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転落勇者の人生大逆転物語  作者: シュウさん
147/238

ポリゴン面

「陛下、コウガ領へと向けて放った間者かんじゃが、

一人として戻って参りません。」

フェルナリア皇国の皇帝であるカムリ8世の元へと、

宰相のバケテナーイが報告におとずれた。


「何!?

それは、どう言う事だ?」


「戻らないので、正確な事は分かりませんが、

あの偽勇者めが、何らかの防衛措置ぼうえいそちを、

こうじたと見るべきでしょうな。」


「う~む、今までは自由に入り込めた事から考えても、

そう見るべきであろうな、

よし、コウガ領内へは立ち入らぬ様にして、

国境の間際で監視しながら、

こちらへと報告を入れる様に指示を出しておけ。」


御意ぎょいに。」


皇国の皇帝と、宰相が会話を交わす少し前、

ルクシア共和国とマッスル王国の共有地として、

新たに立ち上げられたコウガ領に置いて、

領地の中心となる『コウガの街』(旧ギッテルの街)の、

領主の城に置いて、

新領主のサスケと、その妻のミルク、

そして、サスケの下で新たな代官として、

コウガ領を運営して行くダンディが話し合いをしていた。


「しっかし、この城は、

キンキラキンの成金なりきん趣味みたいで、

品が無いよな。」


「ええ、貴族なので、

ある程度の装飾は必要ですが、

これは、少しやり過ぎですわね。」


「お館様、

ここは、センスのある私めが、

他の貴族家の連中が、

感心する様な城へとリフォームいたしましょうか?グワッツ!」


サスケは、ダンディが経営していた宿屋『豚の骨亭』が、

とても良いセンスで飾られていた事を思い出して、

返事を返した。

「ああ、もっと領内が落ち着いたら、お願いするよ、

余計な置物とかは処分しちゃって良いから、

代金はリフォーム費用とか、領地の運営費にあててくれ。」

センスはかく

金や宝石を、ふんだんに使った置物等は、

高値で売れるだろうと見たサスケが、

ダンディへ告げた。


かしこまりました。グワッツ!」


「さて、この城の方は、それで良いとして、

コウガ領は、何から手を付ければ良いかな?」


「領民の混乱にじょうじて、

諜報ちょうほう活動を行う間者が、

入り込んで来ると思いますから、

国境線の強化をした方が良いと思いますわ。」


「奥様の、ご意見に私も賛成です。

不安になっている領民を扇動せんどうして、

騒ぎを起こされると鎮圧ちんあつなどで、

余計な時間が取られますから。グワッツ!」


「そうか、国境線の警備の強化か・・・

今現在は、その辺は、どうなってんだ?」


「はい、ギッテル領に居た皇国の兵士たちは、

先日、捕虜ほりょ返還へんかんする際に、

一緒に皇国へと送還そうかんいたしましたので、

今現在の国境の警備は、

ピロンの街の、ご領主様よりお借りした兵士の方達によって、

守られています。」


「オークス様から、借りた兵士の人達でって言っても、

そんなに多くは無いんだよな?」


「はい、ここコウガの街の、

他の街や村で警備に当たる者も必要でありますので、

そう多くの人数を、

国境のみにさくく訳にも行きませんからな。グワッツ!」


「街や村の警備は、

ちゃんと血の通った普通の兵士の人達に当たってもらいたいから、

国境を警備するゴーレムでも造るかな。」


「ゴーレムと言うと、

チビリンちゃん達や、ハンターウルフで造ったみたいなのですか?」


「いや、今回は威圧感いあつかんを持たせる為にも、

もっと大きくて、見た目もゴーレムっぽく造るとしよう。

ゴーレムが出来るまでの間は、

サンたちに依頼して警備に当たって貰うとするかな。」


「サンさん達なら安心ですね。」


「ああ、へたなシーフ連中じゃ、

あいつらの目をくぐっての、

国境越えは不可能だろうな。」


「ヴィン爺ィ様や、ダンミーツさん達は、

この城に、お呼びにならないのですか?」


「ああ、ヴィン爺ィたちを呼び寄せるのは、

もっと、領内の政治が安定してからだな、

ピロンの街にある屋敷は、チビリンたちに護らせているし、

オークス様にも、お願いしてあるから大丈夫だろう。」


ミルクやダンディと打ち合わせた通りに、

サスケは、ピロンの街より、

サンたちを呼び寄せると、国境の警備へと当たらせた。


度々(たびたび)に渡って皇国の間者が、

コウガの領内への侵入しんにゅうこころみたが、

その事如ことごとくが、サンたちに寄りはばまれて無力化された。


「お頭、捕まえた間者は処分するんですか?」


「そんな、勿体もったい無い事、する訳無いじゃん、

それなりの腕前は持ってるヤツらだから、

催眠さいみんの魔法で洗脳して、

マッスル王国との間にある『魔の森』で、魔獣を狩らせているよ。」


「なる程、リサイクルって訳ですね。」


「そう言う事だな、

あと、明日から、お前たちは国境の警備を止めて、

コウガの街の警備に移ってくれるか。」


「じゃあ、新しいゴーレムって言うのが完成したんですか?」


「おお、出来上がったぜ、

倉庫に居るから、見てみるか?」


「はい、是非ぜひ拝見はいけんさせて下さい。」


サスケは、国境の警備から、

報告と、捕まえた間者を連れて来たサンとリンをともなって、

城の倉庫へとおとずれた。


サスケが、倉庫の大きな引き戸をズゴゴゴゴッ!と、引き開けると、

サンたちの目に、巨大な何かが整列しているのが、見て取れた。

「こっ、これは・・・

皆、2メートルをはるかに超える大きさですね。」

「お頭、このゴーレムのベースになった魔獣って、

何なんですか?」


「おう、ライさんに相談したら教えてくれたんだけど、

アルビナ王国に生息しているメタルモンキーって魔獣なんだよ、

体が、やたらと硬くて、黒魔鋼製の剣で切り付けても、

剣の方が折れるんだぜ。」


「それは、驚きの硬さですね。」


「お頭、このゴーレムの顔って、

ゴツゴツしているけど、何か私に似ていませんか?」


「そりゃ似てるさ、俺が一番慣れているのは、

チビリンがベースのゴーレムだからな、

こいつらもチビリンと一緒で、

お前がモデルになってんだよ、

そうだな・・・全部で20体造ったから、

ゴリリン1(ワン)、ゴリリン2(ツー)とかって名付けるかな。」


「チビリンたちは、まだ良いけど、

ゴリリンは、ちょっとヤダな~。」

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