完成披露パーティー
サスケたちがケモイヤー村を訪れてから3日が経ち、
ゲインたちの技術力の高さと身体能力の強さから、
別荘の改築工事もアッと言う間に完了した。
「では、これよりケモイヤー村、
温泉宿泊施設完成披露パーティーを開催します。」
ゲインたちがケモイヤー村にて行う、
全ての工事が終了したので、
今夜は、完成披露パーティーを、
新しく完成した宿泊施設の食堂にて、
開催の運びと相成った。
「「「「「ワ~!パチパチパチパチ!」」」」」
「では、始めに村長の挨拶です。村長お願いします。」
「皆さん、こんばんは、
ケモイヤー村の村長を務めるソン・チョーです。
この度は、冒険者のサスケさんのお蔭で、
この様な、素晴らしい施設が我が村に誕生いたしました。
サスケさんが、冒険者ギルドにて宣伝して頂いたので、
もう、既に冒険者の方たちからと見られる、
問い合わせが多数寄せられています。
また、多数の冒険者が集まると見られる事から、
村としては珍しい、
冒険者ギルドの出張所の建築も検討されているとの事です。
ルクシア共和国の辺境に位置する、この村は、
若者が街へと出て行ってしまい、過疎化が進む一方でしたが、
今後の仕事の増加や、村の発展性を考えれば、
若者の流出が止まると共に、戻って来る子供たちも増えると思われます。
このケモイヤー村は、
サスケさんの、お蔭で生まれ変わったと言えるでしょう。
本日、お集まりの皆さん、今後の村の躍進に十分期待して下さい。
最後に、今回、多大なるご尽力を頂いた、
サスケさん、ミルクさん、サン、リン、ロリー、ジュリー、
そして、この様に素晴らしい建物を建てて頂いた、
棟梁のゲインさんを始めとする大工の皆さんに感謝の言葉をお送りして、
私の挨拶と代えさせて頂きます。
皆さん、本当にありがとうございました!」
「「「「「オ~!パチパチパチパチ!」」」」」
「村長どうしたんだ!?挨拶上手くなったな!」
「村長が、こんなに長く話すの初めて聞いたぜ!」
「村長のキグルミ被った別人じゃねぇだろうな?」
「村長、ありがとうございました。
続きまして、この温泉宿泊施設建設の立役者である、
冒険者のサスケさんから、ご挨拶を頂きたいと思います。
サスケさん、お願いします。」
「え~、ただ今、ご紹介に与りました冒険者のサスケです。
皆さんから、多大なるお礼のお言葉を頂きましたが、
今回の、温泉と宿泊施設の建築は、
私が大好きな温泉にユッタリと浸かって楽しみたいとの、
欲もあっての事ですので、
お互いに得になったと考えて頂ければ幸いです。
また、マッスル王国のライ国王も、
大変、この温泉を気に入って頂いた様ですので、
ルクシア共和国からの湯治客だけではなく、
マッスル王国は元より、
ライ国王と親交が深いアルビナ王国、ザドス王国、ラメール国からの、
お客さんも見得られると思いますので、
今の段階から、商業ギルドなどに労働力の確保を依頼しておいた方が、
良いと思われます。
私たちも、計画の当事者として、
出来る限りのご協力を、お約束致しますので、
村の皆さんも、お力をお貸し頂ければ幸いです。
最後に、新しく生まれ変わったケモイヤー村に、
この言葉をお送りして、ご挨拶を終えたいと思います。
本日は、おめでとうございました!」
「「「「「オ~!パチパチパチパチ!」」」」」
「今日は、みんな語るなぁ、オイ!」
「そんなに語るなんて、どうしたんだ!」
「お頭、睡眠学習の効果がありましたね!」
「サスケさん、ありがとうございました。
では、続きまして、
今回の施設建築を行った大工さんを代表して、
棟梁のゲインさんに、お言葉を頂きたいと思います。
ゲインさん、お願いします。」
「おう、俺が棟梁のゲインだ!
酒を目の前にして、俺たちドワーフが我慢できる時間も、
そろそろ限界なんで、手短にさせて貰うぞい!
今回の仕事も納得が行くもんが出来たから、
安心して使って貰って構わんぞい!
この村を気に入ったから、
また何か仕事が出来たら呼んでくれや、
じゃ、世話になったのう!」
「「「「「ワ~!パチパチパチパチ!」」」」」
「大工さんたち、ありがとうな!」
「また、一緒に飲もうぜ!」
「今度は、店の酒が無くならない程の量を用意しとくぜ!」
「ゲインさん、ありがとうございました。
では、皆さんの喉も乾いて来た事かと思われますので、
そろそろ、カンパイにしたいと思います。
カンパイの音頭は、
お馴染みのサンパパにお願いしようかと思います。
サンパパ、お願いします。」
「ハ、ハ、ハイ、た、ただ、ただ、ただ今、
ご、ごしょ、ごしょ、ご紹介に与り、え~、カンパイ!」
「「「「「カンパ~イ!」」」」」
「サンパパは、相変わらずだな!」
「早く飲める様に、ワザと選んでるんじゃねぇか!?」
「美味い酒が飲めれば、何でも良いぜ!」
「サスケさん、飲んでますかな?」
「ああ、村長さん、
ええ、美味しく頂いてます。」
「今回は、大変世話になりましたのう。」
「いえいえ、さっきも言いましたが、
俺も温泉に入りたかったんで、助かりましたよ。」
「そう言えば、リンに聞きましたが、
ケンタウロス村に寄って来たそうですな。」
「ええ、通り道だったんで、
ちょっと覗いて来ました。」
「では、あそこの名物の漢方薬は買われましたかな?」
「ええ、夏中花草やビンビン茸を、
大量に仕入れて来ましたが、
俺は、何気に、これが一番売れるんじゃないかと思います。」
サスケは『魔倉』から、木の根っこの様な物を取り出して、
村長に見せながら言った。
「それは?」
「これは、ウコンと言って、
二日酔いや高血圧を始めとした多くの病に効果が高いんで、
冒険者に売れば儲かると思うんですよね。」
「ハッハッハッ、サスケさん、
この年寄りを、からかわないで下さいよ、
いくら私でも、ウ〇コと、木の根の見分けぐらい付きますよ。」
「いえ、ウ〇コじゃなくて、ウコンですから。」