ゴマドレ最強伝説
肉や魚のなどのメイン料理の他、
肉マン、餡マンが蒸しあがった頃合いで、
タイミング良く、馬達の世話をしに行っていた
ヒナギク達が戻って来た。
「サスケ様、馬達の世話が終わりました。」
ヒナギクが、皆を代表して報告して来る
「おう、ご苦労さん、
こっちの方も、直ぐに出来るから、
馬車の後ろの荷台から、
シートとテーブルを下ろして、
皆で食事が出来る場所を用意してくれるか」
「「「「は~い!」」」」
サスケは、蒸しあがった肉や魚と、
肉マン、餡マンを手早く別々の皿に移すと、
カット野菜を魔導調理具に入れてスイッチを入れる、
すると、高性能で高火力なので、
直ぐに器具の縁から蒸気が出始めて、
一口大にカットされた野菜は、
アッという間に温められていった。
サスケは、カット野菜に軽く火が通った程度で、
魔導具を停止させると、
大きな皿の上に、蒸されて鮮やかな色合いに変わった
カット野菜を敷き詰めていって、
その上に、肉や魚を乗せると、
上から、満遍なくゴマドレッシングをかけていった。
「お~い、テーブルの準備は出来たか?」
「はい、大丈夫です。サスケ様」
「もう、お腹がペコペコです。」
「よし、じゃあ料理を運ぶとするか、
サリエは、そっちの皿を持って来てくれるか」
サスケは、メイン料理が乗った大皿を両手で持ち上げると、
肉マン、餡マンが乗った皿をサリエに運ぶ様にと指示を出した。
「はい、分かりました。」
サスケは、テーブルの上に大皿を乗せると、
その隣に、肉マン、餡マンの皿を置いて、
皆にテーブルに着く様に指示した。
皆が座ったのを見届けると、
『魔倉』から、取り皿、ナイフ、フォーク、スプーンなどを、
人数分取り出して、皆へと配っていった。
「飲み物は、お茶や果実水や水の他に、
熱いスープもあるから、それぞれ好きな物を俺に言ってくれよ」
「私は、お茶をお願いしますわ」
「果実水をお願いします。」
「水と熱いスープを下さい」
各々の注文を聞きながら、
『魔倉』の中から飲み物を出して行き、
最後に自分の前に熱いお茶を置くと、
サスケの音頭で食事の始まりとなった。
「では、いただきます!」
「「「「「「いただきます!」」」」」」
「キキ~!」
「うわっ!サスケ様、
このドレッシング美味しいですね、
何で出来ているんですか?」
「ああ、それはゴマのドレッシングだよ」
「へ~、ゴマで、こんなに深みのある味が出るとは、
知りませんでした。」
「ホントホント、お肉にも魚にも良く合うよね」
「野菜が本来持っている美味しさが、引き立つ感じがします。」
「そうね、私、野菜は好きじゃ無いんだけど、
このドレッシングを付けると、ドンドン食べられるわ」
「私は、このモチモチしたパンみたいのが好きです。」
「ああ、それは饅頭って言う料理なんだけど、
俺やライさんが居た国では大人気だったんだよ、
挽肉が入っている方が肉マンで、
甘い餡が入っている方が餡マンだ」
「私は肉マンが好きだな~
挽肉と一緒に入っている、
タケノコのコリコリ感が堪んないね」
「私は餡マンかな、お茶との相性が最強だと思います。」
皆の食事が、ある程度進むのを見計らうと、
いち早く食べ終えていたサスケが、
デザートの準備を始める為に席を立ち上がった。
「あっ、サスケ様、
お手伝い致しましょうか?」
サスケが席を立つのを見たサリエが尋ねて来た。
「いや、大した手間じゃ無いから、
そのまま、皆と食事を続けていてくれ」
「そうですか、ありがとう御座います。」
サスケは、魔導調理具が冷めたのを確認すると、
中に水を注いでから濯いで、食材の匂いを洗い流していく、
キレイに匂いが消えたら、中の水を捨ててから、
残った水気を布巾で拭き取って、
魔法を使って乾燥させた。
「よし、掃除の方は、こんなもんで良いかな」
サスケは、次に魔導調理具の切り替えレバーを、
『温』から『冷』の方にすると、
『魔倉』からアップルジュースを取り出して、
調理具の中へと注ぎ込んだ。
「よし、スイッチ・オン!」
サスケが、魔導調理具のスイッチを入れると、
急激に冷やされたアップルジュースの表面が凍り始める、
「よしよし、計算通りだな」
サスケは、ジュースが凍り始めたのを確認すると、
大きな匙を持ってジュースを掻き雑ぜ始める
最初は、水気が多かったジュースが、
冷えて来るに従って、固く粘りを帯びて来る、
「よ~し、こんなもんかな」
匙で掻き雑ぜるのが、困難となって来た辺りで、
サスケは、魔導調理具のスイッチを切った。
「お~い、デザートが出来たぞ」
食事を終えて、テーブルの上の皿などを片付け始めていた
ミルク達の元へ、人数分の小さな皿が乗った
お盆を両手で持ったサスケが戻って来た。
「ありがとう御座います。サスケさん
あら、そのジャムみたいなものの下にあるのは、
前に作って頂いた事があるケーキかしら?」
サスケの持つ、お盆の上の皿を見たミルクが、
尋ねて来た。