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転落勇者の人生大逆転物語  作者: シュウさん
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馬の骨亭

「ピッカリーさん、

あと、防具に関してなんですけど、

俺なんかも、そうなんですが、

冒険者って、盾職以外の人は、

体の動きを阻害そがいされない様に、

軽めの鎧を使う人が多いじゃないですか」


「うむ、うちの店でも、

革鎧かわよろいを買って行く物が多いのう」


「でも、革鎧の場合だと、

余程よほどのレア物の素材を使わないと、

あまり安全が確保かくほされませんよね?」


「それは、そうじゃな、

ドラゴンの革でも使わない限りは、

絶対の安全は無理じゃろうな」


「そこで、提案ていあんがあるんですけど、

人間の急所である、

頭や心臓の部分だけに、

薄く伸ばした黒魔鋼こくまこうの板を入れたらどうでしょう?」


「なる程のう、

その程度なら、大した重さにはならんし、

身体強化で、体に魔力を流したら、

黒魔鋼が硬化こうかして、大概たいがいの攻撃ならふせげるか」


「はい、身体強化が使えない人には、

オプションで、魔石を付けられる様にしておけば、

買うんじゃないかと思うんですよね」


「ふむ、それはなかなか々に面白そうじゃな、

どうじゃ、いくつか試作品を作って、

店に置いてみても良いかのう?」


「ええ、ピッカリーさんの店で売ってみて下さい、

それで、良く売れる様でしたら、

さっきの剣とは違って、

作製のノウハウを広めて頂いても構いませんので」


「構わんのか?」


「ええ、防具に関しては、

悪用される心配も無いと思いますので、

冒険者達の安全を確保かくほするためにも、

積極的に広めて下さった方が助かります。」


「分かったぞい」


それからも、鍛冶仕事に関する、

数々の情報交換をたしたサスケは、

大きな収穫しゅうかくにホクホク顔で、

ミルクとチビリンをともない、

宿へと戻ったのであった。


「ヒナギク達が、待ち草臥くたびれているかな?」

「そうかも知れませんね、

もう、みんな宿に帰ってると思いますし」

「キキ~。」


サスケ達は、今夜泊まる予定の『馬の骨亭』へと戻ると、

入り口のドアを開けた。


「へい、らっしゃい!」


「居酒屋か!」


「あら?

お客さん、勇者ライと同じツッコミをされるんですね」


「ええ、ライさんとは知り合いですし、

同郷どうきょうなんですよ」


「どおりで・・・

私は、この宿の娘でメアリーと申します。

よろしくお願いしますね」


「ええ、俺はサスケって言います。

宜しくお願いします。」

「妻のミルクです。

宜しくお願いしますね、メアリーさん」

「キキ~!」

「こいつは、チビリンです。

ヨロシクと言ってます。」


「あら、可愛らしいお客さんね、

宜しくねチビリンちゃん」


「キキッ!」


「それで、サスケさん達は、

今日は、お泊りですか?」


「ええ、れの娘達が、

先に来ているはずなんですが・・・」


「「「「お帰りなさいませ

サスケ様、ミルク様、チビリンちゃん」」」」


「ああ、彼女達と一緒なんですね、

先程から、食堂でお帰りをお待ちしていたんですよ」


「そうなんですか、

みんな、ただいま、

待たせて悪かったな」

「ただ今、戻りました。」

「キキ~!」


「いえ、それ程長く、

お待ちした訳では御座いませんし、

サスケ様には、

小遣こづかいまで頂いてしまいまして、

申し訳ありませんでした。」

「街を見て周りましたが、面白かったです!」

「本当に、ありがとう御座いました。」

「面白そうな場所を探して起きましたので、

明日、ご案内致しますね」


「そうか、楽しめた様で何よりだな、

よし、明日は皆で出掛けるとするか」

「そうですわね」

「キキ~!」


「皆さま、お部屋でお休みになられますか?

それとも、お食事になさいますか?」


「ヒナギク、荷物なんかは、

もう、部屋に入れてあるのか?」


「はい、サスケ様方の、

お荷物は、お部屋の方へと、

お運びして御座いますし、

私達の荷物も、部屋に置いてあります。」


「じゃあ、みんなで夕食にするか」


かしこまりました。

では、食堂の方で、ご用意させて頂きます。」


サスケ一行は、

そのまま、食堂へと移動すると、

皆でテーブルへと着いた。


「料理の方は、如何いかがなさいますか?」

サスケ達が、テーブルへと着いたのを見計みはからって、

メアリーが、メニューを持って来た。


「え~と、俺は『シェフのおすすめコース』で良いかな、

あっ、チビリンにも分けたいんで大盛りでお願いしますね、

あと、取り皿もお願いします。

みんなも、遠慮しないで好きなもんを頼めよ」

「じゃあ私も、サスケさんと同じで」

「私も、サスケ様と同じでお願いします。」

「私は、この『馬の骨定食』ってヤツで」

「あっ、私も私も!」

「私は、『タナーカ名物ドラ・カリ御膳ごぜん』ってヤツで」


「ご注文は、以上で宜しいですか?」


「あっ、俺とミルクにハチミツ酒を、

あと、この子達とチビリンに果実水を、

お願いします。」


「畏まりました。」


注文をしてから、

しばらくすると、皆が頼んだ料理が運ばれて来た。


『シェフのお奨めコース』は、

前菜と、ステーキに付け合せ、

スープ、パンといったコース料理で、

『馬の骨定食』は、

野菜炒めと、トンカツの様な料理にパスタが付いていた。


そして、タンポポが注文した

『タナーカ名物ドラ・カリ御膳』が運ばれて来たところ、

サスケの視線が釘付けとなった。


「あれ?これって、もしかして・・・」

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