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隣の妖様  作者:
2/2

出会いと約束


冷たい


それが優華が目を覚ましたときの感想だった。

体を冷水に晒されたような少々の痛みともいえる冷たさに優華は閉じていた目を開いた。目の前に広がるのは広大な川原で、ごつごつとした石をベッドに胸あたりまで河の水に浸かっている。


なぜ、どうして。

疑問ばかりが頭を巡るが答えてくれる者は誰もいない。

ひとまず河を上がり、辺りを見回す。

人が見当たらないどころか、なにかがいるような気配もない。

これはまいった、と小さく溜息を吐いた時だった。


「ここで何をているんですか?」


優華の背後から唐突にかけられた声。

驚いて肩が跳ねてしまったが、勢いでグルリと振り向く。

そこにいたのは誰もいなかったはずの川原に鋭い目つきで優華をにらむ黒と、にこにこと笑顔を貼り付けた白が存在していた。


「鬼姫、貴方というお人は、亡者に殺されるなんて前代身門ですよ」

「まあ、鬼姫は前からチョット抜けてるしねー」

「しかし、相手は亡者ですよ?いくら現世とはいえ「ちょっと!あなたたちは誰?ここはどこ?なんで私はここにいるの?鬼姫って誰!?」……。」


優華の叫びに黒と白はキョトンと顔を見合わせて、少し悩んだあとに優華を見据えた


「申し遅れました。

私、地獄で閻魔大王の補佐をしております(ほこら)と申します。」


「俺は(やしろ)

祠といっしょに閻魔の補佐やってる。」


どうやら、黒くて丁寧な口調なのが祠、白いほうが社というらしい。


「ここは三途の川。

貴方は現世で亡くなったのでここにいます。」


「鬼姫は名前のまま、鬼の姫だな。

オネーサンは鬼姫だ。こればっかりは否定しても無意味だけどな。」


祠は淡々と事務のように、社は至極嬉しそうにそれぞれ言葉をつむいだ。

混乱しかけた優華は頭が痛くなった。

意識がはっきりとしていて、なおかつ自分には交通事故としてあの女に殺されたことも鮮明に覚えている。

そうか、ここが三途の川か、ってことはこれから地獄か天国に行くか決まるのか…

天国がいいな…あれ?これ死ぬ前にも思ってなかった…??




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