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転落勇者の人生大逆転物語  作者: シュウさん
190/238

継承

「それで、サリエさんは、

どんな、ご用でいらしたんですか?」

サスケは、サリエにたずねてみた。


「はい、それなのですが、

私は、ここまで育ててもらった両親に、

少しでもおんを返せたらと思い、

父の後をいで、魔導具職人まどうぐしょくにんこころざしたのですが、

自分が思う様な物が造れずに、

そのほとんどが売れ残る有様ありさまでした。

ところが今日、父から、

私が造った魔導具が、すべて売れたと聞きまして、

お買い上げいただいたサスケ様の事を、

父から聞き出してうかがったんです。

自分で言うのも、何ですが、

私が造った魔導具は使い勝手がってが悪いので、

サスケ様が、どうして、

お買い上げ下さったのかと思いまして・・・」


「なる程、そういう事だったんですか、

では、何故なぜ俺が、

サリエさんの造られた魔導具を買ったのかを、

ご説明しましょう

それは・・・」

サスケは、サリエに、

買い上げた魔導具の使用方法を説明した。


「私の造った魔導具に、そんな使い方があったなんて・・・」


「サリエさんの魔導具は、

能力的には十分なんだから、

後は、その生かし方を上手うまく考えれば、

大ヒットすると思いますよ」


「能力の、生かし方ですか・・・」

サリエは、何かを考え込んでいる様子であったが、

決心をした様に、キッとサスケに目を向けると、

「サスケ様、お願いがあるのですが、

私を、サスケ様の元で、

修業しゅぎょうさせて頂けませんでしょうか?」とげた。


「ウチで修行ですか?

そりゃ、優秀な職人しょくにんが増えるのは、

こちらとしても大歓迎だいかんげいなのですが、

俺は、冒険者活動や公務こうむなどで、

城をけている事が結構けっこうあるしな・・・」


「サスケさんが、お出かけの時は、

ヴィン爺ィ様に、見て頂けば、

よろしいのではないでしょうか?」

ミルクが意見して来た。


「そうか、ヴィン爺ィにたのべば良いかな」


「ヴィン爺ィ様とおっしゃる方は・・・?」


「ああ、ヴィン爺ィは、

俺の、魔法と錬金術の師匠ししょうなんだけど、

魔導具に関しても造形ぞうけいが深いんだよ」


「サスケ様の、お師匠様ですか」


「ああ、まだまだ魔導具に関する知識ちしきなんかは、

到底とうてい、ヴィン爺ィにはかなわないな」


「サスケ様を超えられる知識ですか!?」


「俺なんて、ヴィン爺ィに比べたら、

まだまだ、だよ」


「それ程の、お方が居られるなんて・・・」


「サリエさん、ヴィン爺ィ様の、

お名前はわけあってお教え出来ないのですが、

世界的にも有名な知識人ちしきじんなのよ」

ミルクが、サリエの不安を解消する様に告げた。


「それ程に、ご有名な方なんですか!?」


「ええ、魔法学校の教科書でも、

たびたび々、その名が上がる程ですわ」


「それは、すごいですね、

サスケ様、あらためてお願い申し上げます。

私を、サスケ様とヴィン爺ィ様の元で、

修行させて頂けませんでしょうか?」


「ウチとしては別に良いんだけど、

サリエさんの、お宅の方は大丈夫なの?」


「はい、父からはもともと々、

ウチの店を継ぐとしても、

しばらくは他で修業をむ様にと、

申し付かってります。」


「へ~、しっかりとした

教育方針なんだな」

サスケも、家業を継ぐ場合は、

他家たけの水を飲んだ方が良いなので、

サリエの父マリックの考えに共感きょうかんおぼえた。


「良し、分かった!

サリエさんの面倒めんどうは、ウチで見る事にするよ、

明日、娘さんをお預かりする、

挨拶あいさつうかがうからって、

マリックさんに言っといてくれるかな」


「ありがとう御座ございます!サスケ様

父には、ちゃんとつたえてお待ちしてます。」


サスケは、一応いちおう護衛ごえいとして、

サリエに、チビリンを付けて送り返した。


サリエを送り返して、

自分らの部屋へと戻った後に、

ミルクが、サスケへ話し掛けた。

「サスケさん、良かったですわね、

スカウトしようと考えていた

サリエさんが、ご自分からたずねて来て下さって。」


「ああ、このままもれさせて置くには、

しい才能だからな」


「でも、一人前の魔導具職人とったら、

この街へと帰ってしまうのでは、ありませんの?」


「まあ、サリエさんの成長具合にもるけど、

良い職人に成ったら、好条件こうじょうけん提示ていじして、

ご両親とお店共ともども々、ウチの領に引っ越して貰おうかな、

まあ、それで駄目だめだったとしても、

良い腕の魔導具職人が、この世界に一人増えるんだから、

良いんじゃないか?」


「フフフッ、サスケさん、

らしいですわね」


「そうか?

人にものを教える人なんて、

大概たいがい、そんなもんじゃないのか?」


「確かに、中には、

そういう方もいらっしゃいますけど、

分けあたえる知識に対する、

対価たいかもとめられる方のほうが多いと思いますよ」


「普通は、そんなもんなのか?

自分が持ってるものを、

後世こうせいへと引き継いでくれると考えれば、

対価は必要無いと思うんだがな」


「人に教えをく方々が、

みんな、サスケさんの様な考えを持っていれば、

この世界に、もっと知識や技術が広がるんですけどね」


「まあ、すぐれた技術を、

無闇むやみに広げるというのも考え物だがな・・・

ようは、それをつたえるべき相手の見極みきわめという事かな」


「そうですわね」

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