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転落勇者の人生大逆転物語  作者: シュウさん
178/238

幕間17

ザザ~ッ

全身ずぶれの状態で、

ユーマ湖を見つめるジュリーの視線しせんの先に、

水の中から、直径20メートル程の、

卵をつぶした様な、白くて丸みをびた物体が、

浮かび上がって来た。


そして、物体の表面に、

縦長の長方形の形をした光が浮かび上がると、

湖畔こはんたたずむジュリーの方向へと、

光の道が伸びて来た。


「・・・・・・・。」

ジュリーがだまって、その光景をながめていると、

光の道の上を、何者かがすべる様に渡って来て、

湖畔に、ずぶ濡れの状態で佇んでいるジュリーを見ると、

問い掛けて来た。


「コノ寒イノニ、水浴ビデスカ?」


「あんたが乗って来た。

あの、白いのが起こした波で、こうなったんだよ!」


「ソレハソレハ、失礼シマシタ」

その何者かは、何処どこからか筒状つつじょうの物を取り出すと、

何かしらの調整の様な仕草しぐさをしてから、

ジュリーへと向けて照射した。


すると、ジュリーの体や服が一瞬で乾いて、

驚いた事に、折れた釣竿まで元通りとなっていた。


「その筒は、魔導具なのか?」


「イイエ、コレハ機械ト言ウモノデ、

アナタノ体ノ外部ノミノ時間ヲ戻シタノデス。」


「凄いな、そんな事が出来るのか!?

キカイと言うと、

前に、お頭が言ってたカガクとやらで作った道具か?」


「科学ヲ知ッテイルノデスネ、

ソノ通リデス、コレハ科学デ作ラレタ道具デス。」


「へ~、見た所、

海棲かいせいの獣人族とお見受けするが、

タコ獣人の方かな?

あの、空を飛ぶ乗り物と良い、

素晴らしい技術力をお持ちな様だな」


「イイエ、私ハ獣人デハアリマセン

他ノ星カラ、貿易ニタメニ来タノデス。」


「獣人では無い?

他の星って何だ?

他の大陸から来たって言いたいのか?」


「イイエ、星ト言ウノハデスネ・・・」


「?」


「宇宙ッテ言イマシテ・・・」


「?」


「遥カナ、距離ヲ一瞬デ・・・」


「?」


「・・・モウ、他ノ大陸カラ来タ

タコ獣人ト言ウ事デ良イデス。」


「そうか、遠路えんろ遥々(はるばる)、

このコウガ領へと、良くおいただいたな、

私は、コウガ領を治める御領主サスケ様の配下の者で、

ジュリーと言う者だ。」


「コレハコレハ、ゴ丁寧ていねいニ、

私ハ、ナニワ星カラまいリマシタ

『コテコテ』ト申ス者デス。」


「コテコテさんですね、

よろしくお願いします。

しかし、海から遠く離れた

このコウガの地で、タコ獣人の方と出会えるなんて、

まさに、『栄転えいてんでヘベレケ』ですね」


「ソレハ、気持チ良ク酔エソウデスネ」


「あれ?

青天せいてん霹靂へきれき』だったかな?

それとも『A3の職歴しょくれき』だっけ?」


「ナカナカ、定職ていしょくニ付ケナカッタンデスネ」


「まあ良いか、

コテコテさんは、貿易で来たって言ってたよね、

今、ご領主のサスケ様は旅行中で留守るすなんだけど、

留守中のコウガ領を預かってる、

代官のダンディさんを紹介するから、

一緒に来てくれるかな」


「アリガトウゴザイマス。

デハ、オ願イいたシマスノデ、

一緒ニ、コレデ移動スルトシマショウ」

コテコテは、また何処どこからか、

宙にフワフワと浮いている、

乗り物らしき物を取り出した。


「さっきの筒を取り出した時も、気になってたんだけど、

コテコテさんて、

獣人なのにアイテムボックスの魔法が使えるの?」


「イイエ、私ハ魔法ヲ使エマセン、

コレハ、異空間いくうかんニ荷物ヲ入レテオク道具デ、

空間庫くうかんこ』トイウ物デス。」


「へ~、凄いんだな、

サスケ様から、いただいた魔導バックみたいに、

何かを持ってるって感じじゃ無いのに、

こんなに大きな物を入れておけるなんて」


「ハイ、コンパクト化ニはげンダ結果、

コノ大キサニ出来マシタ。」

コテコテが、8本ある腕の内の一本を上げると、

その先に、指輪の様な物がはままっていた。


「おおっ!そんなに小さな物の中に、

こんな大きな物が、入っていたって言うのか!?

ところで、このフワフワ浮いてるのって乗り物なの?」


「ハイ、私タチノ星デハ、

一般的ナ乗リ物デ『エアカー』ト言イマス。」


「こりゃ、面白そうだな、

じゃあ、行先を指示しじするから、

乗せて行ってもらうとしようかな」


「ドウゾドウゾ」


ジュリーが、コテコテの指示しじしたがって、

イスらしき物に腰掛けると、

コテコテの操作そうさで、エアカーが音も無く、

すべる様に走り出した。

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