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転落勇者の人生大逆転物語  作者: シュウさん
135/238

準備期間

「じゃあ、ライ国王がお見えになりましたら、

オークス様にご連絡を入れますので、

今日は、これで失礼します。」


「うむ、頼んだぞサスケ。」


カタブツが呼んだ兵士に案内されたサスケが帰って行った後、

スライバーの執務しつむ室には、

スライバーとカタブツの二人が残っていた。


「くくくくっ。」


「どうなさいました?お館様。」


「これが、笑わずにれようかカタブツよ、

我が街に、かの『大賢者』と、その弟子のサスケが居るばかりか、

近々(ちかぢか)、勇者ライがおとずれるというのだぞ、

これで、何も起きぬ訳が無いではないか、

その、一大劇を私は特等席で鑑賞かんしょう出来るのだぞ。」


「恐れ多くもお館様、それは間違いと言わざるを得ませんぞ。」


「うん?

それは、何でだ?」


「お館様は、すでに重要な登場人物の一人と存じますれば。」


「フッハハハハッ!

そうか、私は観客では無く、役者の一人と申すか!

それはそれで面白いではないか、

精々(せいぜい)、歴史に残る様な大舞台を演じてくれようぞ!」


御意ぎょいに御座います。」



領主のスライバーとの話し合いを終えたサスケは、

次の日から結婚式や披露パーティーに出す料理の準備に取り掛かった。


「ご主人様、パーティーにお出しする料理のメニューは、

いかがいたしますか?」


「うん、そうだな・・・

サブメニューは、いつもの中華やカラアゲにするとして、

メインとなる料理は見栄えが良い方がいいだろうからな、

ここは、一つ『シエラザード3大料理』にでもするかな。」


「3大料理ですか?

それは、どの様なモノなのですか?」


「おう、俺も街の図書館で、

『召喚フジョシのグルメツアー日記ゼェ~ット!』って本を、

読んで知ったんだがな、

こっちの世界シエラザードには、

グルメを語るには、必ず食して置かなくてはならない料理が3つあって、

その料理というのが、

ザドス王国に生息するタカギブタのみが探し出せるというキノコ、

『ドリュフだけ』を塩漬けにしたものを、

タカギブタのモモ肉に縛って蒸した料理、

『ドリュフの大縛塩だいばくしお


ラメール国の山奥に居る、

金色の羽毛を持つアヒルの皮に、甘みのあるタレを付けながら焼いた料理、

『パツキンダック』


そして、ここルクシア共和国の森に住むボタンボアの中から、

肥満体型のものを選んで、その肝臓を蒸してペースト状にしたものを、

グラタン風に調理したもの、『ボアグラ』の3種だ。」


「ボタンボアはかく

他の2品に使う食材を手に入れるのが難しいのではないのですか?」


「ああ、レトリバーさんに頼んで手に入れてあるから大丈夫だ。」


「そうなのですか、

では、サブメニューの方を私たちで作ればよろしいでしょうか?」


「ああ、ダンミーツたちは、そっちを担当する様にしておいてくれ、

少し多めに下拵したごしらえする様にして、

足りなくなりそうだったら追加で作る様にしてくれるか。」


かしこまりました。」


サスケがピロンの街へ帰って来た日から、

3日後にはサンたちが、

大工の棟梁とうりょうのゲインと兄弟たちを護衛しながら帰って来たので、

サスケとミルクが出迎えた。


「お頭、ミルクさん、

ただ今、戻りました。」

「「「ただいま~!」」」

「「「「キキキ~!」」」」


「おう、サンたちもレッドたちも、ご苦労だったな、

別に問題は起きなかったか?」

「皆さん、お帰りなさい。」


「はい、特別な問題無く帰り着きました。」


「そうか、そりゃ何よりだな。」


「サスケ、色々と世話になったのう。」


「いえ、こちらこそゲインさん達には立派な建物を建ててもらって、

大感謝ですよ。」


「そうか、ワシらが建てた物を喜んで貰えたなら何よりだのう、

ワシら大工に取っては、それが一番の報酬だからのう。」


「そうですか、良かったです。

ケモイヤー村に冒険者ギルドの主張所を作る時には、

またモモヨさんから、お話が行くと思いますが、

その時には、またお願いします。

それと、俺とミルクの結婚式には、

是非ぜひ、皆さんで出席して下さいね。」


「おう、参加させて貰うぞい。

のう、みんな。」

「「「「「おう!」」」」」


「そうですか、ありがとうございます。」

「お待ちして居ります。」


「では、帰るとするかのう、

行くぞ、みんな。」

「「「「「おう!チョンピ~チョンピ~仕事ハケた~」」」」」


「こらっ、ジュリー!お前まで帰ってどうすんだよ。」


「あっ!しばらくゲインさん達と一緒に行動してたんで、

つい・・・エヘヘヘッ。」


「ジュリーは、相変わらずみたいだな。」


そして、サスケたちの結婚式の2日前になって、

ライからの魔導通信が入った。

『もしもし、サスケか?

こちらはライだが、みんなでこれから転移魔導具を使って、

そっちに行こうと思うんだが、

そちらはオッケーか?』


「ええ、もう魔導投影機を設置してあるから大丈夫ですよ、

転移魔導具のモニターでピロンと表示されているところを、

タッチしてくれれば良いんで、お願いします。」


『了解。』


返事の後、サスケの屋敷の居間に設置されている魔導投影機が作動すると、

投影機から放射された光の中に、ライたちが現われた。


「ピロンの街へようこそ、皆さん。」


「おう!世話になるぜ、サスケ。」

「お世話になります。」

「お世話様ですわ。」

「お邪魔しま~す。」

「邪魔するよ。」

「おじゃまします。サスケ。」

「サスケ。来た。」

「「キキ~ッ。」」

今回のメンバーは、ライ、ルクア、フローラ、リーナ、エルザ、ポラレ、

パサラに加えて、2人の護衛であるクロとシロである。


「パサラちゃん達は、やっぱり呼び捨てなんだ・・・

あと、シロとクロ、

『ここがサル神様の城ですか?』とか言ってんじゃねぇ。」


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