ハニーフラッシュ!
『ZZZzzz・・・』
「上手く行ったみたいだな、チビリン」
「キキ~!」
「眠ってる?
サスケ君、あのバニランは、チビリンが眠らせたのかい?」
「ええ、フローラさんの『眠りの矢』が効くと伺ったんで、
チビリンに命じて眠らせました。」
「バニランは外皮が厚いから、矢でもなきゃ攻撃が通らないのに、
よく、チビリンの小さな武器で眠らせられたね」
「ええ、消化槽から栄養を吸収すると伺ったので、
直接、眠り薬を投げ込ませたんですよ」
「ああ!その手があったか」
「と言う訳だから、
ヒナギク達も、チビリンと手分けしてバニランを眠らせてくれるか」
「「「「はい!サスケ様」」」」
「キキッ!」
ヒナギク達が付近に居るバニランを眠らせて行き、
サスケらが、素材の匂い袋と、ツルを回収して行った。
「リーナさん、このツルは何に使えるんですか?」
「弾力があるから、ズボンのウエストに入れたりするのさ」
「ああ、紐ゴムみたいにして使えるのか」
「サスケ様、10匹程を眠らせましたが、
もっと、必要でしょうか?」
ヒナギクが尋ねて来た。
「いや、そんなもんで十分だから、
素材集めの方を手伝ってくれるか」
「分かりました。みんなに伝えます。」
「おう、頼むわ」
みんなで、手分けをして集めたので、
然程、時間を掛けずに素材が回収出来た。
「思ったより簡単に、バニランの匂い袋が集まったけど、
何か他に必要な素材とか、あるかい?」
リーナが尋ねてくる
「何か、お奨めの素材とかって、ありますか?」
特別、思い付かなかったサスケは、
逆に聞いてみた。
「そうだね~、何が良いかな・・・」
「ハチミツ」
突然、パサラが発言した。
「そうか!ハニービーのハチミツが良いか」
リーナの言葉に、パサラがコクコクと頷いている
「リーナさん、ハニービーっていうのは、
魔獣なんですか?」
「ああ、体長30センチぐらいの蜂の魔獣なんだけど、
こいつらの巣から採れるハチミツが、ちょ~美味いんだよ」
「そんなに美味しいハチミツなんですか?」
「ああ、ライも前に食べた事がある、
アカシアとかいう花のハチミツに似て美味しいとか言ってたね」
「そりゃ凄いですね」
「サスケ君も食べた事があるのかい?」
「ええ、高級品なんで、滅多には食べられませんでしたが、
スッと舌に消えていく上品な甘さが、印象深いですね」
「手に入ったら、何か作ってくれるかい?」
「ええ、是非、ご馳走させて下さい。」
「そりゃ楽しみだね」
「楽しみ」
パサラも、無表情ながらもワクワクしている感じだ。
「それで、そのハニービーの巣を見付けるには、
どうやるんですか」
「あいつらの生息域は、もう少し先になるから着いてきな」
「分かりました。」
サスケ一行は、リーナの案内で森の中を移動して行った。
「さて、この辺に居る筈なんだけど、
どこかに居るかな・・・見つけた!」
リーナの視線の先を追うと、直径1メートルはありそうな、
ダリアに似た巨大花に留まって蜜を吸っている、
大きな蜂が見えた。
「まあ、見てなよ」
リーナは足元に落ちている小石を拾うと、
ハニービーに向けてシュッと投げた。
小石はシュ~と音を発てて一直線に飛んで行くと、
バスッ!という音を発てて、ハニービーの胴体を粉砕した。
「あっ!」
「「「「「「・・・・・・。」」」」」」
「キ~」
「え~と、チビリンが、
ここから、どうするのかな~って聞いてるんですが・・・」
「いや~、気絶させる予定だったんだけど、メンゴメンゴ!」
「ですよね!俺は、また
ハニービーの霊に尋ねるのかと思っちゃいましたよ」
「それは、いくらなんでも無理だよ、
パサラも、蜂語は分からないからね」
「人なら出来るの!?」
「では、気を取り直して、
もう一度「いえ、無益な殺傷が行われる未来しか見えませんから、俺がやりますよ」そうかい?
じゃあサスケ君に頼もうかな」
サスケは付近を探して、花に留まったハニービーを発見すると、
小石を投げて気絶させた。
「お~流石だね、
最初からサスケ君にやって貰えば良かったよ」
「ホントですよ」
他の面々も、コクコクと頷いている
「じゃあ後は、この気絶してるハニービーに、
目立つ目印を付けて、放つだけだね」
「あ~、ヘボ追いと同じやり方ですね」
「ヘボ?」
「ええ、俺の祖父が住んでた田舎では、
地面の中に巣を作る地蜂っていうのがいて、
方言でヘボって呼ばれてたんですけど、
同じ様な、やりかたで巣を見付けて、幼虫やサナギを食べてたんですよ」
「え~、幼虫を食べるんですか?」
タンポポが、引き気味に聞いて来る
「ああ、俺は苦手で食べられなかったんだけど、
好きな人は、チーズケーキみたいな味とか言ってたな」
「チーズケーキを食べた事が無いので、
どんな味かは想像出来ませんが、
言葉の響きからすると美味しそうですね」
ツバキが、そう言った。
「ああ、そうか、みんなはチーズケーキを食べた事が無かったな、
今度、俺が作って、ご馳走してやるよ、
少し酸味があって、美味いケーキだぜ」
「ハイハイ!アタイも!」
「私も」
「分かりました。リーナさんとパサラちゃんにも、
ちゃんと、ご馳走しますよ」




