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転落勇者の人生大逆転物語  作者: シュウさん
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シンクタンク

「お館様、領民より徴収ちょうしゅうする税率に関しては、

如何いかがいたしましょうか?グワッツ!」

代官のダンディがサスケにたずねて来た。


「ミルク、通常は、どの位なんだ?」


「フェルナリア皇国では、

国内の商店や住民には5割、国外の商店には6割ですね。」


「意外と良心的なんだな、

国民にも6割ぐらい掛けてるのかと思ったよ。」


「皇国は、シエラザードでも一番人口が多い国ですから、

この税率でも十分に運営して行けるそうです。」


「まあ、考えてみりゃそうか、

道路工事なんかのインフラ整備が、そうある訳じゃないし、

ほとんどが人件費だろうからな。」


「主な取引先が皇国にある商店などは、

かなりの混乱こんらんきたしてりますので、

あきないが安定するまでは税率を軽めにした方が、

よろしいかと思われます。グワッツ!」


「そうだな、ルクシア共和国とライさんからは、

5年間は両国への納税のうぜいをしなくて良いって言われているから、

取りえず、1年間は3割の税率で行くとするかな。」


「私も、その位にして置いた方が良いと思いますわ。」


「分かりました。

では、税率に関しましては、その様に取りはからいます。

それから、今後の領内の経済を発展させて行くに当たって、

旧ギッテル領の経済に明るい人物が必要と思われますが、

お館様に、どなたか心当たりの方が御座いませんでしょうか?グワッツ!」


「おう、それなら丁度ちょうど良い人が居るから聞いてみるよ。」


「お願い申し上げます。グワッツ!」


サスケは、さっそく次の日に、

シャルムの街をたずねてみた。


なお、コウガ領内の街や村の名前は、

領主であるサスケが城を構える、コウガの街の他は、

旧ギッテル領で使われていた名前のままとした。


「こんにちは~、ケンさん居ますか?」

サスケは、店の入り口のドアを開けながら声を掛けた。


「いらっしゃいませ!

フェルナリア、ルクシア、マッスルにまたがる未亡人の味方、

何でも屋ケンちゃんへようこそ!」


「ケンさん、俺ですよ俺。」


「何だ?俺の息子をよそおって金を巻き上げるつもりか?」


「サスケだって気付いてるでしょ?

もう・・・」


「おお、そう言う君はサスケじゃないか、

って言うか、ちゃんと御領主様とお呼びしなくちゃならんな、

何しろサスケ子爵様だからな。」


勘弁かんべんして下さいよ、

いつもの通りにサスケで良いですよ。」


「そうか?

サスケが、そう言うなら、

人前以外では、今まで通りに呼ばせて貰うとするか、

それにしても驚いたぜ、

ギッテル様がルクシアに攻め込んだと思ったら、

アッと言う間にやぶれて、

ギッテル領が、ルクシアとマッスル王国に接収せっしゅうされたと聞いたと思えば、

その領主として、サスケがやって来るんだからな。」


「ええ、自分でもおどろいてますよ、

この前の、俺とミルクの結婚披露パーティーの席上で、

いきなり、ライ国王から聞かされましたからね。」


「あ~、あのいくさ延期えんきになったヤツか、

悪かったな参加出来なくて。」


「仕方が無いですよ、

あの段階では、ケンさんが店を構えているギッテル領が、

どうなるか分からない状況じょうきょうだったんですから。」


「そうなんだよな、

俺も、もしかしたらルクシアの兵士たちや、

皇国の他の領兵りょうへいたちとか、

盗賊なんかが攻め込んで来るかもっていう、

可能性も視野しやに入れて、

サスケからもらった魔導カバンに店の商品をめ込んで、

しばらく、身をひそめていたよ。」


「あ~、火事場泥棒かじばどろぼう的な事が起こりそうですもんね。」


「そうなんだよな、

悪い事にかぎって目端めはしくってヤツは、

どこにでも居るからな、

まあ、今回はぐに、

勇者ライがかかわっているらしいって言ううわさが流れたから、

報復ほうふくを恐れて、誰も手出しをして来なかったから良かったがな。」


「ええ、ライ国王と、

ピロンの街の領主をしているオークス様が相談して、

いち早く噂を流したらしいですよ。」


「さすが、出来る男達は、

やる事が早いよな、

あの方達は、ギッテル様に勝った段階で、もう、

サスケに、この領地をまかせようって考えていたんだろうな。」


「どうやら、そうみたいですね、

俺とミルクをまもる為には、この策が一番だと考えた様です。」


「そうだな、他国の貴族となっちゃあ、

そう簡単には手出しが出来ないだろうからな。」


「ええ、そう言う事みたいです。」


「それで、その新しい領主様が、

俺んとこに何の用で来たんだ?」


「それなんですが、

コウガ領を運営して行くのに、

あらたな代官だいかんえたんですけど、

今までルクシア共和国に暮らして居た人なんで、

皇国や旧ギッテル領の経済に詳しい人が必要だそうなんですよ。」


「そう言う事か、

まずは経済の安定を考える辺り、

ちゃんとした人を選んだみたいだな。」


「ええ、モモヨさんのご紹介で、

ルクシアのラッスンって言う街で、

宿屋を経営していたダンディさんて方にお願いしました。」


「おお、ダンディさんか!」


「ご存じでしたか!?」


「いや、知らん。」


「やっぱり、ケンさんは、

モモヨさんのおとうと弟子でしなだけは、ありますね。」


「そうめるなよ。」


「ケンさんに取っては褒め言葉なんですか!?」


「まあ、モモヨが選んだ人材なら間違いが無いな。」


「ええ、性格はかく

優秀な人物ですね。」


「分かったよ、出来る限りの協力をさせて貰おう、

その変わり、良いもうけ話があったら、

一枚いちまいませてくれよな。」


「ええ、マッスル王国の魔獣の素材を、

ルクシア共和国へと輸出する計画があるんで、

ケンさんと、レトリバーさんにお任せしようと考えています。」


「そいつぁ楽しみな計画だな、

実行前から大商おおあきないのにおいがプンプンして来るぜ。」

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