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転落勇者の人生大逆転物語  作者: シュウさん
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皇帝の策謀

フェルナリア皇国の皇帝であるカムリ8世が、

ヒョロリー領の領主をつとめる、

サンシータ・ギッテル子爵に呼び出しを掛けてから、

3日後の午後になって子爵は皇都城へと登城した。

「親愛なる皇帝陛下、

私めを、お呼びとのご連絡をたまわりましたので、

ここに、参上さんじょうつかまりました。」


「うむ、良く来たな、

先日、そなたより聞いたミルキィの件で、

ルクシアに問い合わせたところ、

この様な報告書が私の元へ届いた。

宰相、子爵に読ませてやれ。」


「はっ、ギッテル子爵、

こちらが、その書状である読んでみるのだ。」


「では、ご拝見はいけんさせていただきます。

・・・こっ、これは何と無礼な!?

偉大なる皇帝陛下に対して、この様な物を送りつけるとは、

許しがたき狼藉ろうぜきでありますな。」


「そなたも、そう思うか?」


「はい!許しがたきルクシアの愚民共ぐみんどもめに、

正義の鉄槌てっついをば食らわせてやりたいところでありますな。」


「では、そうするが良い。」


「は?」


「お前が、我が国の名誉めいよある先鋒せんぽうとなり、

ルクシアへと攻め入れと申しておるのだ。」


「そっ、それは!?」


「どうした、出来ぬと申すのか?

そなたも知っているであろうが、

ルクシアは然程さほど軍備に力を入れては居らぬゆえ、

大した戦力を有してはおらんぞ。」


「そ、それは、そうなのでありますが、

恐れ多くも皇帝陛下、

大した軍備を持たぬのは我が領も同じでありまして・・・」


「何だ、その様な事を心配して居ったのか、

良かろう、

では、我が配下の兵を1000名程貸し与えようではないか。」


「それなら!い、いや、しかし・・・」


「見事そのピロンなる街を攻め落とし、

ミルキィの身柄を確保できたあかつきには、

そなたを辺境伯へんきょうはくへと叙爵じょしゃくする準備があるのだがな・・・」


「私めが辺境伯ですか!?

わ、分かりました。

このギッテル子爵、名誉ある任務をお受けいたしします。」


「うむ、受けてくれるか、

では、約束の1000名の兵士は準備が整い次第、

ヒョロリー領へと向かわせるので、

到着後、即、行動に移る様にするのだぞ。」


「はっ、かしこまりました。」


「うむ、では下がって、

そなたも、戦の準備へとはげむが良い。」


「では、これにて失礼しつれいつかまつります。」


ギッテル子爵が、皇帝の間をしてから、

宰相のバケテナーイが皇帝へと問い掛けた。

「陛下、1000名もの兵を貸し与えて良かったのですか?」


「うむ、此度こたびのルクシアの強気な対応が気になるのでな、

ギッテルめの抱える兵力では、

相手の力量りきりょう見極みきわめるにも心許こころもと無いゆえの事だ。」


「そうで御座いましたか、

では、貸し与える兵たちは、

それなりの力量をそなえた者達で無くてはなりませんな。」


「そうだな・・・

ゴンザレスの部隊とするか。」


「何と!?あの『怒髪天どはつてん』の部隊ですと!?」


「そうだ、あの魔王騒動の時は、

ザドス王国との小競り合いで皇都を空けておった所為せいで、

活躍出来なかったとこぼしておったからな、

いいガス抜きになるであろう。」


「なる程、ルクシアのヤツめらが、ちと可哀想になりますな。」


「もし、これで、ルクシアがゴンザレスを退しりぞける様な事があれば、

それなりの力を付けたとゆう事だからな、

我が国の軍備も、それに合わせて考えねばならんな。」


御意ぎょいに。」



サスケたちのあずかり知らぬところで、

ルクシア共和国、いてはピロンの街へと危機が迫っていた時、

サスケとミルクとチビリンは、

マッスル王国から、ピロンの街への帰路に着こうとしていた。


「サスケ、

土産みやげ沢山たくさん持って来てもらったり、

魔導冷蔵庫や転移魔導具やシロとクロの事なんか、

色々と世話になったな。」


「いえ、転移魔導具に関しては、

俺たちも、かなりの恩恵おんけいあずかりますから、

お互い様ですよ。」


「そうか、後は魔導投影機を、

あちこちに設置しなくちゃならないな。」


「ええ、俺たちの結婚式までには、

何台かの転移魔導具と魔導投影機を造っておきますので、

お渡し出来る事かと思います。」


「そうか、助かるぜ。」


「俺とミルクも、

結婚式を挙げた後に、新婚旅行的なもので出掛けようかと考えているんで、

旅先で、魔導投影機を設置してきますよ。」


「同じ場所にダブっちゃわないのか?」


「転移魔導具の地図に、設置場所が表示されますんで、

設置する際に確かめて貰えば大丈夫だと思います。」


「そうか、なら大丈夫だな。

そうだ、帰りは、どのルートを通って行くんだ?」


「行きで問題があった皇国は避ける様にして、

ちょっと遠回りにはなりますが、

魔の森の街道を、来た時とは逆方向に抜けて、

直接、ルクシア共和国に帰ろうかと思います。」


「そうか、サスケ達なら大丈夫だと思うが、

森の街道は、そこそこ強い魔獣が出て来るから気を付けるんだぞ。」


「はい、分かりました。」


「ミルクもチビリンも、またな。」


「ええ、お世話になりました。」

「キキッ!」


「それじゃ、皆さん、お世話になりました。

結婚式には、是非ぜひ、ご一緒にいらして下さい。」

「お待ちしてますわね。」

「キキ~。」


「ええ、サスケさん、ミルクさん、チビリンちゃんお元気で。」

「結婚式には、皆で伺いますわ。」

「サスケ・・・ちゃん、シロをありがとう。」

「サスケおに・・・、クロありがと。」

「「キキキ~!」」


「パサラちゃん、ポラリちゃん、

呼びづらかったら、別にサスケさんでも構わないぞ。」


「「バイバイ、サスケ。」」


「呼び捨てに戻った!?」


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