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転落勇者の人生大逆転物語  作者: シュウさん
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イガ村にて・・・

「サスケ様、まずは村長さんにご紹介したいので、

ご一緒願えますか?」

ヒナギクがたずねて来た。


「ああ、構わないぞ。」


「じゃあ、俺が先に行って、

村長に知らせて置くよ。」

村の入り口に、出て来た男の一人が、

走って知らせに行った。


「では、こちらへどうぞ。」


サスケたちは、村の入り口を入った場所にある広場に、

馬車を停めると、ヒナギクの案内で村長宅を目指した。


イガ村の住居は平屋造ひらやづくりになっていて、

家族の人数で多少の大小はあるものの、

大体は、同じような造りとなっていた。


そして、村の一番奥に、

他の住居より一回り大きい造りの家が、

村長宅との事であった。


その家の玄関ドアをコンコンとたたいて、

ヒナギクが中へと声を掛けた。

「村長さん!ヒナギクです。

フェルナリア皇国の公爵であるサスケ様を、

お連れしました。」


すると、玄関ドアがバン!と開くと、

年配の人物が飛び出して来た。

「何!?公爵様だと!?

マツゾウのヤツは、

子供たちの恩人としか言っていなかったんだが、

それは、本当なのか!」


「ええ、サスケ様は公爵様です。」


「それは、おむかえにも上がらず失礼しました。」


「いえいえ、こちらも突然、

うかがいしたのですから、気にしないで下さい。」


「そう言っていただけると、ありがたいですな、

お初にお目に掛かります

サスケ公爵様。

私は、イガ村の村長をしてります

クリタロウと申します。よろしくお願い申し上げます。」


「名前!名前!」


「はて、私の名前が何か?」


「い、いえ、村長さんが気にされないなら、

別に問題ありません。」


「? そうですか、

それでサスケ公爵様が、我が村の子供たちをお救い頂いたとの事で、

村民に成り代わって、御礼おんれい申し上げます。」


「俺の事はサスケで結構ですよ、

それと、コギクちゃん達の事は、

偶々(たまたま)、近くを通り掛かっただけですし、

子供がひどあつかいを受けていたら、助けるのは当たり前ですよ。」


「それはそれは・・・

失礼ですが、サスケ様は余り貴族様らしく御座いませんな。」


「いえ、全然失礼じゃ無いですよ、

村長さん、中々(なかなか)するどいですね、

俺は、つい先日まで、ただの冒険者だったんですよ。」


「ああ、そうだったんですか、

確かに、貴族様と言われるよりは、

冒険者様とおっしゃられた方がシックリ来ますが、

ただ、お連れの女性の方は、

かなり高貴な雰囲気をまとって居られますな。」


「おお、村長さんのご慧眼けいがんには恐れ入りました

ミルクは、私の妻なのですが、

皇国の王女なんですよ。」


「王女様ですと!?

冒険者のサスケ様が何故なぜ、王女様を妻にむかえられて、

公爵という地位にかれたのですかの?」


「村長さん、サスケ様は英雄様なんだってさ。」

タンポポが、村長に告げた。


「サスケ様が英雄様とな!?

英雄様と言えば、勇者様と同等な働きをした

お方に送られる称号しょうごうですな、

サスケ様は、何を成されたのですか?」


「え~と、皇国で流行はやった『魔王熱まおうねつ』を、

ご存じでは、ありませんか?」


「『魔王熱』ですかの?

申し訳ございませんが、ぞんじませんな、

この村は自給自足じきゅうじそくでやって居りますので、

必要な物が出来ない限り、街にも出ませんからな。」


「いえ、かえってさいわいでしたよ、

ここみたいに、他の街と交流が無い村で流行っていたら、

手遅れになる可能性が高かったですからね・・・」


「それは、一体・・・?」


サスケは、『魔王熱』騒動の顛末てんまつを、

村長やヒナギク達に語り聞かせた。


「その様な、恐ろしい病が流行っていたのですか・・・」

「ウチの村で流行ったら、全滅もあったね・・・」

「世界を救われたんだから、

サスケ様が、英雄様に選ばれたのも納得出来るわよね。」

「言えてる、言えてる。」


「しかし、特効薬を造られたという事は、

サスケ様は、冒険者であり錬金術士でもあるのですかの?」


「村長さん、サスケ様はニンジャマスターだそうです。」

ヒナギクが、村長に告げる。


「ニンジャマスターですと!?

それは、まことの事ですかサスケ様!」


「ええ、どうぞ、ごらん下さい。」

サスケは、ふところから冒険者カードを取り出すと、

村長たちにステータスを開示かいじした。


「おおっ!確かにニンジャマスターと記載きさいされておる、

実在して居ったのじゃな!」

「サスケ様、このアルカナマスターって何ですか?」


「ああ、それは、

錬金術と鍛冶かじきわめたら、

生産職の上位職に変わったんだよ。

多分たぶん、サイゾウ様も持っていたと思うぞ。」


「それは、どう言う事ですか?

サスケ様。」


「その質問に答える前に、

ちょっと、お聞きしたいのですが、

ヒナギクさん達とおしゃべりした時に聞いたのですが、

この村ではひさしく、一部の人に中忍スキルが現われるだけで、

ほとんどの村民の方達は下忍スキルだそうですね。」


「はい、その通りで御座います。

昔は、上忍スキルを持つ者も居たと聞いていますが、

私が物心付ものごころついてからは、中忍までですな・・・」


「その中忍の方達って、

鍛冶をする人とか、薬草をあつかう人じゃないですか?」


「はて・・・そう言われてみると、

そうかも知れませんな。」

「そうだよ村長さん、

今、村で中忍スキル持ちって、

鍛冶仕事をしているテッシンさんと、

薬水やくすい作りをしているイオリさんだけだもん。」


「やっぱり、俺の仮説かせつ通りで、

間違いは無さそうだな・・・」

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