平穏なる日常
急な仕事で2日程、投稿が出来ませんでした。<(_ _)>
「我が星の、技術を高く評価して頂くのは誇らしいですが、
この世界にある魔法というものも、軽んじられる力ではありませんよ」
ナニワ星からの来客であるコテコテさんが、
魔法の有用性を、そう告げて来た。
「そうですね、私も、こちらの世界へと来て、
初めて魔法を目にした時はビックリしました。」
「魔法の凄いところは、タネを見せないところにあると私は思うのですよ、
科学には元となる確かな理論が存在して、そこから発展させて行くものですが、
魔法には、それが感じられません
ある日、優秀な魔法使いが『こんな魔法があったら便利だな』と考えるだけで、
次の瞬間には存在している可能性があるのですから」
「あ~、そういうところが、ありますよね」
(俺や、ヴィン爺ィの『言霊魔法』なんて、その最たるものだな)
「さて、では肝心の取引の方を済ませてしまうとしますか」
「分かりました。
では、こちらの鉄を先に、お出ししますね」
サスケは、そう告げると『魔倉』から鉄インゴットを取り出して、
その場に積み上げた。
「前回と同量ですね、では『空間庫』に収納させて頂きます。
おや?前回の鉄より質が良い様ですね」
『空間庫』には、品質分析機能でもあるのか、
コテコテが、そう言ってくる
「お気付きになりましたか、
実は、ウチの領地で良質な鉄鉱脈が見つかりまして、
早速ですが採掘して来たのですよ」
「それは朗報ですね、埋蔵量の方は如何なのでしょうか?」
「はい、私の魔法による感知では、
今回の取引量を、向こう50年は続けられる程ですね」
「それは、助かりますね、
鉄は堅い上に、加工が容易な金属なので、
我が星での需要が、幾らでもあるのですよ」
「そうなんですか」
(最悪、鉱脈が涸れたら、俺のスキルで魔力を消費して造れば良いしな・・・)
「では、こちらの品物の引き渡しですが、
『空間庫』同士なら、いちいち品物を取り出さずに、
やり取りが出来ますので、ジュリーさんの『空間庫』に直接入れれば良いですか?」
「ええ、それで、お願いします。
ジュリー、受け取ってくれるか」
「はい、お頭」
「では、私の『空間庫』に、ジュリーさんの物を近づけてくれますか」
「これで、良いかな」
ジュリーが、自分の指輪型『空間庫』を、
コテコテのソレに近付ける
「はい、十分です。
では、移しますね・・・はい、終わりましたので、
一応、確認してくれますか」
「どうだ?ジュリー」
「え~と・・・はい、大丈夫です。
前回と同量の貴金属が入っていますね」
「そうか、それじゃ、後で保管庫に入れて置いてくれるか、
コテコテさん、ありがとう御座いました。
あと、次の取引からは、
鉄インゴットも、ジュリーの『空間庫』に入れておいた方が良いですかね?」
「ええ、そうして頂けると、私の方も手間が省けますから助かりますね、
サスケさん、今後とも宜しくお願いしますね」
「はい、こちらこそ宜しくお願いします。」
その日の晩は、コテコテを持て成す華やかな宴が開かれて、
翌朝、来た時と同様にアッと言う間に視界から消え去る程の速度で、
宇宙船に乗って帰って行った。
「では、行って参りますね、サスケさん」
「行ってくるぞ、サスケ」
「「「行って来ます。ご主人様」」」
「「「「「サスケ様、行って参ります。」」」」」
コテコテがナニワ星へと帰って行ってから、数日の時が経ち、
長い事、自領を留守にしていたサスケが、
溜まりに溜っていた領主決裁を処理し終えた頃、
ミルクとヴィン爺ィは、ウル、ベル、スクルの3姉妹とサリエを連れて、
マッスル王国の学校の臨時講師へと、
そして、ヒナギクら4名は、サスケより教わった
カツドンのレシピをイガ村へと伝えるという名目の、
里帰りをする事になった。
「おう、みんな、気を付けて行って来いよ」
ちなみに、ミルク達にはレッド達が、
そして、ヒナギク達にはチビリンが護衛で着いて行く事になっている、
サスケの身の回りの世話をするダンミーツと、
護衛の役割を果たすサン達は、今回もコウガ領にて留守番であった。
「こうした薬品造りも、暫く振りだな・・・」
皆を送り出したサスケは、久し振りに出来た自由な時間を使って、
作業場に籠って、趣味と実益を兼ねた錬金に精を出していた。
「ご主人様、そろそろ一息吐かれては如何ですか?」
そこへ、お盆の上に、お茶と茶菓子を乗せたダンミーツがやって来る
「そうだな、一服するとするか」
サスケは、そうダンミーツに応えると、
作業場の一角にある休憩場へと向かった。




