SG1
「では皆さん、あちらをご覧下さい。
沢山の女たちが、マツタケを握って居ります。」
「ただの、八百屋じゃねぇか!」
「?」
「キッ?」
「奥様方の夜のお供に、立派なキュウリとナスも御座います。」
「やかましいわ!」
「あの~、ネギは無いんですか?」
「生憎とネギは御座いませんが、
マイ・マツタケなら一本お持ちしています。」
「何だそりゃ!
ミルク、ネギなら、あそこに置いてあるぞ。」
「いえ、あそこにあるタマネギでは無くてですね・・・」
「続きまして、あちらをご覧ください、
男たちが、アソコから白いミルクを絞り出しています。」
「牧場だろ!
牛の乳搾りしてるだけじゃねぇか!」
「まあ、子牛が可愛いですね。」
「キキ~。」
「ほう、チビリンさんは、白いミルクが飲みたいのですか、
それでしたら、私めの「言わせねぇよ!」。」
「次に、あちらをご覧下さい。
大勢の男たちが、サオをそそり立たせて居ります。」
「釣り堀じゃねぇか、いちいち変な言い方すんじゃねぇ!」
「?」
「キッ?」
「おや?とにかくエロいタカムーラじゃないか、
その人たちは、お客人かい?」
「ああ、アネさん、ちょうど良いところで、
ええ、お客人のサスケと、ミルクさんと、チビリンさんです。」
「ここでも、呼び捨てかよ!」
「皆さん、このお人は、この村のリーダー的な存在で、
女性ながらにSG1(エスジーワン)を5年連続で優勝されている、
凄いアネさんなんだぜ。」
「SG1って何なんだ?」
「サスケ、SG1を知らんのか!?
SG1って言ったら、下ネタ・グランプリ1部リーグに決まってるだろ!」
「知らねぇよ!」
「はあ、あの・・・」
「ミルク知ってるのか!?」
「農業の祭典ですよね。」
「はあ?」
「ようこそ、お客人方、
この、ケンタウロス村へ良くお出で下さいましたね、
ここは長閑な村だから、
ゆっくりとナニを伸ばして行ってくんな。」
「伸ばすのは羽根だろ!」
「?」
「キ~?」
「ああ、申し遅れました。
私は、この村でオマメ・・・いや、まとめ役をしている、
オマメキャップってもんだ、宜しくね。」
「競走馬の名前かよ!
サスケです。よろしく。」
「ミルクです。よろしくお願いします。」
「キキッ。」
「サスケに、ミルクさんに、チビリンさんだね、分かったよ。」
「また呼び捨て・・・」
「とにかくエロいタカムーラ、皆さんの村の案内は終わったのかい?」
「ええ、この村の目ぼしい所は見て貰いましたが、
皆さん、他に見てみたいモノがありますかい?
俺のモノ以外で・・・」
「お前のモノは、年中ブラブラしてるだろ!」
「え~と、ネギ畑はどちらになりますか?」
「ネギ畑ですか?
この村は、ご覧の通り、森の中なんで畑作りには向いていませんが・・・」
「でも、この村の特産はルクシア共和国で良く食べられている、
下ネタネギなんですよね・・・」
「ミルクさん、あれは下ネタじゃなくて、
下ニータ地方で採れる、下ニータネギですよ。」
「あら!?そうなんですか?
私ったら、すっかり勘違いしちゃって。」
「それで、ネギネギ言ってたのか・・・」
「キ~。」
「サスケ、ネギは無いけど、
漢方薬を買わないこと?」
「何か、だいぶ、馴れ馴れしくなって来たな。」
「私と、あなたの仲じゃないの。」
「さっき会ったばっかりだろ!」
「ホホホッ、ナニ振り合うも多生の縁と、
言うじゃない。」
「袖だ、袖!
それで、どんな漢方薬があるんだ?」
「まずは、これね。」
オマメキャップは、傍らに置いてあるカゴから、
高さ1メートル程のヒョロ長いキノコを取り出した。
「これは、何て言う漢方薬なんだ?」
「『夏虫花草』って言うんだけど、
ブォンブォン蝉って言う魔獣の幼虫に生えてくるのよ。」
「へ~、冬虫夏草みたいだな。」
「ええ、系統としては同じ物だと思うけど、
こっちの方が効能が強いのよ、
これを飲んだら、もうビンビンよビンビン!」
「その、ヒジを曲げて、コブシを上に上げる動作は止めろ。
そんな、漢方薬が採れるんなら、
村の名物として売り出せるんじゃないのか?」
「それが、下ネタが敬遠されて、
村に人が寄り付かないのよ。」
「下ネタを止めろ!」
「何言ってるの、下ネタは、
この村のコミュニケーション・ツールなのよ。」
「下ネタ無しでも会話出来てるだろ!」
「ともかく、この村と下ネタは、
切っても切り離せないモノだから無理ね、
じゃあ次は、コレはどうかしら?」
オマメキャップは、急に手袋を付けると、
カゴから全長30センチ程の、
黒ずんだマツタケに似たキノコを取り出した。
「何で、急に手袋を付けたんだ?」
「このキノコは『ビンビン茸』って言うんだけど、
素手で触ると皮膚からエキスを吸収して、
男はビンビン状態が止まらなくなって、
女はエッチし続けなくてはいられなくなるのよ。」
「その、握った拳の中指と薬指の間から、
親指を出すポーズは止めろ。
そんな、物騒なキノコ使えないんじゃないのか?」
「錬金術士が加工すると高級回春薬になるらしいわよ、
お年寄りでもビンビンになるらしいよ。」
「だから、その動作は止めろっての、
どれどれ、ちょっと調べさせてくれるか、
『分析』っと・・・なる程、こりゃ売れるかもな。」
「サスケは、錬金も出来るのかい?」
「ああ、副業で治療薬や魔力回復薬を作ってんだよ。」
「それで、このビンビン茸は使えそうかい?」
「ああ、エキスを抽出して3倍に薄めると、
効果が高い回春薬になるみたいだな、
貴族の年寄りとかに高く売れそうだぜ。」
「じゃあ、買ってくれるかい?」
「ああ、夏虫花草もビンビン茸も貰ってくぜ、
これって、定期的に買えるのか?」
「ああ、森に行けば結構生えているから、
シーズン中に集めて乾燥しておけば、
一年中でも提供出来るよ。」
「じゃあ、時どき買いに来るから、
ある程度の量を確保しておいてくれよ。」
「いいよ、お得意さんが出来るなら大歓迎さ、
こっちとしてもヌレヌレでソープだからね。」
「濡れ手で粟だろ!」