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灰色の研究
俺には変えたい過去、もとい黒歴史がたくさんある。
クラスの女子に告白して振られた中二の夏や、隠してたエロ本が母親にバレた中三の秋など、思い出したら吐きそうになる黒歴史がノート一冊埋まる程度にはある。
だがこの黒歴史は、猫型ロボットが存在しない限り変えることができない。過去は変えられないし、ギャグアニメの様に頭を打てば忘れてしまえる過去なんて存在しないのだ。
だから俺は、この過去を死ぬまで後悔しながら背負って行かなければならない。
あの時、あの頃、あの場所で、こうすれば良かったという後悔を胸に、これからの人生を歩まねばならない。
人生とは選択と後悔の日々だ。
今日でめでたく高校二年生に進学した俺、加賀幸太は、この言葉を胸に刻み、平凡な高校生活を過ごして行こうと心に誓ったのだった。