという事です。」
「それは、当たり前だぜ!
俺に取っての一番特別な女はミルクだけだし、
今後も、ミルク以上に大切な女は現れないと断言出来るぜ!」
「それならば、私から申し上げる事は、
もう、これ以上御座いませんわ」
「ありがとう御座います。ミルク様」
サスケは、もう一度、深々とミルクに頭を下げた。




