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転落勇者の人生大逆転物語  作者: シュウさん
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運命の歯車

「じゃあ村長さん、ケモイヤー村の皆さん、

色々とお世話になりました。

結婚式には、是非ぜひいらして下さいね。」

温泉宿泊施設の完成披露パーティーが開催された翌日の午後、

結婚式を一週間後へとひかえたサスケとミルクとチビリンは、

建築作業の後片付けが残っているゲイン達と、

その護衛役のサン達や、レッド達を残して一足先に、

ピロンの街へと帰る事にした。


「こちらこそ、サスケさんには大変お世話になりましたな、

食堂に魔導エール・サーバーまで造って頂きましたしな、

結婚式には、ワシとサンパパ達がうかがわせて頂きますので、

よろしくお願いしますのう。」


「ええ、サスケさんと楽しみにしてお待ちしております。」



「じゃあ、ゲインさん達も、

サン達も気を付けて帰って来て下さいね。」


「おう、サスケとミルクさんの結婚式には、

みんなで、顔を出させてもらうわい。」

「はい、お頭、ゲインさん達の護衛はお任せ下さい。」


「じゃあ、お先に失礼します。」


こうして、サスケ達は約一週間振りにピロンの街へと帰還を果たした。



一方、その頃、

フェルナリア皇国の皇帝であるカムリ8世より、

ギッテル子爵に加勢して、

ルクシア共和国の、ピロンの街を攻める様にとの命令を受けた、

怒髪天どはつてん』こと、ゴンザレス千人せんにん兵士長が、

子爵が待つ、ギッテル領のギッテルの街へと到着していた。

「何?

ギッテル子爵が体調を崩されていると?」


「はい、大変、申し訳御座いませんゴンザレス殿、

主人は、皇都からお戻りになって直ぐに体調を崩されまして、

医師の見立てでは心身共に疲労されていたところに、

風邪を引いてこじらせた事から、

肺炎になり掛かっていた様であります。

ゴンザレス殿に、うつしてしまう恐れがあるので、

面会は、おひかえ下さいます様にとの事であります。」

子爵の執事が恐縮した様子で説明している。


「うむ、病とあっては仕方があるまい、

総大将が不在とあっては戦にならんからな、

子爵が快方へと向かうまでは、兵の訓練でもして待つとしよう。」


「申し訳御座いません。」


サスケやサン達が、ピロンの街に不在であった、この段階で、

ギッテル子爵やゴンザレス千人兵士長が攻め込んでいれば、

その後の戦局が、大きく変わっていた可能性が十分に考えられたが、

この、ギッテルの街での足止めが子爵とゴンザレスの運命を、

大きく変える事となる。




「ジャイケルさん、マクソンさん、

こんにちは、ただ今帰りました。」

ピロンの街に帰って来たサスケは、

街の入り口で警備をしていた2人に声を掛けた。


「おう!サスケかお帰り、元気にしてたか?」

「お帰りサスケ、マッスル王国に行ってたんだってな。」


「ええ、俺もミルクも元気です。

マッスル王国の、ライ国王への届け物の依頼を無事果たして来ました。」

街の人達には、冒険者ギルドの依頼で行った事にしてあるのだ。


「そうか、そりゃ良かったな、

ライ国王には、お会い出来たのか?

どんな人だった?」


「ええ、お会いする事が出来まして、

冒険者としての先輩なので、その辺の話も色々聞かせて頂きました。

それで、これから領主様にもご報告するんですけど、

ライ国王と意気投合した結果、

俺たちの結婚式に参列して頂く事となりまして・・・」

これは、領主のスライバー伯爵と申し合わせていた事で、

ライ国王が、ピロンの街へと訪れる理由付けをする為に、

警備兵たちに話を伝えたものであった。


「「勇者ライが、この街に来る!?」」

「こうしちゃ居られねぇぜ!みんなに知らせて来なきゃ!」

「コッ、コラッ、マクソン!まだ仕事中・・・ああ、行っちまった。

まったく、あとで兵士長に説教してもらわなきゃな、

それでサスケ、ライ国王は、お一人で来られるのか?」


「いえ、奥方様たちもご一緒に来られます。」


「げげっ!

ライ国王の奥方様たちと言えば、

アルビナ王国や、ザドス王国の王女様が居られるんだよな?」


「ええ、いらっしゃいますね。」


「こりゃ、警備が大変だぞ!

本番に向けて、綿密に警備スケジュールを立てなきゃならんな。」


「ご面倒をお掛けして申し訳ございません、

でも、奥方様たちは元は優秀な冒険者だったそうなので、

そこまで厳重な警備体制は必要ないと思いますよ。」


「そうか!確かS級とかA級の方たちだったよな、

それなら、俺たちよりも、ずっと強い方たちって事だな。」


「ええ、まともに戦ったら、俺も歯が立たないでしょうね。」


「サスケでもか?

S級っていうのは、そんなに凄いのか?」


「ええ、エルザ王妃は、

メタルモンキーを剣で真っ二つにした事があるって言ってましたよ。」


「あの、魔法も打撃も効かないから、

出会ったら、直ぐに逃げろって言われてるメタルモンキーをか!?」


「ええ、アダマンタイト製って言う愛剣を持たせて頂きましたが、

俺じゃ、重くて持ち上げる事も出来ませんでした。」


「さすがだな、アダマンタイトの剣って言えば国宝級じゃねぇか!

サスケでも持ち上げられねぇなら、俺たちなら手が潰されるぜ。」


「その、エルザ王妃とフローラ王妃は元S級冒険者で、

ピッカリーナ王妃は元A級、ルクレツェア王妃は元B級、

ライ国王の義妹のパサラ様も元A級ですから、

その辺の護衛よりも、ずっとお強いですよね。」


「そりゃ凄ぇな、

そうなると逆に、馬鹿なヤツらが手を出して、

王妃様たちに街が壊される心配をした方が良いかも知れないな。」


「同感です。

じゃあ、俺は一度家に帰ってから、領主様にご報告に伺うので、

これで失礼します。」


「おう、ご苦労さん。」


サスケは、ジャイケルに別れを告げると、

久し振りの帰宅となる、我が家へと向かった。

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