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最高の死霊魔術師-Psycho Necromancer-  作者: かっつん
第2話:死霊魔術師の入部
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3.記者、周囲に知新撒く

短い期間で何度も気を失うと、気絶というものに大分慣れてきた……ような気がする。

目を開けると燦燦と輝く真夏の太陽が私をジリジリと焼き焦がそうとしていた。

私はゆっくり起き上がり、周囲を見渡した。


「はぁ……慣れてるのか慣れてないのか」

「でも目が覚めるまで早かったですよ?慣れて来てるんです」

「どうでしょうねぇ……」


私が立ち上がると、古鉄君の陰に隠れて見えなかった2人の少女が姿を現した。


「こてっちゃん、そんなウチらをらんごくに召喚しちゃあかんよ。ウチらの存在がえがんでまう」

「みーもそう思います……」

「あはは、ごめんよ。家とはすこし勝手が違ったからね……愛華さん、紹介します。碧と、蒲美です」


碧と呼ばれたゾン子は麦わら帽子をかぶっていて、白いタンクトップから伸びる腕は健康そうな褐色をしている。また、大きなリュックサックを背負っていて、そこから白い煙をモクモクと吐き出す煙突のようなものが生えている。


「あおい、といいます。よろしく」


青縁メガネの奥の瞳が爛々と輝いている。私はそれに釣られて差し出された手を取り、


「ど、どうも。愛華と申します」

「お!愛華って言うと、こてっちゃんが信用してる奴って話じゃんね」

「だから信用してるんじゃなくてだね……」

「はっはっは!こてっちゃんちょうらかすのはでれたのしいわ~」

「勘弁してくださいよもう……あ、ほら、蒲美ちゃん、愛華さんにご挨拶してください」


碧の後ろに隠れるように立っていたのは……かまみ、と呼ばれた少女、いや幼女だった。


「ちゃんを付けないでください」


ほっぺを膨らませて怒る彼女はかわいらしいが、如何せん格好に問題があった。

確かに私もこの季節体育の授業でこれを着る。しかし普段からこれを着ている子など見たことが無い。

……スクール水着。さらに背負うはランドセル。胸に実るは巨大な鈴。


「え、えっと……かまみ、ちゃん?」


私は視線を合わせる為少し膝を曲げた。


「だからちゃんを付けないでくださいって言ってます」

「じゃあなんて呼びましょうか?」

「みーの事はプリンセスオレンジ姫と呼んでください」

「ぷりんせすおれんじひめ?」

「はいです」


なんてこった。ゾン子にもこういった頭がお花畑な子もいるのか……

私はメモを取りつつ、蒲美にその恰好について質問した。


「どうしてこの恰好なんですか?」

「みーの国ではこれが流行っていたからです」

「国、とは?」

「おっと愛華さん、今回は取材される側なんですよ?」


古鉄君が蒲美と私を遮るように立ちふさがった。


「む、古鉄君、言うようになりましたね」

「このままじゃお昼休みが終わっちゃいますから」

「……それもそうですね」


私もそろそろ広げかけていた弁当を食べなくてはならない。

まさか私を待たせた古鉄君につっこまれるとは思ってもいなかったが……

しかし本格的に空腹を告げている私の脳にはそれ以上考える余地はなかった。




「あたい、空気だなぁ」


私も古鉄君もゾン子も昼食を取っている中、一足先に食べ終えてていた八坂のフカがつぶやいた。


「よろしかったら八坂さまも召し上がりますか?」


本子が卵焼きを差し出した。

それを見るや否やフカは目を輝かせ、


「お、おおぉ!そうかぁ!本子は気が利くなぁ!」

「めちゃくちゃうれしそうじゃないですか」

「べ、別にそんなことはないぞ!?ただ差し出された卵焼きが可哀想だから食ってやったまでのことで……」


とかなんとか言いながら顔を綻ばせている。

嬉しそうに卵焼きを呑みこむと、思い出したかのように古鉄に向き直った。


「あ、ところでこてっちゃん」

「ん、どうしましたフカちゃん?」

「こてっちゃんもいい加減あの肉を食わなきゃいけないんじゃないかい?」

「え、あ、そうですね」

「あたいが用意しておこうか?」

「いえ、結構です。自分でなんとかしますから」

「そうかい?ならいいんだけど……」

「どうかしたのですか?」

「いんや?なんでもないよぉ」


キーンコーンカーンコーン


鳴り響くチャイム。授業開始の時間が来ていた。


「わっ、やばい授業始まっちゃう!」

「本子、ここはお願いするよ!」

「かしこまりました、どうぞお気をつけて」


私と古鉄君は後の片付けを本子たちゾン子に任せて、教室へと走った。


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