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転落勇者の人生大逆転物語  作者: シュウさん
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幕間19

「分かりました。

当方とうほうとしましても、

願っても無い取引とりひきですので、

一応いちおうあるじに確認を取りましてから、

コテコテ殿への、お返事をいたします。グワッツ!」


「確認ニハ、ドレホドノ時間ヲようシマスカ?」


「ああ、魔導通信機があるので、

ぐに取れます。」


「ホウ、離レタ場所ト連絡ヲ取ル道具ガ、

すでニ開発サレテイルノデスネ」


「ええ、勇者ライ様が造られまして、

まだ少数なのですが利用されています。」


「ナル程、コノ星ノ表面デ、

時折、電波ガ確認サレタノハ、

ソウイウ訳デシタカ・・・」


「えっ?

デンパですか?」


「アア、コチラノ話ナノデ、

気ニシナイデ下サイ」


「そうですか、

では、主の方に連絡してみます。グワッツ!」

ダンディは、魔導通信機を手に持つと、

サスケの通信機をコールする、

しばらく、呼び出し音が続いた後に、

サスケが、受信した様だ。


『もしもし、サスケです。』


「お館様ですか、

こちら、ダンディで御座います。グワッツ!」


『おお、ダンディか、

長い事コウガ領を開けてるが悪いな』


「いえ、お館様の留守を守るのは、

代官としての、私の務めですので・・・」


『ああ、いつも助かるよ、

それで、今日は何の連絡なんだ?』


「はい、ジュリー様が、

コウガ領と貿易ぼうえきおこないたいともうされる、

お方を、お連れになりまして、

先方せんぽうは、お館様が造られた鉄をご所望しょもうなんですが、

許可きょかいただけるかと思いまして、

ご連絡差し上げました。グワッツ!」


『そうなのか、

ジュリーが連れて来たっていうなら、

悪い人じゃ無いだろうし、

鉄は、いくらでも造れるから良いぜ』

サスケとすれば、地中からの『抽出ちゅうしゅつ』や、

女神にもらったスキルによって、

魔力を消費すれば鉄は、いくらでも造り出せるので、

余り考えずに了承りょうしょうをした。


「では、ご了承りょうしょうという事でよろしいですね?」


『ああ、かまわない、

そう言えば、先方は何を渡すって言ってるんだ?』


「はい、金・プラチナ・銀・金剛石などです。」


『おお、ダイヤもあるのか!

倉庫で、ダブついてた鉄を、

貴金属や宝石にえられるっていうんだから、

こちらとしても、万々ばんばんざいだな』


「はい、私としましても、

此度こたびの取引は、

我がコウガ領への、かなりのメリットを感じます。グワッツ!」


『そうか、分かった。

ダンディが、そう思うなら、

話を進めて貰っても構わないから、

頼んだぜ』


うけたまわりました。」

ダンディは、サスケの了解りょうかいを貰えたので、

魔導通信機をオフにした。


サスケとすれば、

多少は買いたたかれたとしても、

使い切れないで、

倉庫に積み上げてあった鉄がければ良いな、

ぐらいに考えていたのであるが、

後日、コウガ領へと帰った際に、

倉庫内に積み上げられた

貴金属やダイヤの山を見て、仰天ぎょうてんする事となるが、

それは、また別の話だ。


「コテコテ殿、

主の許可を頂けましたので、

正式せいしきに、取引の契約けいやくをして頂けます。グワッツ!」


「ソレハ、良カッタデス。

ソレデ、取引ノ方ナノデスガ、

三カ月ニ、一度グライノ割合デ、

私ガ、コチラヘト、オ邪魔スル形デ宜シイデショウカ?」


「それは、構いませんが、

運搬うんぱんかんしては、どうなさるのですか?」


「ダンディさん、コテコテさんは、

お頭の『魔倉まそう』みたいな、

大容量の道具を持ってるから大丈夫なんだよ」

コテコテの『空間庫くうかんこ』を見て知っている、

ジュリーがフォローを入れた。


「ハイ、問題アリマセン」


「ほう、それは凄いですね、

では、私の方で契約書を作成致しますので、

双方そうほうのサインを入れて、

契約が成立せいりつ致しましたら、

倉庫の方へと、ご案内する形で構いませんか?」


「ハイ、ソレデ良イデス。」


こうして、ナニワ星とコウガ領による、

貿易の契約がされて、

第1回目となる、取引が行われた。


鉄のインゴットが積み上げられていた倉庫内に、

金・プラチナ・銀のインゴットが積み上げられ、

大きな箱に入れられた

大粒おおつぶのダイヤを見て、

サン達はポカ~ンとした表情を浮かべている、

「これって全部、本物なのよね?」

「ホント、凄い量だよね・・・」

国庫こっこにも、こんなに入って無いんじゃないの?」

「これだけあると、ヤキニクが何人前食べられるのかな?」

「「「イヤイヤイヤ、基準きじゅんがオカシイから!」」」


そして、無事に契約を終えたコテコテが、

自分の星へと帰る時が来て、

ダンディらとの別れを終えたコテコテを、

ジュリーのみが、

ユーマ湖までの護衛ごえいねた見送りに付いて来ていた。


「ジュリーサンニハ、大変オ世話ニナリマシタ。」


「いや~、こっちもダンディさんや、

お頭が喜んでたから、良かったよ」


「今後ノ、オ付キ合イモアリマスノデ、

ジュリーサンニハ、

今回ノ、オ礼イト言ウ事デ、

コチラノ品ヲ、オ贈リサセテ頂キマス。」

コテコテは、『空間庫』から、

自分が付けている物とは、別の『空間庫』を取り出すと、

ジュリーへと、差し出した。


「ええ!?

そんな高価な物は貰えないよ!」


「イエ、コレハ、

私ノ星デハ、ポピュラーナ道具デスノデ、

ソレ程、高イ物デハ、アリマセン」


「ホント?

そんなら、ありがたく貰って置こうかな」


「ドウゾドウゾ、ツイデニ、

『空間庫』ノ中ニ、『エアカー』ヲ入レテ置キマシタノデ、

ドウゾ、ゴ活用下サイ」


「それこそ、高い物なんじゃないの?」


「コチラハ、ソコソコニ高イ物ナノデ、

ジュリーサンノ、あるじ殿ヘノ、

献上品けんじょうひんトシテオイテ下サイ」


「分かったよ、

お頭は、変わった物が大好きだから、

とても喜ぶと思うよ」


「ソレハ、良カッタデス。

ソレデハ、コノ辺デ失礼シマスネ」


「うん、また3か月後に会おう。」


「分カリマシタ。」

コテコテが、何らかの合図を送ると、

船から光の道が伸びて来て、

コテコテが、それに乗ると、

滑る様に船の中へと吸い込まれて行った。


船は、わずかに振動して、

ユーマ湖の表面に小さな波を起こすと、

フワリと空中に浮かび上がる、

そのまま、50メートル程の高さまで上昇してから、

別れを告げるかの様に、

ジュリーの上で3回程、旋回せんかいをすると、

シュッと、もの凄い速さで飛び去って行った。


飛び去って行った船を見つめながら、

ジュリーは、ポツリとつぶやいた。

「あんだけの性能があるなら、

最初に来た時に、もっと静かに降りれたんじゃねえの?」

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