彼の名は・・・
「お帰りなさいませ、お館様、奥方様、グワッツ!」
「「「お帰りなさい、お頭、ミルク様」」」
サスケが、ヒナギクらを連れて、
コウガの街にあるサスケの城へと戻ると、
城の玄関にある広間にて、
代官のダンディやサンらが、それを出迎えた。
ちなみにチビリンは、レッドらに会って、
お互いの情報交換をする為に、
城の中にある、隠し部屋を覗きに行っている、
また、ヴィン爺ィやダンミーツらは、
城の敷地内にある、薬品や魔導具の製造工場へ行っているので、
夜にならないと、帰って来ないのである
「ああ、ただいま、長い事、
コウガ領の事を、みんなに任せっきりで申し訳無かったな」
「ただいま帰りました。
皆さん、暫くの間、ご苦労様でした。」
「いえいえ、それが私めの務めですから」
「はい、ダンディさんが仰る通りに、
お頭やミルクさまの留守を守るのは当然です。」
「美味しい、お土産を貰えれば十分だよね」
「ジュリー、それは思ってても口に出しちゃダメだろ」
「リン、あなたも口に出してるわよ」
「ハハハ、みんな相変わらずの様だな、
自分のウチに帰って来た実感が出てホッとするよ」
「ホントですわね」
「時に、お館様、彼女達は・・・?」
「ああ、みんなにも紹介しとかなくちゃな、
そちらのエルフの子はサリエって言うんだけど、
魔導具職人のタマゴなんだよ、その将来性が有望な人材だから、
俺とヴィン爺ィで英才教育をしようと思ってスカウトして来たんだ
それから、こちらの4人は、
右からヒナギク、ツバキ、ユリ、タンポポで、
俺の元で、忍者としての修行に来たんだ
一応、4人とも下忍のスキルを持ってるぜ」
「アタイ達の後輩って訳ですね、
うわ~、やっとアタイらにも後輩が出来たね」
「リン、確かにヒナギク達は、お前らの後輩なんだが、
ウカウカしてると追い抜かれる事になるぞ、
現時点では、冒険者としての経験や体力なんかで、
リン達の方が上回ってるだろうけど、
ヒナギク達は、物心が付いた頃から、
忍者になる為の修行をしてるから、
忍者としての技術だけを見れば、そう大差はないぞ」
「ええ~!?マジですか?
じゃあ、アタイらも抜かれない様に頑張らなきゃじゃないですか!」
「まあ、そういう事だな」
「せっかく、可愛い後輩達が出来たと思ったのにトホホ・・・」
「先輩方、ご指導の程、宜しくお願いします!」
「「「お願いします!」」」
「サリエと申します。宜しくお願い申し上げます。」
「私は、コウガ領の代官を任命されてるダンディよ、
みんな宜しくね、グワッツ!」
「私は、お頭の元で、御庭番をしているサンよ、
よろしくね、一応、中忍のスキルを持ってるわ」
「アタイはリン、同じく御庭番で中忍スキル持ちね」
「私も、前の2人と同じでロリーよ、宜しくね」
「そして、私が君達の教官を務める軍曹の「「「違うでしょ!」」」
アハハハ、さっきも会ったけど、私はジュリーね、
一応、上忍のスキルは持ってるけど、
みんなと、それ程の差がある訳でも無いんで宜しくね」
「さて、お互いの紹介も済んだ事だし、
夕食までの間は、各々の部屋に行ってユックリしていてくれるか、
サンはミルクの護衛を頼めるか、
他の、みんなは、ヒナギク達を部屋まで案内してやってくれ」
「「「「はい!お頭」」」」
各自が、サスケの指示に従って広間から出て行ったので、
広間には、サスケとダンディが残される
「ダンディは、俺と執務室に行って、
留守中のコウガ領の事を教えてくれるか」
「畏まりました。グワッツ!」
執務室へと移動して、
自分用の大きな執務机では無く、
来客用のソファに腰を下ろしたサスケは、
同じく、自分の正面へと腰を下ろしたダンディに話し掛ける
「そんで、我が領は、どんな感じだ?」
「はい、まずは経済面ですが、
他国間との物品の流通や、
薬品関係や魔導具の売れ行きも好調で、大変に潤って居ります。
それに伴って、コウガ領へと移り住んでくる住人も、
順調に増えて居りまして、懸念されていた人手不足も、
解消されつつあります。」
「そんなに、急に人が増えて、
領内の保安面は大丈夫なのか?」
「はい、お館様が手配して下さった
ハウシュバイザー殿達の、ご活躍が大きいですね、グワッツ!」
「誰の活躍だって?」
「ハウシュバイザー殿ですが・・・」
「俺、そんなヤツ、手配したかな?」
「傭兵集団『暁に死す団』の団長殿ですが、
お館様の紹介状を持って居られましたよ、グワッツ!」
「あのオッサン、あんな厳つい顔して、
そんなカッコイイ名前なのかよ!?
あの顔じゃ、普通、ゴメスとか、
ゴンゾウ・オニガワラとかだろう!」
「はあ、まあ、お顔の方は兎も角、
傭兵としましては、団員の方達を含めて、
非常に優秀な方々ですね、人数的に言えば、
我が領を守り切るのには少ない筈なのですが、
それを、少しも感じさせない程の、手腕を発揮されて居ります。」
「へ~、使えそうだとは思ったんだが、それ程か・・・
それだけの人材が、仕事に溢れてたってんだから、
世の中、分からないもんだな」
「その、お蔭で、我が領は、
優秀な警備責任者を迎えられた訳ですがね、グワッツ!」
「ハハハ、違ぇねえ」




