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転落勇者の人生大逆転物語  作者: シュウさん
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新たな出会い

「それじゃ、これで失礼します。」

「お世話に、なりました。」

「キキ~。」

サスケたちは、次の目的地であるザドス王国へと向かうため

魔法国ラメールの代表エクリプスへ別れの挨拶あいさつをした。


「いえ、こちらこそ、

サスケさん達には、

我が国の窮状きゅうじょうを救っていただいて、

大変、感謝をしています。」


「いえいえ、観光におとずれて偶々(たまたま)見つけただけですから、

気にしないで下さいよ。」


「しかし、今後数十年に渡って、

我が国が、うるおうのに間違いがありませんからな。」


「優秀な魔法使いたちを育てて頂いて、

世界に貢献こうけんしてもらえれば、

俺たちも嬉しいですね。」


「はい、今後も子供たちの魔法教育へと、

力をそそぎ続ける事を、お約束しましょう。」



エクリプスへ別れを告げたサスケたちは、

急ぎの旅でも無いので、

街道をゆっくりと馬車で移動している、

ラメール国からは、

直接、次の目的地ザドス王国へとは向かえないので、

中央のフェルナリア皇国を経由して向かう形となり、

現在は、皇国の地方街道で馬車を走らせていた。


「しかし、こうして少人数で馬車の旅をしていると、

皇国から、ルクシアへと移り住んだ旅を思い出すな。」


「確か、その旅でピロンの街の、

レトリバーさんと、お会いしたんですよね。」


「ああ、良い小遣こづかかせぎをさせてもらったよ。」


「小遣い稼ぎですか?」


「ああ、レトリバーさんは、

盗賊ホイホイでな、俺が馬車の中にかくれて居ると、

しょっちゅう盗賊に襲われて「た、助けてくれ~!!」

そうそう、あんな風に・・・」


「サスケさん、大変です!

前から走って来る馬車が、

何者か達におそわれている様です。」


「うん?

馬車の後を追いけているのは、

女の子たちみたいだな・・・」


「そうですね、

全速力で走る馬車に、

自分の足で走って着いて行けるなんて、

サンさん達みたいですね。」


「ああ、彼女たちの足の運びを見ても、

素人のソレじゃ無いな。」


「まだ盗賊と決まった訳では、ありませんが、

あの様な速度で、馬車を走らせていては危険ですわ。」


「そうだな、取り敢えず、

あの馬車を停車させて、

事情を聞いてみるとするか・・・」

サスケは、街道をふさぐ形で自らの馬車を停車させると、

その前で、両手を上で振りながら、

大声で、馬車を停める様に指示した。

「おお~い!停まれ停まれ!」


それを見た

前方から走って来た馬車の御者ぎょしゃは、

馬車を停めて文句を言って来る。

「おい!

そんな風に馬車を置かれたら通れないじゃないか、

この馬車は盗賊に追われているんだから、

とっとと道を開けて通してくれよ!」


「あんな速度で馬車を走らせていたら、

遅かれ早かれ事故を起こしていただろう。

俺は、こう見えても中々(なかなか)の腕を持った冒険者だから、

後ろから来ている彼女たちが、

本当に盗賊なら、俺が捕まえてやるさ。」


「そ、それは・・・」


そうこうしている内に、

馬車を追い駆けていた少女たちが、

追いついて来た。


「ハァハァ、やっと追い着いたぜ、

おい!とっととコギクたちを放しやがれ!」

「そうよ!早く皆を解放しないと、

ひどい目にわせるわよ!」

少女たちは、10代中頃ぐらいの年齢に見える4人組で、

皆、人族の様であり、

サスケが、サンたちに造ってやった忍者服と、

良くた、おそろいの服を着込んでいた。


「ちょっと待ってくれないか?」


「あんた達、何よ?」


「俺たちは、偶々(たまたま)この道を通り掛かった冒険者さ、

この御者さんが言うには、

君たちは盗賊って事らしいから、

一応、確かめさせてくれないか?」

サスケは、お互いの様子を見て、

大体だいたいの予想を付けていたが、

念の為に確かめてみる事とした。


「ああ~ん!?

アタイらが盗賊だって?

ふざけた事を言ってると、

あんた達もタダじゃ置かないよ!」

短髪たんぱつをツンツンとがらせた髪型の、

短気たんきそうな少女が、

サスケが造る忍者刀と、似た刀を抜きながら大声を上げた。


「おっと、ヘタな動きをしない方が良いぞ、

その若さで死にたくは無いだろ?」


「あん?

何を言って・・・えっ!?いつの間に!?」

大声を上げた少女の首筋に、

チビリンがミニ忍者刀を突き付けていた。


「こんな小さな刀じゃ、

刺されたって大した事は無いさ!」


少女が、チビリンを振り払おうとしたので、

サスケが声を掛けた。

「その刀には、3000ギルぽっくりそうの毒が塗ってあるから、

ちょっとでも刺さったら、君は死ぬ事となるぞ。」


サスケの言葉に、

少女の動きがピタッと停まった。


「タンポポ、動いちゃダメよ!」

「3000ギルぽっくり草の毒とは、

何て恐ろしい事をするんだ!?」

仲間の少女たちが驚愕きょうがくの表情を浮かべている。


3000ギルぽっくり草とは、

少し大きめの街の道具屋なら、

どこにでも置いてある毒薬で、

おもに魔獣の討伐とうばつで使用されている物だ、

その名のしめす通りに、

3000ギルという安価あんかで入手出来るので、

駆け出しの冒険者たちも良く使っている分、

名前も売れて、誰でも知っている毒薬である、

勿論もちろん、チビリンの刀に塗ってあるのは、

この毒薬では無く、ただの眠り薬だ。


「さて、やっと静かになったところで、

双方そうほうからの言い分を聞かせてもらうとするかな・・・」

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