お土産
「パサラちゃん、ポラリちゃん、
ライさんやルクアさん達に、私たちが来た事を伝えてくれるかな?」
ミルクが2人に、お願いしてみる。
「は~い!」
「うん。」
2人は館に向かい走って行くと、
玄関のドアを開けて、中に向かって声を掛けた。
「ライさん!ルクアさん!
ミルクさんとチビリンちゃんが来ました!」
「ついでにサスケも。」
「おい。」
「そうか、今行くぜ。」
館の中からライの声が聞こえた。
少しすると、
ルクアとフローラを伴ったライが玄関に現れる。
「ライさん、こんにちは先日はお世話になりました。
それと、ルクアさんと、
そちらはフローラさんですか?
俺はサスケっていう者です。宜しくお願いします。」
「おう!サスケ良く来たな、
温泉は、俺たちも十分楽しんだんだから気にするなよ、
ケモイヤー村では、色々持て成して貰ったから、
ここは自分の家だと思って、ゆっくりして行けよ。」
「ええ、私がルクアです。
ミルクさんとは幼馴染なので、宜しくお願いしますね。」
「サスケさん、ミルクさん、コエドの街にようこそ、
私がフローラでございますわ、
宜しくお願い申し上げますわ。」
「ライ様、先日はありがとうございました。
ルクアさん、フローラさん、その節はお世話になりました。」
「おう!ミルクも良く来たな。」
「いらっしゃいミルクさん、お元気そうで何よりだわ。」
「無事にサスケさんにお会い出来て良かったですわ。」
「はい、ありがとうございます。」
「そう言えば、サスケ、
ケモイヤー村に作るって言ってた、宿泊施設作りは始めたのか?」
「ええ、ピロンの街の大工さん達にお願いしまして、
サンたちを護衛に付けて村に行って貰いました。
別口で別荘の建築工事もお願いしたんで、
完成したら、ご招待しますよ。」
「おお、そりゃ楽しみだな。」
「さっそくですが、
色々とお土産をお持ちしたんで受け取って下さい。」
「おお、悪いなサスケ、別に気を遣う事なんて無いんだぜ。」
「いえ、俺、誰かにお土産を持って行くのが好きなんですよ、
だから、気にしないで受け取ってくれますか。」
「そう言う事なら、ありがたく頂くぜ。」
「はい、ありがとうございます。
まずは、いつもの低・中・上級治療薬と魔力回復薬、
ソーマと、身体能力向上や防御魔法が付与してあるアクセサリー類、
『ピロン焼肉のタレ』の甘口・普通味・辛口、
それに、マッドパイソンの肉を10頭分ですね。」
サスケは、説明しながら次々と『魔倉』から取り出した。
「おお!随分と沢山持って来てくれたんだな、
でも、マッドパイソン10頭分の肉なんて保存に困るぜ。」
「そういう事もあろうかと思いまして、
冷蔵用の魔導具を造って持って来たんですが、
どこか、据え付けるのに良い場所とかありますか?」
「どの位の大きさなんだ?」
「本体自体は、普通の冷蔵庫ぐらいの大きさです。
中に空間拡張の魔法を付与してあるので、
マッドパイソンなら100頭分ぐらいは入りますよ。」
「相変わらず、凄い腕前の錬金術だな、
それ程の空間拡張魔法を、
冷蔵庫サイズに納められるなんて聞いた事ないぜ。」
「ライ様、冷蔵庫サイズと言うのは、どのくらいの大きさですの?」
「そうだな、高さ190センチ、幅100センチ、
奥行き60センチぐらいかな。」
「その大きさに、先程仰ってた容量が入る、
空間拡張魔法が付与されていますの!?
なる程、ミルクさんのパートナーは、
不世出の天才錬金術士の様ですわね。」
「いや~、俺なんて師匠に比べたらマダマダですよ。」
「あなた程の腕前を持つ錬金術士の師匠様というのは、
一体、どんな方ですの?」
「そう言えば、エルザが会ったとか言ってたな?
確か、魔法の腕前も凄かったとか言ってたぞ。」
「俺の師匠はヴィンセント・オナルダスって言うんですけど、
一般の人には『大賢者』って言った方が分かり易いみたいですね。」
「「『大賢者』様!?」」
「ルクアとフローラは知ってるのか?」
「勿論よライ、
偉大なる錬金術士にして大魔法使い、
多少なりとも魔法を聞きかじった者なら、
誰もが彼の名前を知っている筈よ。」
「彼の方は魔法学院の学生時代に、
オリジナル魔法である『言葉魔法』を造り出されたのですが、
その魔法を発動させる為の術式の余りの難しさに、
他の誰もが習得出来なかったのですわ。」
「へ~、そんな凄い人だったのか、
弟子って事は、サスケはその魔法が使えるのか?」
「ええ、師匠が造った魔法の上位にあたる、
『言霊魔導』って言う魔法まで、
習得出来ました。」
「おお、そりゃ凄そうだな。」