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転落勇者の人生大逆転物語  作者: シュウさん
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終息宣言

サスケとミルクが、

フェルナリア皇国の皇都にある城をおとずれてから、

約3か月後、

『魔王熱』の新たな感染かんせん者は見つからず、

サスケたちが作った特効薬と、

教会が中心となって行った『浄化じょうか』の白魔法による、

治療行為ちりょうこういによって、感染者たちの治療が終わり、

ようやく、フェルナリア皇国の皇帝カムリ8世による、

『魔王熱』の終息しゅうそく宣言が発表された。


「サスケ殿、

此度こたびは、誠に世話になったな。」


「まあ、皇国はミルクの生まれ育った国ですので・・・」


「サスケ殿らの働きに対して、

何らかの報奨ほうしょうを出してむくいたいのであるが、

何が良いであろうか?」

フェルナリア皇国の国民らには、

『魔王熱』対策の特効薬が与えられるさいに、

この薬は、教会と、サスケやミルクたちの働きによって、

作られたと伝えられているので、

あのようなあつかいをした皇国に対して、

救いの手を差し伸べたサスケに対する人気が、

急上昇していたのであった。


「今回の治療にたずさわった人たちに、

労働料や薬代を払えば良いと思います。」


「それは、当たり前の事であろう、

それとは別に、何らかの形で、

サスケ殿の恩義おんぎむくいねば、たみたちが納得しないのだ。」


「はあ、そうなんですか。」


「陛下、ルクシアやマッスル王国の様に、

サスケ殿に、我が国の爵位を受けて頂いては、

如何いかがでしょうか?」

ここで、良いアイデアがひらめいたかの様に、

皇帝のわきひかえていた

皇国宰相のバケテナーイが発言した。


「おお、その手があったか。」

皇帝のセリフの、わざとらしさもる事ながら、

サスケの顔色をチラチラと確かめながら話しているので、

始めから、サスケに爵位を与えようとしていたのが、

丸分かりであった。


「して陛下、サスケ殿にお受け頂けるとしたら、

どの爵位を、お願いしますかな。」


「そうであるな、

やはり、皇国を救ってくれたのだから、

侯爵か、最低でも伯爵には、

なって頂かねばならんのではないか?」

皇帝は、侯爵とか、伯爵と言う際に、

サスケの顔を見ながら反応を確かめていた。


「いえ陛下、

侯爵や伯爵となると領地の管理をせねばなりますまい、

私はすでに、

ルクシア共和国と、マッスル王国共有の領地を、

たまわってりますので、

とてもでは有りませんが領地管理へと、

手が回りません、

とても、ありがたいお話ですが、

今回は、つつしんで、ご辞退じたい申し上げます。」


「やはり、そうであるか・・・」

皇帝も、離れた場所での領地管理の難しさは理解しているので、

この答えは予測していた様だ。


「では陛下、

領地管理の責務せきむともなわない、

名誉めいよ貴族となって頂くのは如何いかがでしょうか?」

バケテナーイが、代案だいあん提出ていしゅつして来た。


「うむ、その手があったな、

サスケ殿、では領地を管理する責任の無い、

公爵の地位では、如何であろうか?」


「陛下、

私の記憶では、フェルナリア皇国に置ける公爵と言う爵位は、

陛下の、ご近親者に与えられる爵位では無かったですか?」


「うむ、本来であれば、そうなのだが、

私には、男兄弟はおらず、

姉や妹らは、他家たけへと嫁いでおるので、

現在、侯爵位にいて居る者は、

おらんのだ、

その点、サスケ殿はミルクを妻にして居るし、

ちょうど良いと思ってな。」


「そうですか・・・分かりました。

少しミルクと相談してみるので、

お返事は、それからでも宜しいでしょうか?」

サスケは、うしだてが、多いに越した事は無いと考えたので、

取りえず、自分より政治にくわしいミルクと相談してから、

返事をする事にした。


「おお、勿論もちろん構わんとも、

良い返事を期待して居るぞ。」



サスケは、皇帝に別れを告げると、

魔王が倒された城の中庭にて、

教会の枢機卿すうききょうサクラや、騎士団長らと共に、

一応、残った『魔王のカケラ』が無いかを調べている、

ミルクの元を訪れた。


「ただいま~。」


「ああ、サスケさん、

お帰りなさい。」


「『魔王のカケラ』の方はどうだ?」


「はい、サクラ様たちと共に、

中庭の隅々(すみずみ)まで『浄化』の魔法を掛けて周ってるので、

大丈夫だと思います。」


「そうか、これで一安心だな。」


「はい、そうですね。

それで、お父様の話の方は何だったんですか?」


「ああ、それなんだけどな、

陛下が、俺に皇国の公爵位を受けてくれないかと言ってるんだが、

ミルクは、どう思う?」


「なる程、お父様方は、

サスケさんが、ルクシアとマッスル王国の領地を持っているから、

領地を管理しなくても良い公爵を提示して来たのですね。」


「ああ、俺が侯爵や伯爵を断ったんで、

では、公爵ではどうかと言って来たんだ。」


多分たぶん、お父様方は元々(もともと)、

サスケさんに公爵位を受けて頂きたかったんだと、

思いますわ。」


「そうなのか?」


「はい、公爵という地位の方が、

国民から見るとすると、

サスケさんが、より、お父様と近い関係に見えますからね。」


「そう見えると、何か陛下の得になるのか?」


「はい、皇国内でのサスケさんの評判は、

ウナギ昇りですから、

そのサスケさんを味方に付けていると印象付ければ、

皇国での、お父様の評判も上がりますわ。」


「でも、俺たちにもメリットは有るんだろ?」


「ええ、それは勿論ありますわ、

大国の後ろ盾というものは、

それだけで、一つの大きな力ですからね。」


「じゃあ、今回の話は受けても良いかな?」


「はい、サスケさんの、

これからの事を考えても、お受けした方が良いと思います。」


「俺の、これからの事?」

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